衣服の素材の中でも、特に最高級品質を誇る「カシミヤ」。
でも、なぜカシミヤはそんなに高級なのでしょうか?
ここでは、カシミヤとはどういう素材なのか、そしてなぜ高級素材とされるのか、その理由などを見ていきましょう。
目次
カシミヤとは
カシミヤとは、カシミアヤギから集めた毛のこと。
もしくはその素材を使って作った毛織物のことを指します。
名前はインドのカシミール地方が由来です。
カシミアヤギから採れるカシミヤ
カシミヤは、カシミアヤギから採れる貴重な素材です。
毛が生え変わる時期に拾い集めるか、くしでといて集めることしかできません。
そのため、集められる数が限られています。
カシミアヤギの見た目だけだと「ちょっと汚くない?」と思うかもしれませんが、これは粗毛で覆われているためです。
カシミアヤギは寒暖差の激しい地域に住んでいることが多いため、身を守るために表面の毛だけ荒々しい状態となっています。
ただし、その下にはふんわりとした柔毛が密生しています。
この柔毛こそが貴重なカシミヤの毛として重宝されているのです。
カシミヤの特徴
カシミヤは毛が細く密度が高い素材です。
とても軽くて暖かくて上品な光沢を放ち、さらには肌触りまで良いことから「繊維の宝石」と評されるほどの高級素材となっています。
様々な色や模様に染色されて布製品の素材とされますが、もともとの色はホワイトとグレーとブラウンが主流です。
染色されたものは糸として加工され、セーターやコート、ジャケット、パンツなどといったアイテムになります。
また、マフラーやスカーフ、帽子や手袋、靴下などとても幅広い用途で使用されます。
非常に弾力性や耐水性に優れているため、どのようなシーンでも使えますよ。
カシミヤが高級素材な理由
カシミヤが様々な衣料品に活用できることは分かりましたが、なぜそこまで高級素材なのでしょうか?
そこには、ある理由が・・・。
カシミアヤギの毛は貴重
実はカシミヤは、1頭から約150g~250gほどしか取れません。
羊から採れるウールが1頭4,000gだといわれているので、その差はとても大きいことがわかります。
カシミアヤギは生息数も少ない
羊が約10億頭なのに対して、カシミアヤギは約8,000万頭しか存在していません。
カシミアヤギの頭数自体も羊の12分の1程度しかいないため、そもそも採れる毛の総量自体が羊と比べ物にならないほど少ないのです。
毛の採取にも手間がかかる
ウールはバリカンで刈り取ることができるのですが、カシミアは毛をくしでといてかき集めるため、手間の差もかなり大きいです。
しかも、良質な産毛は3歳~5歳の間でしか採れないため、簡単には増産できません。
カシミヤの値段は様々
ただ、カシミヤとは言っても値段は様々です。
毛の細さや長さ、白さなどを基準にした等級があり、それによって値段も決められています。
ホワイト、ライトグレー、ブラウンという毛色でも差が出ますが、1等級〜9等級までランク付けされていて、さらに細分化されています。
また、産地や毛色や毛量によっても格付けされるため、一概にすべて高級品なのかといえばそうとも限りません。
カシミヤとカシミア、どちらが正しい?
カシミヤは「カシミア」とも呼ばれることもあるため、人によっては「どちらが正しいの?」と困惑しますよね。
スペル的にはカシミア
英表記だと「cashmere」となるため、スペル的にも発音的にも「カシミア」と呼ぶことができます。
英語圏ではカシミアという呼び名になっているということになります。
法律上の表記はカシミヤ
日本の法律上の表記は「カシミヤ」となっています。
その表記が出てくる法律は消費者庁家庭用品品質表示法。
この法律および製品別品質表示の手引きの中では、表記がカシミヤとなっています。
まとめ
カシミヤは高級素材として人気で、その着心地の良さから根強い支持を得ている毛となっています。
そんなカシミヤが高級素材とし扱われているのは、カシミアヤギの希少性が関係しています。