トウモロコシにはひげがなぜ生えている?その正体とは一体・・

トウモロコシといえば、あのひげが特徴ですよね。
頭から無数に生えているひげはまさにトウモロコシの象徴とも言えます。

しかし、そもそもなぜトウモロコシにはひげが生えているのでしょうか。
ここでは、そんなトウモロコシのひげの正体について見ていきましょう。

トウモロコシのひげ

 

トウモロコシにはなぜひげが生えているのでしょうか。
まずはその正体について見ていきましょう。

ひげの正体はめしべ

トウモロコシに生えているひげの正体は、めしべです。

長く伸びるひげは絹糸(けんし)とも呼ばれており、実はトウモロコシの粒1つ1つから伸びていて、受粉する機能を持っています。
おしべから放たれた花粉をめしべが受粉することで、トウモロコシはあの粒を実らせるのです。

ひげは有効活用できる

トウモロコシのひげは、お茶として飲むことができます。
このお茶は「ひげ茶」と呼ばれており、通販などで入手することができます。

トウモロコシのひげにはカリウムやアラントイン、フラボノイド、フラボン、フィトステロールなどの栄養素が含まれていているとされることから愛飲する人も多いです。
また、古くは「玉米鬚(ぎょくべいしゅ)」という生薬として使われてきた歴史もあるのです。

トウモロコシのはじまりはどこから?

 

ひげを持つ野菜として知られるトウモロコシの起源についてここからは見ていきましょう。

起源が判明していないトウモロコシ

実はトウモロコシ、その起源が判明していません。
原産地などの起源が明確になっておらず、わからないこともまだまだ多いとされています。

ただし、中南米では約9000年ほど前から栽培が始まっていたという事が分かっています。
そのため、メキシコやグアテマラが原産ではないかと推測されており、その地に自生していたテオシントと呼ばれるイネ科の植物から品種改良を続けて、現代のようなトウモロコシが開発されたのではないかと考えられています。
この食用として開発された品種が南米アメリカ大陸などで主要農作物として生産されるようになり、やがてマヤ・アステカ文明においても重要な穀物となったとされています。

さらに時代が下り、ヨーロッパ人が南北アメリカ大陸に進出するようになってから一気に広まり、16世紀頃からはヨーロッパでも栽培が行われるようになりました。

戦国時代に日本へ伝来したトウモロコシ

日本にはポルトガル人によってフリントコーンという品種が戦国時代の末期、1579年に伝わってきたとされています。
当時交易を行っていた九州や四国に持ち込まれたとされています。

当時は南蛮船が運んできたことから「ナンバンキビ」と呼ばれ、トウモロコシが入ってきた九州や四国を中心に栽培が定着したとされています。
そこから中国地方や近畿地方に広がり、江戸時代に入ってから本格的な栽培が行われるようになったとされています。
明治時代に入ってからは北海道など全国的にも広がり、様々な品種が生まれるに至ったと言われています。

トウモロコシの粒に関する豆知識

 

トウモロコシのひげと粒は深い関係にあります。
そこで、ここではトウモロコシの粒に関する豆知識を中心にご紹介します。

ひげの数=粒の数

トウモロコシのひげは、前述のように粒から伸びためしべです。
そのため、「ひげの数=粒の数」となっています。

トウモロコシは約600粒あるとされていますので、ひげも約600本あるという事になります。

粒の数は偶数

トウモロコシの粒は、すべて偶数です。
これは粒の元になる雄花が2つ1組で軸に付くためです。

先の方の粒が小さい理由

トウモロコシは円柱状に実るのではなく、下が太く先に行くほど細くなっていますよね。
この形状に合わせてか、その粒も下の粒が大きくて先の粒は小さくなっていますよね。

その理由は、ひげが下の方から上の方に伸びていくことに関係しています。
トウモロコシのひげはめしべとなっていますので、下の方から順に受粉していくことになります。
先に受粉が行われた方から粒は大きくなり、しかも密着した状態になります。

それに対し先の方は受粉が遅い分成長も、身の詰まり方も悪くなります。
これがトウモロコシが先にのほど実が小さく細くなる理由となっています。

まとめ

トウモロコシのひげは単なる飾りではなく、粒を作るのに必要不可欠なめしべなのです。
おしべから送られた花粉を受粉することで、あの粒が作られます。

ひげは粒と同じ数だけあるので、ひげが収穫や運ばれて手元に届くまでに1本も抜けていなければ粒と同じ数あるはずですし、その本数は偶数になるはずです。

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