

「しろやぎさんから おてがみ ついた~くろやぎさんたら よまずに たべた~」
童謡や絵本に登場することも多く、ヤギって可愛らしい印象がありますよね。
しかし、画像や動物園で実物を見て「ヤギの目が怖い...」なんて思ったことありませんか?他の動物と違って黒目が四角くなんだか不思議、そんなヤギの目が少し変わっている理由や仕組みを解説します!
ヤギの目って怖い?

ネットなどでは、「ヤギの目が怖い」というような書き込みなどをよく目にすることがあります。ヤギの目が怖いと思ってしまう理由は何なのでしょうか?
見た目が変わっている(四角い瞳孔)
ヤギの目を見て「怖い」と感じてしまうのは黒目部分、つまり瞳孔のかたちが変わっているからなのです。猫のように光によって瞳孔の細さが変化する動物もいますが、犬やウサギ、ハムスターなど一般に「可愛い」といわれる動物の瞳孔は丸っぽい形をしています。
対するヤギの目は瞳孔が横長の長方形のような四角い形で少し変わった見た目をしているのです。
ヤギと悪魔の関係から
キリスト教文化の中でヤギは悪魔の象徴としてのイメージが強く、「バフォメット」という名前の悪魔のモチーフになっていたり、名画『サバトに赴く魔女たち』で魔女の乗り物としても登場しています。
こうしたヤギと悪魔の関係性について知っているという方は、それも相まって「怖い」と感じてしまうかもしれませんね。
ヤギの四角い瞳孔は高性能!

ちょっぴり不思議で怖いと思ってしまったりするヤギの四角い瞳孔ですが、実は非常に高性能なんですよ!
視野が広い
「怖い」と感じる人も多いヤギの四角い横長な瞳孔ですが、実はこの形には視野を広げる効果があります。そのため、食事をしている時や体を休めているときに多方面から接近してくる他の動物の気配に気づきやすいなど、ヤギが自分よりも強い動物から身を守る手助けとなっているのです。
眼球が回転
また、ヤギの目は四角い瞳孔以外にも他の動物にはあまり見られない「眼球が回転する」という変わった特徴があります。眼球が回転するなんてヤギの目はやっぱり怖い...いいえ、そんなことはありません(笑)頭を下に向けて食事をしている際、眼球を回転させることで頭を上げている状態と同じ視界を保つための非常に高性能な仕組みなのです。
▼通常時と頭を下げた時

常に同行が地面と水平に保たれ、広い視野を確保していることがわかりますね!

ヤギの目は捕食されにくくするため
自然界には草食動物とそれを獲物とする捕食動物が存在し、捕食する側の探索能力・捕獲能力が優れているのと同じように、捕食されてしまう側であるヤギの目も横長の四角い瞳孔、眼球が回転するなど、「捕食されにくくするため」の機能が備わっているのです。実はこうした特徴はヤギ以外にも、鹿や羊、馬など他の捕食動物にも共通しています。
知らなかった!ヤギ雑学

ヤギと悪魔の密接な関係

キリスト教において羊は善、ヤギは悪と考えられており、ヤギの頭を持つ「バフォメット」という悪魔も生み出されています。日本では悪魔とかけ離れたイメージの動物ですが、タロットの悪魔のカードに描かれている絵柄で見たことがある!という方もいるかもしれません。
ヤギの鳴き声には方言(なまり)がある
私たち日本人も地域によって方言(なまり)があるように、ヤギもまた生活環境によって全く異なる鳴き声になると考えられています。生まれ育った場所の異なるヤギ同士が集まったら「君、訛ってるけどどこ出身なの?」なんて会話が繰り広げられるかもしれませんね。
コーヒーはヤギのおかげで生まれた

コーヒーの起源は諸説ありますが、一説に9世紀のエチオピアでヤギ飼いの少年によって発見されたと言われています。その説によると、ヤギが暴れてしまった際に原因として見つけたのが山になる赤いコーヒーの実だったのだそう。この説が正しいとすれば立派なヤギの功績ですよね。
過去にGooge本社がヤギをレンタル!?
過去にGoogle本社は、カリフォルニア州マウンテンビューにある同社が保持する草原の草刈りのためにヤギを200匹レンタルするという変わった取り組みを行っています。環境や騒音対策のため草刈り機ではなく、牧畜業者が飼育するヤギたちに1週間かけて草を食べてもらったみたいです。
【まとめ】ヤギの目は「捕食されにくくするため」の高性能だった!

「怖い」と感じてしまう人も多いヤギの目ですが、横長の四角い瞳孔が視野を広げる機能を果たしているとは驚きですよね!また、眼球が回転する変わった仕組みも備わっており、下を向いていても顔を上げている時と同じ視野を保てるなど、ヤギの目は捕食動物から身を守るために高性能な仕組みとなっています。
動物園や牧場でヤギを見かけたら、ぜひお子さんに教えてあげて下さいね!