「冷たい床の上ではなく、畳の上で安らいでほしい」
阪神大震災で被災した畳店主らが立ち上げた「5日で5,000枚の約束」というプロジェクトをご存知ですか?約3年前に呼びかけた取り組みは畳職人の共感を呼び、その輪は42都道府県283業者にまで広がっているといいます。
出典:twitter.com
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このプロジェクトの実行委員長は、神戸市兵庫区にある「前田畳製作所」の代表・前田敏康さん。震災当時は銀行員だったようですが、当時住んでいた東灘区の寮が半壊。支援物資や励ましの言葉に助けられたといいます。その後、銀行を退職して家業の畳店を継いだそうです。
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プロジェクトを立ち上げたきっかけは、東日本大震災
前田さんが、このプロジェクトを立ち上げたきっかけは東日本大震災だったそうです。メディアを通して目にする被災地の光景、被災者の姿に、阪神大震災を経験したかつての自分を重ね合わせたといいます。
そして、“畳店にもできることがある”という思いから、大規模な災害に見舞われた被災地に、発生から5日以内に新品の畳を5000枚届けることを目標とした「5日で5000枚の約束」プロジェクトを立ち上げました。
参加業者が増え、今では6,700枚以上を提供できる体制に
前田さんの取り組みは日本全国の畳店の共感を呼び、参加業者が増加。今では、当初目標としていた5000枚を超える6700枚以上の畳を提供できる体制が整っているそうです。
(この取組みに対して寄せられていた声)
出典:twitter.com
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畳1枚で、避難生活の痛みを和らげることができる
2015年5月、鹿児島県屋久島町の口永良部島・新岳の噴火の際には、発生2日後に兵庫県や広島県などの業者が作った畳計140枚を屋久島の避難所に届けたそうです。また、同年9月に発生した関東・東北豪雨の際にも、茨城県常総市などに計約200枚の畳を提供したとのこと。
避難所では、「今日は畳で寝られる」「足を伸ばしてくつろげる」「香りが良くて、ほっとできる」といった声が挙がるなど、喜ばれていたようです。
前田さんは、こう語っています。
東日本大震災の時、赤ちゃんを冷たい床に下ろすことができず、一晩中抱っこをしていたという母親の話も聞いた。畳1枚で避難生活の痛みを和らげることができる。
「5日で5000枚の約束」プロジェクトの詳細はホームページでご確認いただけます。
前田さんが上記のホームページの中で語っていますが、畳業界が決して余裕のある業界ではないということ。だからこそ、全国レベルで力を合わせたいという思い…。素晴らしいプロジェクトだと思います。今後のますますの広がりを期待しています!
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出典:YouTube