8月に2回あるお盆の行事、それが「地蔵盆」です。
しかし、そもそも「地蔵盆」がどのような行事なのか知らない人もいるのではないでしょうか。
今回はそんな「地蔵盆」について解説します。
目次
「地蔵盆」が行われる時期と地域
ここでは「地蔵盆」が行われる時期と地域を解説します。
地蔵盆が行われる時期
「地蔵盆」が行われる時期は8月23日・24日となります。
日付は厳密には毎月23日・24日とされますが、一般的にはお盆に最も近い「旧暦7月23日・24日(新暦8月23日・24日)」を「地蔵盆」と呼びます。
通常のお盆は毎年8月13日~16日前後なので、1週間ほどずれているのが特徴です。
地蔵盆を行う地域
「地蔵盆」は京都で生まれ近畿地方へと広まった行事です。
そのため、古くから京都をはじめとする近畿地方で行われています。
逆に関東地方や東北地方など地蔵信仰自体があまり浸透していない地域では「地蔵盆」が行われることもあまりありません。
ただし、例外として宮城県や長野県の一部では地蔵信仰と関わりが残っているところもあり、そういった地域では「地蔵盆」が行われることもあります。
「地蔵盆」とはどんな行事?
では「地蔵盆」とはどのような行事なのでしょうか。
ここからは「地蔵盆」の内容について紹介します。
地蔵盆は「地蔵菩薩の縁日」
「地蔵盆」は「地蔵菩薩の縁日」を中心に行われる行事となります。
毎年「地蔵菩薩の縁日」となると辻地蔵の掃除などが行われます。
ちなみに「地蔵盆」は京都が発祥の地ということから、京都の無形文化遺産「京の地蔵盆」にも選定されているのが特徴です。
期間は「地蔵菩薩の縁日」を中心とした3日間で、期間中に祭りが開かれます。
地蔵菩薩とは
「地蔵菩薩」は人々を救済する存在とされています。
古くから日本では「地蔵信仰」があり、関西地方を中心に根付いてきました。
なお、民間に浸透・定着している「地蔵信仰」は路傍の神様としても知られる「道祖神信仰」に結ぶついているのも特徴です。
実際に「道祖神信仰」の影響で「お地蔵様が設置された」という話もあるなど「地蔵菩薩」と「道祖神」は切っても切れない関係といえるでしょう。
その「地蔵菩薩」を中心とした縁日を開くのが「地蔵盆」です。
「地蔵盆」ではなにをする?
ここからは「地蔵盆」で何をするのかについてまとめます。
辻地蔵の清掃や化粧・供物の準備
「地蔵盆」では辻地蔵の清掃や化粧、供物の準備を行います。
当日はお地蔵様の像を洗い清め、新しい前掛けを着せます。
最後に化粧もしっかりと行って供物を備えて準備は完了です。
ただし、地域によって何を行うかは変わることがあります。
提灯を上げる
「地蔵盆」では「地蔵尊」という文字とともに子供の名前を書き入れた提灯を上げます。
名前には「地蔵尊」と子供の両者の縁を結ぶ意味が込められているとか。
なお、提灯は白と赤の二種類あり、両方飾られる場合もあります。
昔は提灯を区別していなかったのですが、最近は男の子が白の提灯で女の子は赤の提灯というのが通例となりつつあるようです。
ちなみに、地域によってはその年に生まれた子供の名前を書いた提灯を奉納し、毎年「地蔵盆」に飾る風習が残っているところもあるそうです。
数珠まわし
「地蔵盆」では数珠まわしと呼ばれる行事も行われます。
これは長さ3m~5mほどの大きな数珠を老若男女が輪になって念仏を唱えながら繰り送る「おつとめ」のようなものです。
厳密な回数は計測しない場合もありますが、原則は人間の煩悩の数と同じ108回ほど回すとされています。
なお、自分のところに大きな房の部分が回ってきたら一礼するのが決まりです。
お菓子を配る
「地蔵盆」では子供たちにお菓子を配るのも通例とされています。
そもそも「地蔵盆」は子供たちが主役の祭りとなります。
その主役である子供たちにお菓子を配るのが通例です。
他にもスイカ割りなど楽しいイベントが開催されます。
ゲームで遊ぶ
地域によってはゲーム大会が開催され、子供たちが参加することもあります。
ゲーム大会はちょっとした催し物であることが多いですが、中には大々的なイベントとして開催されるものも少なくありません。
福引など誰でも参加できる催し物が開催されることもあります。
まとめ
「地蔵盆」はお盆の翌週もしくは翌々週に開催される行事です。
「地蔵盆」ではお地蔵様を清め、提灯を上げるのが特徴です。
他にも数珠まわしという古くからの習わしもあります。
さらにはお菓子を配ったりゲームで遊んだりすることもあるなど、「地蔵盆」は子供が主役の行事と言えるでしょう。
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