居酒屋などで出てくる「お通し」と「突き出し」は、最初に出てくる料理のことです。
この「お通し」と「突き出し」は、似通った意味こそりますが、関東では「お通し」が、関西では「突き出し」と使い分けがされています。
そこでここでは、「お通し」と「突き出し」がそれぞれどの地域で使われていて、どのような場面で出てくる料理を指すのかを見ていきましょう。
微妙に出され方に違いがあるのがポイントですよ!
目次
「お通し」とは
まずは「お通し」とはどのような料理を指すのかを見ていきましょう。
「お通し」は関東
居酒屋などで最初に出てくる料理のことを、関東では「お通し」と呼びます。
お酒のおつまみになるような枝豆、塩もみキャベツなどからはじまりお店により様々な趣向を凝らした小料理のような一品が出てくることもあります。
「お通し」が出てくるタイミング
「お通し」は、席に着いて注文をした直後に出てくるのが一般的です。
これは「お通し」の語源にも関係しています。
お通しという名前は「注文の通し」から来ているとされています。
注文を受けたということを明確にあらわすために出されたのがはじまりとされています。
この注文を通したという意味から「お通し」と命名されたわけですね。
「突き出し」とは
対して「突き出し」についてどのような料理になるかを見ていきましょう。
「突き出し」は関西
関西では、居酒屋などで最初に出てくる料理のことを「突き出し」と呼びます。
「突き出し」が出てくるタイミング
突き出しは、席について注文をする前に出てくることが多いとされます。
純粋に、一番最初に出てきた料理を指すこともあります。
そんな「突き出し」の語源は2つあるとされています。
1つ目は、客の注文が決まっているかは関係なく、席に着いたとろろでまず最初に突き出すように出されるという様子から。
2つ目は、江戸時代の遊郭にあるとされます。
当時、遊女にとって初めて夜は「突き出し」と呼ばれていました。
そこで、客に最初に出す料理という意味で「突き出し」と呼ぶようになったともされています。
「先付け」はまた別物
似たような料理に、「先付け」があります。
これはまた、「お通し」とも「突き出し」とも違うルールで出てくる一品となります。
懐石料理に出てくる先付け
「先付け」は、本料理の前に「お酒の肴」として出す簡単な料理のことです。
懐石料理などの日本料理において、コースの最初に出す料理のことを「先付け」と表現することが多いです。
「通し肴」や「小付け」とも呼ばれるものとなります。
「お通し」や「突き出し」は、席に着いた客もしくは注文をした客に対して出される最初の料理です。
それに対し「先付け」は、コース料理として考え出された最初の料理となります。
「お通し」や「突き出し」の場合、その後食べるものとバランスが悪い、味の趣向が異なるものとなる場合もあり得ます。
しかし、「先付け」の場合、その後に出てくる料理との組み合わせを考えて作られた料理となります。
由来は「向付け」より先に出てくるから
「先付け」という名前は、「向付け」から来たとされています。
「向付け」とは、懐石料理などの品目のひとつとなる、なますや刺身の事です。
膳の手前に置かれるご飯や汁物の向こう側に付ける(置かれる)ところから「向付け」と呼ばれています。
この「向付け」より先に供される料理という意味で「先付け」と呼ばれるようになったとされています。
まとめ
居酒屋や料亭などで出てくる「お通し」や「突き出し」。
関東では「お通し」、関西では「突き出し」と呼び分けられていることが多いです。
「お通し」は注文を通したという意味が、「突き出し」は最初の料理の意味とも、席に着いたらまず出される料理の意味ともされています。
また、同じく最初に出てくる料理に「先付け」もあります。
「先付け」は懐石料理に由来するもので、コース料理の最初の一品の事を指します。