焼き物の「陶器」と「磁器」はなにが違うの?見分け方は意外と簡単だった!

2020.1.9


焼き物の中でも「陶器」と「磁器」という言葉を耳にすることがありますが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は陶磁器としてまとめて語られることも多い陶器と磁器の違いについてご紹介します。実は歴史が違うのはもちろん、他にも違う要素はたくさんあるので、1つずつ確認していきましょう。



陶器と磁器の違い


陶器と磁器は一見するととても似ていますが、厳密には多くの違いがあります。陶器と磁器の違いとなる要素をご紹介するので、確認してみてください。分かれば見分けは簡単ですよ!

原材料


陶磁器は原材料が違ってきます。陶器は陶土と言われる粘土を使っており、磁器は磁土と呼ばれる粘土を使っています。

陶土


陶器の原材料の陶土は、土を捏ねた粘土です。その為、土に含まれる有機物の種類で赤っぽかったり黄色っぽかったりと粘土の色も様々です。この土由来の粘土である「陶土」から作られる陶器の事を「土もの」というような呼び方をすることもあります。

磁土


磁器の原材料の磁土は、石由来の粘土になります。有機物をほぼ含んでいないので、色は白いのが特徴です。この石由来の粘土である「磁土」から作られる磁器の事を「石もの」というような呼び方をすることもあります。

焼く温度


陶磁器の違いを大きく左右するものとして、焼く温度なども関係してきます。陶器は1,000度~1,200度、磁器は1,200度~1,300度の温度で焼きます。

これは、2つの粘土の成分の違いが関係しており、磁器の方がガラス成分が多く含まれています。ガラス成分は高温でないとなかなか焼きしまらない為、磁器の方が高温で焼くようになっています。

吸水性


陶器は水が浸透するのに対し、磁器は水を通しにくい特徴を持っています。これらの吸水性に関する違いも、陶磁器の大きな違いです。

食器として使う場合には、陶器の食器は吸水性が高い為食材の水分が浸透しやすく、シミ汚れとして定着しやすいという点に注意が必要です。その点、磁器は汚れに関して言えば陶器よりも手入れが楽な面があります。

叩いた音


陶磁器は叩いた際の音にも違いがあります。陶器は鈍くて低い音が鳴るのに対し、磁器は澄んだ金属音のような高い音が鳴ります。

熱伝導率


陶器と磁器はその材料となる粘土の違いから、熱伝導率に大きな違いがあります。

陶器は熱が伝わりづらく、磁器は伝わりやすいという特徴があります。その為、熱い液体をそのまま注ぐような湯飲みや、抹茶茶碗のような食器は陶器を使います。

もし磁器で湯飲みを作ってしまうと、熱くて持つことができません。その為、磁器のカップにはティーカップのように取っ手が付いていることが多いです。

素地(透光性)


陶器の素地は気孔が多く穴ぼこだらけなのに対し、磁器は緻密なため気孔が少ないです。材料の密度が違うため、仕上がりの肌触りなども大きく違ってきます。

陶器の原料の陶土は土なので光を通すことはありませんが、磁器に関してはガラス成分が多い為光を通します。陶器と磁器を光にかざしてみるとよくわかるのですが、磁器は光にかざすと指の影などが透けて見えるのが確認できると思います。




日本の陶器と磁器の歴史


陶磁器の原型と言えば、皆さんもご存じの土器ですよね!しかし、ルーツは土器でも陶器と磁器ではその歴史は異なるようです。日本ではどのように陶磁器が発展していったのでしょうか?

陶器の歴史


日本の「やきもの」の歴史は世界でも非常に古く、日本最古の縄文土器は16500年前のものが出土しています。

陶器はこの土器のをルーツに、現代の陶器と呼ばれるようなものが誕生したのは奈良時代のころからだと言われています。緑釉陶と灰釉陶器の2種の陶器が日本で初めに誕生した、人工的に釉薬を施した陶器だと言われています。

磁器の歴史


磁器は後漢時代の中国で生まれたと言われています。素地を作るのに粘土質と石の粉末を混ぜるのが特徴となっています。

16世紀ごろに中国からイタリア・フィレンツェに伝わりヨーロッパに磁器ブームを起こしました。世界的にもマイセンの磁器等が有名ですね。同じころ日本にも伝わった磁器は、佐賀県有田で日本最初の磁器が作られました。ここから有田焼・伊万里焼と呼ばれる日本の磁器の歴史は始まったそうです。

国内の陶器と磁器


日本では多くの陶器や磁器が作られてきたこともあり、各地に陶磁器文化があります。

日本三大陶磁器産地として知られている伊万里(有田)焼・瀬戸焼・美濃焼などは日本の陶磁器ブランドとして有名ですし、日本六古窯と呼ばれる常滑焼・越前焼・信楽焼・丹波焼・備前焼などの窯は中世から現在まで生産が続けられている窯で、日本を代表とする窯と言えるでしょう。

陶器と磁器に分けてそれぞれで有名な窯をご紹介します。

陶器


有名な陶器の産地として有名なのは美濃焼・瀬戸焼・益子焼・萩焼・唐津焼などがあります。

特に瀬戸焼は三大陶磁器産地・日本六古窯にも名を連ねる日本最古級の陶器産地となっています。奈良時代に瀬戸で作られた灰釉陶器は先に記載した緑釉陶器と並んで日本で最初に作られた陶器とされています。

磁器


有名な磁器の産地として有名なのは伊万里(有田)焼・波佐見焼・九谷焼・砥部焼・清水焼などがあります。

特に伊万里(有田)焼は、日本の磁器発祥の地で、同じく磁器で世界的に有名なドイツのマイセンと有田町は姉妹都市提携を結んでいます。

ちなみにクイーンのフレディマーキュリーも伊万里焼愛好家として有名だったそうですよ!

まとめ


日本の焼き物は世界最古と言われるなど、その歴史もとても長いです。陶器と磁器の違いについてもいろいろと知らない部分も多かったのではないでしょうか?

これをきっかけに正しく理解しておくといいかもしれませんね。また、陶磁器をより細かく細分化すると時代や産地、作家などでも違いもあるため、陶器と磁器はさらに奥深い文化と言えるかもしれませんね。

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