
イモリとヤモリは名前が似ていて、「同じような生き物でしょ?」と思っている人も少なくないと思います。
しかし、実はイモリとヤモリは分類から生態まで、なにもかもが違います。そこでイモリとヤモリ違いを調べて見たので、簡単に噛み砕いてみなさんにご紹介します。
普段からイモリとヤモリについて興味があるという人は少ないと思いますが、意外な違いもあったりするので知っておいて損はないかもしれませんよ?笑
イモリとヤモリの違い
イモリとヤモリは見た目が似ていると感じる人も多いですが、実はよく見て観察を重ねると違いがあることが多々あります。そこでここからは、それぞれの違いに着目してご紹介します。
まずは両者の写真を下記にてアップしておくので、どちらもじっくりと見比べてみてください。さらにその下には見た目の違いについて解説していくので、間違い探し感覚で違いを探してみると面白いかもしれません。
こちらがイモリとなります。イモリは有尾目イモリ科イモリ属に分類される両生類の生き物です。分類で見ると実はカエルの仲間に近いんですよね。見た目は黒いトカゲのようですね
こちらがヤモリです。ヤモリは爬虫綱有鱗目ヤモリ科ヤモリ属に分類される爬虫類の生き物であり、分類で見るとトカゲの仲間となります。見た目は色以外イモリと変わらないような気がしますよね。
しかし、イモリとヤモリは全然違う生き物なんです!細かく違いをみていきましょう!
生物学的違い
イモリとヤモリはそもそも生物学的に違う種類です。イモリは両生類、ヤモリは爬虫類です。
姿が似ているから近種の生き物だろうと思われがちですが、両者は全く別種の生き物なんですね!
生息場所の違い
イモリとヤモリは生息場所に違いがあります。
イモリは水中や水辺を住処にしていて泳ぐのが得意なのですが、逆にヤモリは陸上を住処にしていて壁登りが得意です。
イモリは水中や水辺に環境に適応し、ヤモリは陸上での活動に適応した生き物です。
目の特徴の違い
イモリとヤモリは目も違います。イモリの目には瞼があって、外部環境から目を守ることができるようになっています。これはイモリが水中でも行動できるようにと身体が進化した証拠です。
その一方でヤモリには瞼がありません。陸上で行動することの多いヤモリにとって、瞼はそこまで必要ないものだったのかもしれませんね。
その為、ヤモリは乾燥すると舌で目を舐めて潤すのも特徴ですね。ちなみにヤモリと似ているトカゲには瞼があります。
指の違い
イモリとヤモリは指の形状も違います。実はイモリの前肢が4本指なのに対して、ヤモリは5本指となっています。
普段の行動からして大きく違うため、この指の形状も違っています。例えば、ヤモリは指表面が固くてザラザラしているのに対し、イモリはヌルヌルしていて指表面も柔らかいです。
鱗の有無
イモリとヤモリの身体は鱗の有無にも違いがあります。イモリは鱗がないのに対して、ヤモリには鱗があります。イモリは水中で行動しやすいようにより無駄なものを排除し、ヤモリは陸上で身体を守るように進化したわけです。
毒の有無
イモリとヤモリには毒の有無にも違いがあります。「え?そもそも毒を持っているの?」と驚くかもしれませんが、実はイモリには毒があります。
日本で見かけることの多いアカハライモリも強力な毒「テトロドキシン」を持っているようです。しかし、毒量は少ないので触れてすぐに人体に影響があるような毒ではないですが、イモリを触った後にはしっかりと手を洗った方が良いかもしれませんね。
卵の違い
イモリとヤモリは繁殖の仕方にも違いがあります。特に卵の違いが特徴としては大きいですね。
イモリは水中の水草などに柔らかい卵を産むのですが、ヤモリは陸上の壁などに硬い卵を産みます。長い歴史の中で、この方法がそれぞれにとって最適な繁殖方法として脈々と受け継がれてきたわけですね。
お腹の模様や色の違い
イモリとヤモリはお腹の模様や色も違います。日本でイモリという言葉はアカハライモリという個体を示すのですが、この個体はお腹に独特な模様があり、赤くなっているのが特徴です。
逆に日本でヤモリというとニホンヤモリの事を指すことが多いのですが、こちらはお中に特に模様などはなく基本白色になっています。
イモリとヤモリ、名前の違いには理由があった
イモリとヤモリの違いについては、身体以外にも特徴があります。ここからはそちらに着眼点を置いて解説します。ちょっとしたことなのですが、こちらも知っておくとよりわかりやすいかもしれません。
漢字の違いで住処が分かる
イモリとヤモリは漢字で書くことによって住処がわかります。イモリは「井守」と書き、ヤモリは「家守」と書きます。
イモリは井戸や水辺を守っているように見えることが由来されています。一方のヤモリは、外壁など張り付いている様子が家の守っているように見えたことから、その名前が付けられたといわれています。
実は危険!?毒生物イモリ
日本の固有種「アカハライモリ」はお腹に赤い模様を持っているのが特徴です。実はこれ「毒がありますよ」というサインなのです。
事実、アカハライモリはフグと同じテトロドトキシンという毒を持っています。腹の赤黒の斑点模様は毒をもつことを他の動物に知らせる警戒色なので、自然界でもイモリを襲う個体は限られています。
触れた後は手を洗いましょう。子供たちがそのまま素手で触ってしまうこともあるので、触った手で目をこすったり、そのまま口に入れないように注意しましょう。
ただ、毒性の非常に強いテトロドキシンを持つことは確かですが、そこまで毒量は多くなく、すぐさま人体に影響が出るほどではありませんので、そこまで恐れる必要はないかもしれません。
まとめ
イモリとヤモリに関しては、見た目が違うだけではなく住処が違ってきます。さらには漢字も違うし、生態も違います。
「同じような生き物」だと思っている人も、まずはそれぞれの違いを知っておきましょう。イモリもヤモリも、その方がきっと喜ぶと思います。