
いつも何気なく使っているのに、いざ「ほかの地域ではどう言うんだっけ?」と思い出そうとすると――途端に「あれ…?」と自信がぐらつく方言。
今回は、関西や九州で意味がガラリと変わる動詞 「なおす」 をテーマにした〈方言クイズ〉です。まずは頭の中で、自分が暮らす地域の「なおす」をイメージしてみてください。「壊れた物を直す」でしょうか? それとも「机にしまう」でしょうか?
イメージできたらスクロールして出題へ。ヒントを見る前に、あなたの“ことば感覚”を試してみましょう!
★遊び方★
各クイズの選択肢(A〜C)からピンと来たものを選んでください。
「正解を見る」には、この記事ではスクロールすると答えと解説が表示されます。
何問正解できたか、最後にチェックしてみましょう!
目次
Q1. 上司(大阪出身)から「その書類、あとでなおしといて」と言われました。何を求められている?
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A. 誤字や数値を修正する
B. キャビネットに片づける
C. シュレッダーにかけて処分する
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正解:B. キャビネットに片づける
大阪を含む近畿圏では「なおす=片づける・しまう」が一般的。標準語の「修理・訂正」の意味は A のように**“手を入れる”**と表現することが多いです。
Q2. 福岡の友人宅で子どもが散らかしたおもちゃを指して、母親が「早くなおしなさい」と注意しました。意図は?
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A. おもちゃを箱にしまう
B. 壊れた部品を直す
C. おもちゃで遊ぶのをやめる
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正解:A. おもちゃを箱にしまう
九州北部でも「なおす」は“収納”の意味。福岡のスーパー店内放送で「かばんへなおしてください」と流れることもあります。
Q3. 東京の同僚に「そのデータ、なおして送っておいて」とメールしました。標準語として正しい依頼内容は?
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A. 誤りを修正して送る
B. データを圧縮フォルダへ入れて送る
C. バックアップ用サーバーに移しておく
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正解:A. 誤りを修正して送る
標準語圏では「なおす=修理/訂正」。もし B や C の動作を望むなら「しまう」「保存する」など具体語で伝えた方が誤解を防げます。
Q4. 高知県の民宿で「布団なおしといて〜」と頼まれました。何をすればいい?
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A. 破れたカバーを繕う
B. 布団を畳んで押し入れに入れる
C. 布団を干して乾燥させる
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正解:B. 布団を畳んで押し入れに入れる
四国でも「なおす=片づける」が健在。古語“なほす”の「元どおり整える」から発展した方言だと考えられています。
Q5. 山口県のレストランで店員さんが「カバンはイスの下になおしてください」と案内しました。あなたはどうする?
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A. カバンの壊れたファスナーを直す
B. カバンをイスの下に置く
C. カバンをレジ横の修理コーナーへ預ける
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正解:B. カバンをイスの下に置く
中国地方西部も“収納”派。店員は「カバンをしまって足元を広くしてね」という意味で声をかけています。
結果発表
5 問中 4〜5 正解:方言マスター! 西日本での会話もバッチリです。
2〜3 正解:あと一歩! 「なおす=片づける」を覚えれば大丈夫。
0〜1 正解:標準語どっぷり派。旅先で混乱しないよう、もう一度クイズを見返してみてください。
コラム|どうして意味が分かれたの?
「なおす」は奈良時代の文献に“治す・直す・整ふ”の広い意味で登場します。形を正す=修理 と 位置を正す=収納 の両方が含まれていたのです。
その後、関東方言では修理のニュアンスに絞られ、近畿〜九州では収納の語感が残りました。国立国語研究所の『方言文法全国地図』でも、この語義分布がくっきり帯状に示されています。
方言は誤用ではなく地域文化の証。意味の食い違いに気づいたら、笑って確認し合う余裕がコミュニケーションをより豊かにしてくれるはずです。