「牽強付会」とはどんな意味の四字熟語?その由来や類義語は?

「牽強付会」は、道理に合わないことを自分のいいようにこじつけることをあらわす言葉です。
道理に合わないのに自分に都合の良いように解釈して、無理やりこじつけていく人物や言動に対して用いられます。

ここでは、この「牽強付会」という言葉について、その意味や成り立ち、類義語について見ていきましょう

「牽強付会」とは

 

まずは「牽強付会」という言葉について見ていきましょう。

「牽強付会」の意味

「牽強付会」とは、自分に都合の良いように解釈することを言います。
身勝手に理由や意味をこじつけたり、曲解することを指します。

また、道理に合わない自己中心的な考え方についても当てはまります。

自分勝手な人や行動を非難する際に用いられる四字熟語となっています。
ポジティブなニュアンスで使われることはまずありません。

「牽強附会」と表記してもOK

「牽強付会」は、「牽強会」と漢字表記されることもあります。

阜部こそ付いていますが、「付」と「附」の二つは同じ意味を有する漢字です。
そのため、どちらを使用しても問題はありません。

とはいえ、「牽強付会」のほうが一般的な表記となります。

「牽強付会」の由来

 

「牽強付会」がどのような成り立ちの四字熟語なのかを見ていきましょう。

「牽強」がもともとあらわしていた様子

「牽強」は、道理に合わないことを無理にこじつけることを意味します。

紐に繋がれた牛を無理やり引っ張る様子から来ています。
この強引に引っ張るという要素がこじつけるという意味に結びつき生まれたとされています。

「付会」がもともとあらわしていた様子

「付会」もまた、こじつけることを意味することばです。
分かれていたものをひとつにする様子から成立したとされています。

「牽強付会」の類義語

 

「牽強付会」の類義語についても見ておきましょう。
類義語としては、「漱石枕流」や「我田引水」「堅白異同」などがあげられます。

漱石枕流

「漱石枕流」とは、自分の失敗を認めず屁理屈で言い逃れすることを意味します。
屁理屈、こじつけという意味もあるのですが、強い負け惜しみという意味で使用されることのほうが多いかも知れません。

四字熟語だけではなく、「石に漱ぎ流れに枕す」という書き下しの表現でも使用されます。
これは、中国に伝わる故事から来た言葉だとされています。
その昔、西晋の孫楚という人物が「石に枕し流れに漱ぐ」と言うべきところを「石に漱ぎ流れに枕す」と間違って口にしてしまいました。
しかし、彼は誤りを指摘されても「石に漱ぐのは歯を磨くため、流れに枕するのは耳を洗うためだ」と言ってごまかしました。
この故事から、自分の非を認めず言い訳して逃れることを「漱石枕流」と表現するようになったとされています。

ちなみに、この四字熟語は文豪・夏目漱石の雅号「漱石」の由来でもあります。

我田引水

「我田引水」は、自分勝手、自分に都合のいいような言動を意味します。
稲作に置いて最も大切な水を、周りの迷惑などを考えずに自分の田んぼにだけ引く身勝手な振る舞いを例えた言葉とされています。

自分のことしか考えていない様子に対して使用されます。

堅白異同

「堅白異同」は、詭弁でまくし立てるこじつけの論理を例えた四字熟語です。
中国戦国時代、趙の公孫竜という思想家が詭弁で人々を弄んでいたという故事が由来となっています。

その詭弁とは「堅くて白い石は目で見ると白いことがわかるが、堅さはわからない。手で触ると堅いことはわかるが白い石かどうかはわからない。だから堅い石と白い石は異なるものだ」というもの。
このような屁理屈を並べることを「堅白異同」と表現するのです。

まとめ

「牽強付会」は、自分に都合の良いように解釈することを意味します。
無理やりこじつけることで、自分の都合のいいように考えることを指し、自分勝手な人物や身勝手な言動などに対して使用されるネガティブな要素を含んだ言葉となっています。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事