「上京」とはどんな意味?今は東京だけど、昔は京都に行くことだった?

現在では、東京に行くことの意味で用いられる「上京」。
とはいえそれは今の話であって、昔は京都に行くことだったそうです。

そこで今回は、「上京」という言葉の意味について解説します。

上京とは?

 

『上京』という言葉がなにをすることなのか、その意味について見ていきましょう。

現在は東京に行くこと

現在では、東京に行くことに対して上京と言います。
この上京という言葉に定義立てをするとしたら、「都へ行くこと」となることでしょう。

日本の場合、「みやこ」というのは天皇陛下が住まう土地を指します。
そのため現代では、皇居のある東京に行くことを上京といいます。

京には意味がある

 

『京』という字は、「みやこ」を指しています。
「みやこ」は天皇陛下が住む地、すなわち皇居がある場所のことを指します。

皆さんご存知の通り、その時代の天皇がいた場所には『京』の字が付きますよね!
平城京や平安京など、その時の「みやこ」を指すのが京なのです。

現代でも皇居のある東京は、『京』の字が使われています。
このように、上京とは天皇陛下のいる土地へ出向くことが元になっています。

江戸時代の上京とは

 

江戸時代では、幕府は江戸に敷かれていましたが、天皇は京都にいました。
そのため、当時は江戸へ行くことは上京とは言いませんでした。

上京は京都に行くこと

江戸時代において、上京とは"京都に行くこと"を指す言葉でした。
その理由は前述した通りです。

実際には、上京ではなく「上洛」という表現がされていました。
「洛」という字には京都という意味があったため、今でも上洛は京都に行くことをあらわしています。

江戸に行くことをあらわすのは・・・

江戸時代には江戸に幕府があったことから、江戸に行くことを「上府」と表現していたともされています。
また、大名が参勤交代により江戸に向かうことは「出府」と表現していました。

江戸に下る

また、当時の京都や大阪の人たちは、江戸へ行くことを「下る」と表現することもあったそうです。
これは、古くから都として栄えていた京都大阪の人たちが、日本の中心は京都であるという考えから生まれたといわれています。

実際、銘酒の生産地と知られる京都・伏見から一大消費地である江戸に送られてくるお酒のことを「下り酒」と呼ばれていました。

東京に行く=上京?

 

現代での『上京』という言葉は、都へ上るというよりも「東京に行く」という意味で使われますよね。

希望が込められている?

現在の『上京』という言葉には「夢を追って」というニュアンスが含まれていることがあります。
人生の目標や目的を持って東京に行く際に『上京』という言葉を使われることが多いです。

東京へ観光で旅行しに行くことに対しては、あまり上京するという表現はされません。
日帰り旅行はもちろん、それが宿泊旅行であってもです。

『上京』という言葉は、少なくとも数ヶ月や数年という長い単位で滞在する際に使われます。

東京でも使われない地域がある

東京とひとくちに言っても、どこでも『上京』というわけではありません。
小笠原諸島や奥多摩といった地域に行くことに対しては上京という言葉はあまり使いません。

『上京』という言葉は、東京の中でも特に都市部に住むことに対して用いられることが多いです。

近接エリアからの小規模の移動の場合

神奈川県の川崎から東京都の蒲田など。
すぐ近くの移動や引っ越しに対しても『上京』と表現することはほとんどありません。

まとめ

『上京』という言葉は、時代によって意味合いが変わります。
現在では「東京に引っ越すこと・転居すること」に対して用いますが、江戸時代は「京都に行く」という意味で用いられていました。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事