「助教授」と「准教授」の違いとは?調べてみたら意外な事実が判明した!

日本の教育機関には教授だけではなく、様々な役職の人たちがいます。
教授の次の役職として認識されているのが、「助教授」「准教授」と呼ばれる人ですよね。

ここでは、助教授と准教授の違いや、その他の役職について見ていきましょう。

助教授=准教授

 

助教授と准教授というのは意味合い的には同じですが、日本と海外でその立ち位置が変わってきます。

助教授という役職は現在存在しない

准教授は大学などの高等教育機関で教授に次ぐ教員の職階のことで、日本で2007年3月まで使われていた「助教授」という言葉と同じ意味を持ちます。

ただし、現在は助教授の規定が存在しないため、助教授という職業は存在しないことになります。
新設された「助教」とも異なります。

准教授は助教授の役職名が置き換わった名前

助教授は、日本の大学などの高等教育機関で2007年3月まで定められていた教員の職階のことです。
2007年4月以降に施行された「学校教育法の一部を改正する法律」によって、日本では助教授を廃止して「准教授」という役職を定めることにしました。

准教授というは、助教授の役職名が置き換わったものなのです。

助教授から准教授に名前が変わった理由

 

それではなぜ助教授から准教授に名称が変わったのでしょうか?

助教授の業務は実態を伴わなかった

そもそも助教授の業務は、実態を伴っていませんでした。
日本の学校教育法58条7項によると「助教授は教授の職務を助ける」とあるのですが、実際には自身の研究もし、学生への授業や指導も行っていました。

一方で諸外国ではその業務は助教授(Assistant professor)ではなく、准教授(Associate Professor)が担っているため、しっかりと区別されています。
助教授は教授の職務を助けるという役目から、独自の研究はできないという法律があるくらいなのです。

新設された役職「助教」

日本の高等教育機関で2007年4月から定められた教員の職階として、新たに新設されたのが「助教」という役職です。
従来の助手のうち、教育や研究を主な仕事とする研究者が助教に移行したことで明確な区別ができるようになりました。

「助教授」と名称が似ていますが異なる職階となります。

海外では助教(Research Associate)という役職に位置し、助教授(Assistant professor)とも准教授(Associate Professor)とも別物です。

教授・准教授・助教・助手の違い

 

下記、教育基本法92条で定められている役職となります。

・6項:教授は専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の特に優れた知識、能力及び実績を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。

・7項:准教授は専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。

・8項:助教は専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の知識及び能力を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。

・9項:助手はその所属する組織における教育研究の円滑な実施に必要な業務に従事する。

上記のことからもわかるように、准教授も助教も独自の研究を行えて学生への講義もできるという点では教授と同等の役割を持っていると言えるでしょう。

旧来の法律で書かれた助教授の立場に一番近いのが「助手」となります。

どうやって区別しているの?

准教授と助教の大きな差は、実績の有無です。
准教授も助教も、あくまで自身の研究をすることを前提としているため、その成果を残すことが重要です。

逆に言えば、独自の研究によって結果を残せば、准教授や助教としてのステータスが大きく躍進するということになります。
ちなみに准教授と助教の間には講師があり、その役職に関してはさらに細分化することも可能です。

まとめ

助教授は2007年3月以前まで使われていた役職名で、准教授は学校教育法の一部が改正されたことで2007年4月にできた役職です。
学校教育法で「助教授は教授の職務を助ける」とあったのですが、助教授は自身の研究もし、学生への授業や指導も行っていて実態に即していなかったことから、准教授に役職は変更されました。

また、学校教育法の一部が改正された際に「助教」という新役職が生まれています。
この助教という役職も教授や准教授と同様、学生を教授したり研究に従事するのですが、実績の有無という点で異なります。

それぞれ役職やこれまでの活動に基づき役職に違いがあるという事ですね。

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