宇宙空間での活動を可能にする宇宙服は、人類史上最も高い服だと言っても過言ではありません。
その値段が一体どれくらいするのか、みなさんはご存知ですか?宇宙で命を守ってくれる宇宙服は、実は数億円するといわれています。
ここでは、そんな宇宙服の値段についてご紹介するので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね!
目次
宇宙服とは?
宇宙服とは、宇宙飛行士が宇宙空間で安全に動けるように配慮された服のことです。
生命維持装置を備えている気密性の高い気密服であり、宇宙で生きていくために必要不可欠な装備と言えます。
主に宇宙船の中で利用する船内服と、宇宙船の外で利用する船外服の2種類に分類され、宇宙飛行士はその両方を使い分けて宇宙での任務に当たっています。
宇宙服の役割
宇宙服はそもそもどのような役割があるのか簡単にまとめると、宇宙空間で安全に活動するのをサポートする役割があります。
宇宙飛行士が船内や船外でミッションに従事できるよう設計されており、未知の空間でも生きていけるように生命維持装置が搭載されています。
つまり、簡単に言えば宇宙服は宇宙空間で命を守り、なおかつ仕事をしやすくしてくれる衣服なのです。
主な機能は?
宇宙服には無数の機能が搭載されており、宇宙空間でも快適に活動できるような衣服となっています。
簡単にではありますが、宇宙服が持つ機能をまとめてみました。
・気密性・気圧の調整
・動きやすさのサポート
・酸素の供給
・二酸化炭素の除去
・体温の調節
・安全の防護
・外部との通信
他にも宇宙服にはいくつか機能があるのですが、ざっとご紹介すればこのような機能を持っているのが特徴です。
どれも宇宙空間で活動するのに必要不可欠なものとなっており、宇宙服のほとんどは生命維持装置に大金が費やされています。
宇宙服の値段
宇宙服の値段は一体どのくらいだと思いますか?
たくさんの機能がついているので、高額であることは容易に予想はつくと思います。ここからは、宇宙服の値段についてご紹介します。
1着、約10億円
宇宙服の値段は、1着で約10億円といわれています。
その内訳はおおよそになりますが、宇宙服関連部品が約1億円で生命維持装置が約9億円だといわれています。
すべて同じサイズではなく、宇宙飛行士の体格に合わせていくつものサイズのパーツを用意しなくてはならないため、よりコストがかかることを考えると、10億円かかるというのも不思議ではありませんね。
ちなみに宇宙飛行士が全員着用しているグローブは、宇宙飛行士ごとに用意されていて、グローブ1つで約220万円ほどするそうです。
開発費もかかる
より良い宇宙服にするため、開発費もさらにかかっているそうです。
1着に約10億円といわれていますが、そこまでに至る開発費なども含めると、もっともっと大金がかかっているといえます。
宇宙服の歴史
そもそも宇宙服はどのようにして生まれたのでしょうか?
ここからはそんな宇宙空間で人間が活動できるようにした、夢のような衣服の歴史についてご紹介します。
最初はソ連
宇宙服の原型である世界初の与圧服はソ連で生まれたとされており、1931年にソ連のエヴゲニー・チェルトフスキーという人物が開発したそうです。
実用化されたのは1965年3月に行われた世界初の船外活動であり、アレクセイ・レオーノフがボスホート2号からの仕事を遂行するために宇宙服を着用したそうです。
これが世界初の実用宇宙服となったのだとか!
アメリカも1965年6月にジェミニ4号で初の船外活動を行い、その後はアポロ計画用の宇宙服なども開発していきました。
それが現在のようなスペースシャトル用の宇宙服へと進化していき、より高度な機能を兼ね備えた宇宙服が生まれたとされています。
ちなみに、この頃からスペースシャトルでは船内で使うオレンジ色の与圧服と、船外で使う白色の宇宙服を使い分けるようになったそうです。
そしてそれが、宇宙での活動でマストとなっています。
宇宙服の豆知識
宇宙服について面白い豆知識があるので、ご紹介します!
レプリカ服も人気
実は宇宙服にはレプリカもあります。これはマニアに向けて再現されたもので、本物ではないですが相当高額です。
レプリカであっても精巧に再現されたものなどは数十万円するものが多く、相場によって違うものの80万円~100万円ほどすることもあります。
本物の宇宙服が10億円だとすれば安いものですが、それでも一般人でレプリカに100万円も出せる人はなかなかいませんよね!
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本格的なレプリカからパーティグッズまで、宇宙服は世界中で人気ですね!
宇宙服のスイッチの文字は鏡文字
宇宙服は宇宙で作業することを考慮されていますが、その中でもスイッチに表示されている文字が左右逆になっていることはご存知でしょうか?
宇宙をテーマにした映画などでも描かれることがあるのですが、実際に宇宙服に採用されているスイッチの文字は鏡文字となっています。
これは宇宙服を着た状態では頭を動かすことが出来ず、宇宙服にあるスイッチを直視することは不可能なのです。
そのことから手についている鏡でスイッチを確認するために、スイッチ類の文字が鏡文字になっており、鏡で見た際に読めるようになっています。
サイズの関係で船外活動は165㎝以上の人
宇宙服はサイズの関係もあり、船外活動をする人は165cm以上の人ではないといけないようです。
船内活動では特に制限はありませんが、それもクリアしないとダメみたいです。
まとめ
宇宙服は1着に約10億円します。研究なども含めた開発費を入れると、もっともっと大金が投入されていると言えるでしょう。
ただ、人類が立ち入ることのできない空間へのチケット代と考えれば安いものなのかもしれません。
さすがに本物の宇宙服を手に入れることはできませんが、レプリカなら80万円ほどから販売されているので、興味がある方はぜひいかがでしょうか?(笑)