「無鉄砲」とはどのような意味の言葉?その由来は・・・、銃を意味する鉄砲は関係ない!?

無茶をする人をあらわす表現「無鉄砲」。
この言葉は、まるで鉄砲を持たずに戦場を突き進む人の姿から来たかのように見えますが、その由来に銃をあらわす鉄砲は関係ありません。

そこでここでは、「無鉄砲」という言葉の意味や類義語、そして由来などについて解説します。

「無鉄砲」とは

 

まずは、「無鉄砲」の意味や用い方・例文について見ていきましょう。

「無鉄砲」の意味

無鉄砲は、後先を考えずに行動することを意味します。

最悪のパターンも考慮して行動する人もいますが、無鉄砲といわれる人は深く考えずに行動してしまう傾向にある人ということになります。
衝動に流されやすく、自分の本能に忠実といった人に対して用いられます。

「無鉄砲」の例文

無計画であることを強調する際に用いられる事が多々あります。

例文として以下に3つ用意しました。
・彼は無鉄砲な性格をしているから、いつも面倒事を呼び込む
・準備運動もせずにプールに飛び込むだなんて無鉄砲だ!
・お金もないのに、無鉄砲にもローンを組んでしまった

無鉄砲の類義語

 

「無鉄砲」の類義語としては、「向こう見ず」「軽はずみ」「命知らず」「猪突猛進」「無謀」等が挙げられます。

向こう見ず

「向こう見ず」とは、後先を見据えて行動するのではなく、衝動で行動を取ってしまう人のことです。
事情をあまり考慮しないため、他人を巻き込む自己中心的な人に多い傾向があります。

軽はずみ

「軽はずみ」とは、一時的な感情に流されて行動してしまったり、熟慮せずうっかりとってしまう行動のことをあらわしています。

命知らず

後先考えた行動を取らず、もしかしたら命を落とすような事故に繋がりかねない行動を考えずにチャレンジする。
それが「命知らず」の人です。

猪突猛進

「猪突猛進」は、思ったことをすぐに行動に移してしまう人のことです。
イノシシが一直線に突進してくる姿をなぞらえて生まれた言葉です。

無謀

「無謀」とは、よく考えずに無鉄砲に行動することを意味します。

鉄砲は関係ない?

 

「無鉄砲」という言葉と銃をあらわす鉄砲は関係ありません。
実は、無鉄砲は当て字なのです。

勘違いさせに来ているけれど・・・

無鉄砲という言葉は、まるで「戦場に武器も持たずに突っ込んでいく」といったイメージから来ているかのような言葉です。
もしくは、「武器も持っていないのに、戦場に飛び込むほど無計画な人」というようなイメージだったり・・・。

しかし、無鉄砲という言葉に使われている鉄砲は、いわゆる銃とは関係のないところから来ているのです。

無点法(むてんぽう)

無鉄砲は、「無点法」から来ているという説があります。
点法とは、漢文などに出てくる訓点のことです。
漢文を学ぶ中で、レ点や一二点などを付けて読んだりしましたよね?これが訓点です。

もし訓点なしで漢文を読めと言われても、容易ではないどころか非常に難しいものです。
まさに無謀だという様子から、無謀なことを無点法と表現するようになったとされています。

この"点法"と語感の似た"鉄砲"が当てられるようになったことで、現在の無鉄砲になったといわれています。

無手法(むてほう)

無鉄砲には、「無手法」にちなんでいるという説もあります。

手法とは、何かを行うためのノウハウのこと。
無手法は、それらノウハウを有していない状態ということになります。
この"手法"という言葉が"鉄砲"に変化し、今の無鉄砲という言葉になったという説があります。

どちらの説も鉄砲伝来前

「無点法(むてんぽう)」も「無手法(むてほう)」は、鉄砲伝来前から使われていた言葉です。
なので、無鉄砲という言葉と銃を指す鉄砲は関係無いということになります。

「てほう」や「てんぽう」の語感から、鉄砲が当てられたにすぎないようです。

まとめ

無鉄砲という言葉は、まるで「鉄砲を持たずに突っ込む人」から来ているように思われますが、実際には鉄砲とは関係のない言葉です。
"点法"や"手法"などの言葉が転じたといわれています。

類義語としては、「向こう見ず」「軽はずみ」「命知らず」「猪突猛進」「無謀」等が挙げられます。

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