フグの仲間の魚「ハリセンボン」、毒はあるの?針は実際どのくらいあるの?

体の表面を針のようなトゲで覆われているハリセンボンはフグの仲間です。
しかし、フグといえば毒を持っている魚として知られますが、ハリセンボンにはその毒が存在しないとされます。
この毒の有無以外にも体の特徴での違いもあったりします。

そこでここでは、ハリセンボンがどういう魚なのか、フグとの違いなどを見ていきましょう。

ハリセンボンはフグの仲間

 

ハリセンボンはフグ目ハリセンボン科の魚です。
つまりはフグの仲間という事です。
たしかに、体の針を除けばその姿形もかなり似ている気がしますね。

まずはそんなハリセンボンがどういう生き物なのかをご紹介します。

ハリセンボンの生息域

ハリセンボンは、世界中の熱帯域や温帯域の海に生息しています。
日本であれば、津軽海峡から琉球列島まで幅広く生息しています。

生息する海としては、水深約40mほどの浅い珊瑚礁帯や岩礁帯を好む傾向にあります。
基本的に浅い海で生活している生き物となっています。

とはいえ、稀に水深約100m~200mほどのところで確認されることもあります。

種類によって大きく差があります。
小さいものは成魚でも15cmほどですが、大型種ともなれば70cm以上にまで成長します。

そんなハリセンボンの食性は動物食です。
甲殻類や貝類の他にもウニなど棘皮動物まで食べてしまいます。
トゲトゲな体をしたハリセンボンは、同じくトゲトゲなウニを食べるんですね。

ちなみに、ウニの針は約2,800本ほどあるとされています。
同じく針の生えたハリネズミは約6,000本あるそうです。
さらに、ヤマアラシなどは約30,000本の針を持つとされています。

では、ハリセンボンはどれくらいの針を持つのでしょうか?
次の項目でその衝撃的な数を確認してみましょう!

実際の針の数

ハリセンボンは漢字表記では「針千本」となります。
でも「本当に千本も針があるの?」と疑っている人もいるはずです。

結論から先にいうとハリセンボンの針は1000本もありません!

実際には350本~400本ほどとされています。
ではなぜ針千本なんて大層な名前を付けてしまったのでしょうか?
この理由は単に「たくさん」「多い」という意味で「千本」という名前となったとされています。

ちなみに、この針は鱗が変化したものだとされています。

ハリセンボンとフグの共通点と違い

 

前述したようにハリセンボンはフグの仲間です。
そのため共通点もあるのですが、特徴の中には大きな違いもあります。
そこで、どのような共通点と違いがあるのかを解説します。

フグとの共通点

ハリセンボンとフグには以下のような共通点があります。


・腹びれがない
・顎の歯が癒合している
・皮膚が厚い
・敵に襲われると水や空気を吸い込んで体を大きく膨らませる
・肉食性である

これらはフグ科の魚に共通して見られる共通点です。

フグとの違い

ハリセンボンとフグの主な違いは歯にあります。
ハリセンボンの歯は、上下1本ずつ計2本となっています。
それに対しフグは、上下2本ずつ計4本の歯があります。

これがハリセンボンとフグの大きな違いとなります。

ハリセンボンに毒はある?

フグは、テトロドトキシンという毒を持っていることで知られています。
しかし、ハリセンボンは毒を持っていません。

フグは調理するのに免許が必要ということは知られていますよね。
これはフグの内臓には毒があるからです。
しかし、ハリセンボンを調理する際はその免許は不必要です。
なぜなら、毒が無いとされているからです。

そのため、沖縄などの地域によっては食用にすることもあります。
生食も可能ですが、火を通して食されることもあるのですが・・・、可食部分は少ないそうです。

ただし実際のところは実態研究がなかなか進んでおらず本当に毒が全身に無いのかは分かっていません。
「種類や部位のよっては毒があるのではないか」とも考えられています。
実際、沖縄でも食す際は内臓などは口にしないようにされている場所もあるんだとか。
食べる際には十分に注意しておきたいですね!

ハリセンボンはどうやって膨らんでいるの?なぜ膨らむの?

 

ハリセンボンといえば愛らしくプクッと膨らむその姿形が印象的ですよね。
そもそもどうやって膨らんでいるのでしょうか?

ハリセンボンの膨らみ方

ハリセンボンの膨らみ方、そこには水と空気が関係しています。

ハリセンボンは海中にある水や空気を吸い込むことで、胃とつながっている「膨脹嚢(ぼうちょうのう)」という器官を膨らませて大きくなります。
それによって体が風船のように大きく膨らむのです。

人間の場合、ろっ骨などがあるため空気を大きく吸い込んでもそれほど体は膨らみませんよね。
しかし、ハリセンボンは肋骨などの骨が退化しています。
そのため、体が何倍にも大きく見える膨らむ行動を実現しているのです。

そしてハリセンボンと言えば、全身を覆っている針が特徴ですよね。
この針、膨らんでいない時には体に沿うように寝ているのですが、膨らんだ際には起きあがる構造となっています。
ちなみに、種類によっては膨らみ方が違う個体もいるそうです!

ハリセンボンが膨らむ理由

ハリセンボンが膨らむのは、命の危機を感じたときです。
天敵などが近寄ってきたり襲ってきたりした際、主に威嚇を目的として膨らむとされています。

膨らむことで身体を大きく見せることで、捕食されにくくなるんだとか!

まとめ

ハリセンボンはフグの仲間ですが、フグ特有の毒などは基本的に持っていないとされています。
そして歯の本数も違っています。

そんなハリセンボンは実際には針が千本あるわけではなく、その数は約350本~400本だとされているそうです。
種類によりますが、その大きさは小さいものは15cm前後、大型種なら70cm以上にもなります。
このように大きさにはハラツキはありますが、それでも針は多くても400本ほどだそうです。

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