バツ印「×」をなぜ「ペケ」と読む?その由来はどうやら外国語にあるらしい

バツ印の「×」の読み方は、地方によって「バツ」と「ペケ」に分かれています。
あなたは普段どちらの読み方をしていますか?

そりゃ「ペケ」でしょう、という方はきっと関西出身の方なのでは・・・?
そう、「ペケ」は関西で主に使われている読み方になるそうです。

では、なぜ「ペケ」という読み方をするようになったのか、その由来はご存知でしょうか?

今回は「ペケ」という言葉の由来や、☓というマークの持つ意味などについて見ていきましょう。

「ペケ」の由来は?

 

「ペケ」という言葉がどこから生まれたのかという点については、いくつかの説があります。

マレー語の「pergi」由来説

マレー語の「pergi(ペケ)」が語源となっているという説があります。
「pergi」にはあっちへ行けという意味があります。

江戸時代の末期に外国商館で、売買手合わせが破断になることを「pergi」と言っていたことから転訛したといわれています。

フランス語の「Ce pique」由来説

フランス語の「Ce pique(ス・ピケ)」が訛ったものだという説もあります。
こちらもマレー語説と同じく、外国商館で生まれたといいます。

フランス商館で、輸出品の検査時に傷んでしまっているものを除外するときに館員が使っていた言葉だといわれています。
ちなみに「pique」には「指す・傷む」という意味があります。

中国語「不可」が由来説

してはいけない、することができない、という意味の中国語「不可」から来ているという説も存在します。
不可(プゥークァ)という発音が、たしかにペケと似ています。

説はいろいろあるけれど

このようにペケの由来にはマレー語説、フランス語説、中国語説などがあるのですが、共通しているのは外国から来た言葉が語源となっていると考えられていることです。
江戸時代に外国人商人たちの間で使われていた、一種のスラングらしいという話もあります。

「ペケ」が使われているのが主に関西地方となっています。
幕末、日本に開国を迫った西洋諸国は横浜や神戸、長崎などに居留地を作り活動をしていました。
もしかしたら、この由来になったという外国商館というのは神戸にあったのかもしれませんね。

「×」を否定形で使うのは日本独自の文化

 

ところで、この「×」という記号を否定的な意味で使うのは、日本特有の文化だということは知っていましたか?

外国での「×」の意味

私たち日本人は子どもの頃から「○」はポジティブ、「×」はネガティブな記号として何の疑問もなく使っています。
テストの答案も、クイズの解答も○×で採点されますし、×には失敗や間違いのイメージが強いと思います。

しかし、外国では×=間違いという認識ではありません。
ここが間違っているという意味で○が付けられたり、ここはオッケーという意味で×がつけられることもあります。

国や文化によっては○と×の持つ意味が日本とは逆になる場合もあるということを、覚えておくといいかもしれませんね。

ゲームのコントローラーの役割も日本と外国で変わることも

〇と×の認識が外国と日本で変わるということで、私たちの身近な物で使い方が変わるものがあります。
それがゲームのコントローラーです。

日本では決定に当たる○がキャンセルに、日本ではキャンセルの×が、決定になっていることがあります。
「○」にオフの意味があったり、empty(空白)をイメージさせることから否定的な状況を表すことが多いからだそうです。

こんなところにも国民性や言語による認識の違いが現れるんですね。

「×」の歴史は古墳時代までさかのぼる

 

この「×」のマークの歴史は古く、文字が生まれる前から深い意味を持っていたようです。

かつては封印の意味があった?

「×」のマークは日本では文字が出現する以前から使われていたようで、古墳時代の土器や埴輪にも記されていたそうです。
「〆」のマークと同じように封印の意味があったと考えられています。

平安時代の「×」の読み方

平安時代以降になると、「×」は「阿也都古(アヤツコ)」と呼ばれるようになりました。
アヤツコは魔除けのおまじないのようなもので、中国から伝わった風習とされます。

異界とこの世の行き来を禁止するという意味があり、赤ちゃんの初めての外出のときにおでこに書いたり、葬儀のときに死者の胸に書いたりしていました。
今でもお宮参りのときに赤ちゃんのおでこに「×」を書く風習が残っている地域もあります。

まとめ

「ペケ」という、主に関西地方で使われている読み方については、起源が正確にわかっていません。
おそらく外国語の発音から来たのではないかといわれているそうですが・・・。

また、日本と海外では「○」と「×」では捉え方が逆になるというの考え方の違いがあります。

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