言葉も時代の流れと共に廃れ、新しく生まれ変わります。
そのため、ちょっと古いズックという言葉を知らない方も多いかもしれません。
現在ではあまり耳にしない、「ズック」というものについて見ていきましょう!
目次
ズックとは?
ズックとは「靴」を指す言葉として使われていました。
特に運動靴を呼称する言葉として使われてきました。
一部の地域では、運動靴を「外ズック」と呼び、上履きや上靴などを「内ズック」と分けて呼称する地域などもありました。
現在ではあまり使われなくなった言葉なので、いわゆる「死語」だとも言われています。
実はオランダ語由来
「ズック」という言葉は、オランダ語で「麻布」または一般的な「粗い麻布」を意味する「doek」から来たといわれています。
その発音は「ドゥーク」などと聞こえるのですが、日本式に訛った言葉に変化しました。
素材の名前
ズックとは、素材を意味する言葉で、麻または綿の大撚糸で地を厚く平織りにした織地を指します。
そのズックの用途としては、テント・靴・鞄・帆などがあります。
このズック生地を使った靴をズック靴、ズックの鞄をズック鞄などと呼称していました。
その中で、ズック靴だけがズックと略されるようになり、そのままズック=ズック靴の意味で使われるようになりました。
少しややこしいですが、素材を指す意味としてのズックと、ズック素材を使用した靴を略してズックと呼ぶ2種類の使い方のある言葉ということになりますね。
しかし、靴としてのズックの使用頻度が高かったのでしょう、次第に靴のズックが運動靴全般を指す意味へと変化していきました。
言葉こそあまり聞かないものの、現在もズック素材を使用した靴も鞄も販売されています。
学校の上履きを指す地域も
学校で使う校内用のシューズの呼び名は地域によって「うわばき」派と「うわぐつ」派に分かれるそうです。
その第三勢力的な呼称として「ズック」があります。
北陸地方や東北地方では割と「ズック」という呼称が定着しているようです。
自分の地域と呼称は一致しましたか?
最近はズックが通じない?
現在でも学校用シューズを「ズック」と呼ぶ地域もあったりしますが、運動靴という意味でズックという言葉はほとんど使われなくなりました。
40代以上の方になると、「ズック」という言葉を聞けば靴を連想できる人もまだいるようですが、30代前半や20代ともなると「ズック」という単語を聞いたこともなく、何のことなのかすら想像もつかないという人たちも増えているようです。