
※本記事は、また過去に語られた都市伝説の記録などをもとに再構成しています。
歌詞の引用は、作品の魅力や背景を紹介する目的で行っており、
都市伝説として紹介している内容には、諸説や創作的な解釈も含まれます。
♪ サッちゃんはね、サチコっていうんだほんとはね~
しかしこの歌には、続きがある…本当は怖い歌という都市伝説が存在します。
なぜそんな噂が生まれたのでしょうか?
今回は、その真相を丁寧にたどっていきます。
目次
サッちゃんの正体とは?

『サッちゃん』は1959年(昭和34年)、作詞:阪田寛夫、作曲:大中恩によって制作されました。
もともとはNHKの子ども番組のために作られた、明るく可愛い童謡。
しかし、その3番の歌詞が少し切ない内容を含んでいます。
♪ サッちゃんはね バナナがだいすき ほんとはね
だけど ちっちゃいから バナナをはんぶんしか たべられないの
この素朴な歌詞が、なぜか時を経て恐怖の物語として語られるようになったのです。
広まった都市伝説サッちゃんは死んでいる
ネットや怪談本では、こんな続きの歌詞が囁かれています。
♪ サッちゃんはね 遠くへ行っちゃうの
ほんとはね 電車にひかれて もう帰らないの
サッちゃん=何らかの事故で亡くなった少女という解釈がされるようになりました。
この4番の歌詞は公式なものではなく、1980年代〜1990年代にかけて子どもの間で「裏のサッちゃん」として語られ始めた創作歌詞だと言われています。
なぜ怖い歌になったのか?

童謡は子ども向けの歌でありながら、
その中には別れや命成長の喪失といった、
少し切ないテーマが隠されていることもあります。
サッちゃんも、そんな心の奥に残る歌のひとつ。
作者・阪田寛夫氏が「知人の少女を思い浮かべて作詞した」と語ったという説もありますが、公式に確認された発言記録はなく、あくまで伝聞の範囲とされています。
つまり、サッちゃんの死という解釈は、のちに広まった後付けのもの。
けれども、遠くへ行っちゃうバナナを食べきれないといった
わずかなフレーズに別れの気配を感じた人々が、
そこに物語を重ね、いつしか怖い歌として語り継ぐようになったのです。
現代に残るサッちゃんの影

現在でもSNSや動画サイトで、このような“裏歌詞”や怪談を紹介する投稿が見られます。
・夜中にサッちゃんを歌うと電話が鳴る
・4番を聴くとサッちゃんが来る
といった投稿されることも令和になった今も続いています。
それほどまでに、人々がこの歌に何か得体の知れないものを感じている証拠でもあります。
無邪気なメロディに潜む言葉の余白が、想像を呼び覚ます。
それこそが、この童謡が60年以上経っても語り継がれる理由かもしれません。
まとめ
★ 『サッちゃん』に公式な続きは存在しません
★ 死や事故を描いたとされる歌詞は、後年の創作による都市伝説です
★ それでも人々が怖い歌と感じるのは、童謡がもつ言葉の余韻と想像力の力
歌詞の裏に本当の意味を探したくなる…
それもまた、私たちが物語を愛する証なのかもしれません。