「花を持たせる」とはどんな意味?その使い方は?由来は『連句』にあり!?

「ここは○○さんに花を持たせるか~」「この前は○○くんに花を持たせてもらったな」のような用い方をする「花を持たせる」という慣用句。
なぜ持たせるのは、花なのでしょうか。

そこでここでは、「花を持たせる」の意味や由来そして類義語に対義語などについて解説します。

慣用句「花を持たせる」の意味は?

 

慣用句「花を持たせる」にはどのような意味があるのか、そのような用い方をするのかを見ていきましょう。

「花を持たせる」の意味

「花を持たせる」とは、人に名誉を譲ることや、その人を立てるために功を譲るといった意味で使われる慣用句です。
相手を喜ばせるために行うもので、人に譲ったことで悦に入ったり、優越感に浸ることや恩に着せることを目的にした行動には用いません。

「花を持たせる」の用い方・例文

「花を持たせる」は、相手がいないと成立しない言葉です。

今回は後輩に花を持たせる

この用い方は、大一番にある後輩などがいいところを見せられるように、先輩である自分が一歩下がる描写などになります。

彼女には本来試合に出場するだけの実力はないが、引退試合となるので花を持たせるため試合に出場させた

花を持たせるは、思い出を残すというニュアンスを込めて用いられることがあります。
この例文では、出られるだけの力はないけれど、最後の思い出になるように試合に参加させたという表現となります。

「花を持たせる」の語源は?

 

「花を持たせる」は、どのような成り立ちの言葉なのかを見ていきましょう。

連句からの説が有力

「花を持たせる」は、連句が元となっているという説が有力です。

連句とは、日本古来の文学的な遊びのひとつです。
先に詠まれた「五・七・五」の句に、下の句となる「七・七」をもう1人が返していきます。

連句では、季節や植物など自然のものを詠み込むことが重要視されており、特に花は季節を感じられる重要な役割を果たします。
この花はその場で連句を楽しんでいる人たちの中でもっとも位の高い人が詠むのが決まりとされていました。
そのため、ほかの人たちはその相手に花の句を譲るようにしていたことから、「花を持たせる」という言葉が生まれたとされています。

単純に花を贈る風習からという説も

また、日本古来の文化として成功した人に花を贈る風習が存在していたことが語源となったという説もあります。

花を持たせるの類義語は?

 

「花を持たせる」という言葉の類義語はいくつかあります。
特に「相手の立場を優先させる」の意味の語句と「相手が主役になるよう取り計らう」ことを目的とした言葉です。

「相手の立場を優先させる」の意味

「花を持たせる」のように、自分よりも相手の立場を優先させるというような意味の言葉には、「高く置く」「尊重する」「顔を立てる」などがあります。
相手の面目が保たれるように配慮したり、相手の考えを優先させるといった意味となります。

「相手が主役になるよう取り計らう」の意味

より広い意味では、「相手が主役になるように取り計らう」といった意味でも使われます。
このような意味で使われる慣用句としては、「花道を飾らせる」「功を譲る」「脇に回る」「引き立て役になる」などが挙げられます。

また、直接的表現である「顔を立てる」は、こちらの意味でも使われることがある慣用句です。

花を持たせるの対義語は?

 

「花を持たせる」には、明確な対義語はありません。

明確な対義語はない?

相手に手柄や名誉を譲るというような意味合いのある「花を持たせる」ですが、対義語として当てはまる言葉はないとされています。

反対の意味に近い慣用句・ことわざ

しいて言うなら、相手に花を持たせずに自分が相手の手柄を横取りしてしまうことを示す「高名盗み」などが挙げられます。
また、相手の面目をつぶすことをする、相手の誇りを傷つけるといった意味合いの「顔に泥を塗る」「煮え湯を飲ます」なども挙げられます。

英語で「花を持たせる」は?

 

英語で「花を持たせる」といった意味合いを表現するなら、「give ○○(相手を指す言葉)credit」「let ○○(相手を指す言葉) take credit for the success」が一例としてあげられます。

【まとめ】花を持たせるの意味・語源は?

「花を持たせる」という慣用句は、人に名誉を譲ることであったり、人の顔を立てるという意味合いで用いられます。
その語源は、貴族などが古くは行っていた連歌にあるとされています。

類義語としては、相手の立場を優先させるという意味で、「高く置く」「尊重する」「顔を立てる」などが。
相手が主役になるよう取り計らうことを目的として、「花道を飾らせる」「功を譲る」「脇に回る」「引き立て役になる」「顔を立てる」などがあげられます。

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