
みなさんは「1mlは1gと一緒」と聞いて、違和感を覚えるでしょうか?
それとも「間違っていない」と言えるでしょうか?
一緒だと考えて間違いではないときもあるのですが、時に間違いともなります。
そこで、ここではmlとgという単位の違いはもちろん、それぞれの考え方について見ていきましょう。
目次
ml(ミリリットル)とg(グラム)

「ml」と「g」という単位を、どちらも同じようなものと考えられる思っている人が多いです。
しかし、厳密に言えば「ml」と「g」は全然違う単位なのです。
測っている対象が違う
その違いは、測っている対象です。
mlでは体積を対象としており、gは質量を対象としています。
体積と質量

体積の単位「ml」と質量の単位「g」について見ていきましょう。
mlは体積の単位
体積の単位ml。
この単位を用いた1mlと1ccの量はまったく同じものとなります。
mlとccは共に同じ体積の単位です。
mlはリットルを基準とした単位1/1000リットルの事で、ccはキュービックセンチメートル(㎤)の略です。
1リットルは1,000㎤として生まれた単位ですので、mlとccの示すものは同じなのです。
gは質量の単位
質量の単位g。
「g=重量」として認識されていることもありますが、厳密には質量と重量は同じではありません。
質量は同じでも、重力の強さによって重さが変わると言えばわかりやすいでしょうか。
例えば、同じ質量の鉄の重さを地球上で測った場合と月で測った場合には重力の違いにより重さが変動します。
質量は同じでも重量が変わることになるのです。
質量が物質の持つそのものの重さなのに対し、重量は物質そのものに加わる重力の重さの事を指します。
その単位は「N(ニュートン)」で表されます。
とはいえ、どちらも地球上で計測するという前提をふまえていれば、「質量=物の重さ」と捉えて問題ありません。
mlとccの違いには密度が重要

ではmlとgの違いをよりわかりやすくするために、密度についても見ていきましょう。
密度の単位はg/ml
質量÷体積=密度(g/ml)
密度がわからないと単位変換不可
水は1ml=1gですよね。
このイメージからmlとgは単位変換しても問題ないと思われているのですが、実際には密度がわからないことには単位変換は出来ません。
例に出した水の場合、密度は1g/mlですのでml=gが成立するのです。
他の物質に関しても、密度が分かれば○○g=○○mlというのが分かり単位変換が可能になります。
塩の例
塩の密度は2.16g/mlなので、塩1mlは2.16gになることになります。
ただしこれは塩の結晶の場合です。
料理でよくある間違い

ml=gの勘違いは特に料理でよく起こる問題です。
水のイメージで大さじ1=15gなんて思って料理をすると大変なことになってしまいます。
粉系調味料等はgで
料理で頻繁に間違ってしまうことと言えば、粉系調味料等についてですね。
g表記の砂糖を水と同じ計量スプーンで測って使ってしまうことがあります。
先にも述べたように「15g=大さじ1」というのは料理をする際にはとても便利な単位ですが、基本的にこれが通じるのは密度が1g/mlの液体に関してのみです。
個体の調味料に関しては、体積ではそのものの質量を正確に測ることができません。
同じ大さじ1でも粒の大きさなどによって隙間が生じてしまいます。
その為、粉系の調味料などに関しては、しっかりと質量で測る必要があるのです。
液体はmlでも可
料理の際に使う液体に関しては、基本的にmlの計量スプーンやカップでも問題ありません。
ただし、すべての液体がg表記をそのままmlに変換していいということではありません。
先にも述べたように物質の密度によって同じ体積でも重さが変化しますので、極端に密度の違う液体を図る際はgで測った方が無難です。
前もって液体の密度が分かっていれば計量スプーンやカップでも問題ありません。
例えば、同じ液体でもハチミツの場合は大さじ1は約22gとなります。
まとめ
mlやgという単位は、同じ量を示すように思いますよね。
しかし、mlとccは同じであってもmlとgは別物。
そこには体積と質量という違いがあります。