
ホットケーキにかけたり、料理に隠し味として入れて活躍するハチミツ。
そのハチミツも久しぶりに使おうと冷蔵庫から取り出すと白く固まっていて使えない!となったことはありませんか?
この白く固まったハチミツは傷んでいるの?食べることはできるの?そもそもこの困った現象はなぜ起きるの?と、さまざま疑問が頭をよぎるあの現象です。
この白く固まったハチミツが何なのか、そしてこの現象が起きないようにハチミツを保存する方法があるのかについて見ていきましょう。
目次
ハチミツはなぜ固まるの?

ハチミツ
ハチミツは蜂が採取した花の蜜を単純に保管してだけのものではありません。
巣の中で水分を発散させる他、酵素を加えるといった加工作業をしています。
摂取された時に糖度が40%程度だった花の蜜は蜂の巣で加工されることによって最大80%以上と非常に高い糖度に変化します。
白く固まるハチミツの謎
非常に高い糖度をしたハチミツは天然のブドウ糖からできています。
このブドウ糖は5~14℃で固まるという性質があります。
ハチミツが白く固まるこの現象は結晶と呼ばれています。
ハチミツが白く固まっているのは、保存場所の温度がハチミツが固まる温度だったためです。
自然現象なので、品質が劣化したわけでも、カビが生えたりしたわけでもないので、そのまま利用して問題ありません。
白く固まりにくいハチミツがある
ハチミツの中には同じ温度でも固まるもとの固まらないものが出てきます。
これは2つの理由が考えられます。
一つは天然のブドウ糖だけでは無く、果糖を加えてできたハチミツであること。
もう一つは結晶しにくい花の蜜でできたハチミツである場合です。
果糖を加えたハチミツなので結晶しにくい
スーパーなどで販売しているハチミツの中には、ミツバチの作ったハチミツに果糖を加えたものが販売されています。
果糖を加えたことでブドウ糖が薄まっているため結晶しにくくなっています。
特に果糖が天然のハチミツよりも比率が多い場合は、非常に固まりにくい製品となっています。
原料の花の蜜によっては結晶しにくい
天然のハチミツは様々な花の蜜を集めてできあがっていますが、養蜂家により特定の花の蜜だけでできたハチミツもあります。
原料となった花によっては結晶しにくいものがあるとされています。
例えばアカシアの花の蜜でできたハチミツは結晶しにくく、反対にレンゲの花からできたレンゲハチミツは結晶しやすいとされています。
結晶したハチミツの対処

結晶したハチミツはあくまでもブドウ糖の性質上固まっているだけで、品質が悪くなったということはありません。
再度食べられるようになります。
使えるようにするには湯煎
45~60度ほどの沸騰していないお湯を鍋に張り、そこに結晶したハチミツを容器ごとを入れてください。
そうすると30~60分程で元のように琥珀色のハチミツに戻ります。
ハチミツを固めずに保存する方法

常温保存
ハチミツは常温で保存するのが最適とされています。
しかし常温保存といっても直射日光の当たらない、涼しい暗所での保存してください。
また、ハチミツは吸湿性が高いので食器棚や戸棚に置き、流し台の下や側に置くことは推奨できません。
冬場になると、夜間から朝方にかけて家の中でも結晶する温度になることがありますのでお気を付けください。
冷凍保存
ハチミツの結晶現象は5~14℃で結晶化する性質があります。
そのため2~6℃の冷蔵庫は一番結晶しやすい場所になります。
しかし冷凍庫は-18℃前後のため結晶しにくい環境にあります。
また、ハチミツの凍る温度は-25℃なので凍る心配もありません。
デメリットとしてはハチミツが固くなることから、トーストやホットケーキにかけられるようななめらかさになるまで時間を置く必要がある点です。
ハチミツの保存で気をつける点

ハチミツは高温にしてはいけない
ハチミツは45℃で成分が変化しはじめ、65℃になると壊れるとされています。
また、ハチミツに豊富に含まれているビタミンも熱に弱いことから高温になるような環境での保存はおすすめできません。
また、高温にしてはいけないという理由から、結晶したハチミツを温度調節のできない電子レンジによる加熱することはおすすめできません。
まとめ
白く固まったハチミツはカビが生えたわけでもありません。
ハチミツの成分のブドウ糖が固まっているだけなので湯煎することで再び使えるようになります。
常温保存が推奨されている食材ですが、5~14℃になると結晶しやすくなるというのは、冬場の日本では結晶させずに保管するのがなかなか難しいかもしれません。
冷凍庫に保管しても結晶しにくのですが、どうしてもハチミツが固くなるため、こちらもすぐには使えなくなるというデメリットがあります。
冬場はいつでもすぐに使える状態でハチミツの保管するというのは難しいようです。