40%の保護者が「塾選びを間違った!」と思っている?塾の選び方のポイントは?【2023年アンケート調査】

子供の受験などのことを考えた際に浮かんでくる「塾選び」の問題。
今回、塾検索サイト「塾選」を運営する株式会社DeltaXが「塾選び」についてアンケート調査を行ったところ、なんと40%もの保護者が塾選びについて間違えたと考えていることが判明しました。

このアンケート調査では、しておけばよかったといった反省点や重要視すべきだったと考えるポイントについても見えてきます。
そんな「子供の塾選び」にまつわる調査結果について、ここでは見ていきましょう。

塾選びを間違えた!と思うポイントは?

 

子供を塾に入れた保護者から、「入塾後」に抱いた不満の有無やギャップについてアンケートを取りました。

保護者から見た「子供の入塾後の不満の有無」

出典:塾選調べ

 

「入塾後に不満があるか?」という質問に、39%の保護者が「ある」と回答(とてもある・ある・少しだけある含む)。

具体的な不満点については、「担当講師の教え方に若干不満」「とにかく追加料金が高い」「自習室がうるさかった」「担当の講師がすべて大学生だった」「連絡が遅かったり、返事がないことがある」「受験対策で通っているのに先生が熱心ではない」などの意見がありました。

保護者から見た「子供の入塾後のギャップの有無」

出典:塾選調べ

 

さらに、入塾後にギャップについての質問には、31%が「ある」と回答しました(とてもある・ある・少しだけある含む)。

ギャップを感じた内容としては、「思ったよりも気合で押し切る形の塾だった」「名門〇〇高校に〇名が合格!とホームページや広告に載っているが、子供の体感を聞くと、周りの受講生の偏差値レベルはやや低く感じるとのこと」「きめ細かい指導との触れ込みだったが、あまり丁寧な教え方ではなかった」などの意見がありました。

塾も「比較検討」と「体験入塾」が必要?

 

子供を塾に入れた保護者の意見を見ていくと、塾の比較や体験入塾は重要であるという結果が見えてきました。
そのアンケート調査についても見ていきましょう。

塾の比較検討の有無で変わる「入塾後の不満とギャップ」の割合

出典:塾選調べ

 

入塾後の不満を抱えている人の傾向を分析したところ、「入塾前に塾の比較検討をしたかどうか」の項目との関係性が見えてきました。
塾の比較検討を「しなかった」人は、「した」人に比べて、入塾後の不満が「ある」と答えた割合が約12%高くなっていました。

出典:塾選調べ

 

また、「入塾前に塾の比較検討をしたかどうか」と入塾後のギャップの有無についても関係性を見ると、塾の比較検討を「しなかった」人は、「した」人に比べて、入塾後の不満が「ある」と答えた割合は2%高いという結果でした。
こちらは大きな差がないように見えますが、入塾後のギャップが「ない」と答えた人の割合で見ると、大きな差が見て取れます。
塾の比較検討を「した」人は、「しなかった」人に比べて、入塾後の不満が「ない」と答えた割合が17%高くなっていました。

つまり、入塾前に比較検討した人ほど、入塾後のギャップが少ないといえるでしょう。
入塾前に、塾の比較検討をすることが、塾選びの成功につながると考えられます。

塾選びで失敗しない人は、入塾前に体験授業を受けていた!

出典:塾選調べ

 

塾を比較検討するときに何をしたのかを確認したところ、入塾前に「体験授業を受けた」人は、入塾後の不満が一番少ない結果になっていました。

出典:塾選調べ

 

ちなみに、体験授業に参加した教室数を平均すると1.66校。
1校のみが28.9%、2校が45.8%、3校以上が25.3%という結果でした。

体験授業にいった経験のある保護者のうち、半数以上の保護者が、2校以上の塾の体験授業に参加して入塾を決めているということになります。

塾選びを成功させるために体験授業で見るべき3のチェックポイント

 

体験授業は、入塾後に感じやすい「不満」や「ギャップ」に気付くきっかけになります。
こんなはずじゃなかったという後悔を未然に防げるかもしれません。

一口に学習塾といっても、カリキュラムや授業の進め方も違えば、想定している子供像もさまざまです。
例えば同じ中学3年生が対象でも、「学校の授業理解が目的なのか、受験対策が中心なのか」「集団授業なのか、個別指導なのか」などで大きく違います。

ホームページやパンフレットなどからある程度はわかりますが、やはり細かい部分は実際に授業を受けてみないと分かりません。
実際に授業を受けた子供自身が勉強しやすいのかどうかなど、入塾後に気付くようなことを事前に把握できるのが体験授業のよいところです。

とはいえ、体験授業を漫然と受けるだけでは、ミスマッチに気付けない可能性もあります。
そこで、塾選びで失敗しないためにも次の3つのポイントを体験入塾時にチェックしてください。

チェックポイント① 授業の進め方やカリキュラムがあっているか?

授業の進め方やカリキュラム(授業内容)が子どもにあっているかどうかはとても重要です。
子供の成績アップや志望校合格に直結するといっても過言ではありません。

授業がわかりやすいかどうか、子供がやる気になる教材を使っているか、わからない点をしっかり質問できる環境を整えているかなど、体験授業で学ぶ子供の様子も含めて確認しましょう。
あわせて、宿題の量やテストのサイクルは適切か、子供が追いつけるペースで進められているかなども、塾に通う目的を踏まえて事前に教室長や講師に確認できるとベストです。

チェックポイント② 講師のタイプが、自分の子供に合っているか?

体験授業では、実際に指導する教室長や講師の人柄も確認できます。
塾のスタイルにもよりますが、講師によって授業スタイルに違いがあります。
優しくアドバイスする講師もいれば、熱血で厳しく指導する講師までさまざまです。

そのため体験授業では「自分の子どもにあっていそうな講師か」といった点に注意してみてください。
子供が接しやすそうか、授業スタイル・指導方法・話し方は子どものモチベーションをあげてくれそうかなどは、塾を決める大切な判断材料になります。
子供と保護者では、抱く印象が違うこともあるので、子供の意見も聞いてみてください。

また、体験授業では相性がいい講師でも、実際に入塾したら違う講師が担当になるという話もよくあります。
体験授業をしてくれた講師が担当してくれるのか、別の講師になるとしてもどのようなタイプがいるのかなどを必ず確認しましょう。
個別指導塾では、相性が良い講師を選べるところもあるので、講師との相性については体験授業後の面談で詳しく聞いてみてください。

チェックポイント③ 他の生徒の様子や教室の雰囲気はどうか?

他の生徒や教室の雰囲気などを観察してください。
特に集団指導塾では他の生徒と一緒に授業を受けるので、互いに影響を与え合います。

クラスの生徒になじめそうか、落ち着いて勉強できそうかなど、周りの生徒の学習態度や雰囲気を確認しましょう。
集団指導塾では、クラスも成績順で変更することがあるため、体験授業のクラス以外の様子も聞いておくことをおすすめします。

また、生徒の様子を知るには、自習室ものぞいてみてください。
自習室の雰囲気が子供にあっているかどうか、実際にのぞいてみてわかることもあります。

体験授業のときに自習室も確認させてもらえるように相談しておきましょう。

塾選びを成功させるためには、目的を明確にすることも大切!

 

最後に、比較検討する塾を選ぶうえでおさえておいてほしいポイントをまとめました。
調査の声から見えてきたことを踏まえて、中学受験・高校受験・大学受験ごとに分けて解説します。

中学受験の塾選び

近年、中学受験を選択する家庭は増えており、都心部はとくに顕著です。
子供の学力や志望する学校のレベルにもよりますが、小学校では習っていないような問題も出題されるケースもあるため、学校の授業と家庭学習だけで受験に備えるのは難しくなっています。

塾側でも、受験に向けた勉強を進めるのか、小学校の授業についていくための指導をするのかで対応が大きく変わります。
塾選びを失敗すると子供の勉強に悪影響をもたらすこともあります。

小学生向けの塾選びでは、まず「何のために通うのか」という目的を明確にしてください。

高校受験の塾選び

中学校に入学すると、一貫校でなければ、3年後には高校受験が控えています。
志望する高校によって試験内容は異なりますし、中学校の授業は小学生時代に比べて難易度も上がります。

学校の授業と自宅学習だけでフォローするのは難しくなっているので、早いうちから受験を視野に入れた塾を検討することが大切です。

その際に、どこに力を入れたいのかという目的を明確にすることをおすすめします。
「基礎学力が身に付いていないので、まずは学校の授業を理解できるようになりたい」「数学だけが苦手なため、数学だけ集中して指導を受けたい」「基礎項目は自分で学習できるので、塾では高校受験を意識した応用問題演習に取り組みたい」など、なぜ塾に通いたいのか目的をそれぞれ明確にすることから始めてみてください。

また、地域によっては学校の成績(内申点)が合否に関わることもあります。
中学校での定期テストで結果を出せるよう、日ごろから学習を積み重ねていく必要があります。
内申点を上げるための対策に力を入れている塾もあるので、早い段階で高校受験を見据えた対策をすることで志望校の選択肢を広げられるでしょう。

大学受験の塾選び

大学受験では、志望校にもよりますが、対策すべきことが多様になります。
たとえば、国公立大学を目指すのであれば、一次試験と二次試験の対策が必要になりますし、また文系でも理数系科目の受験が必要になるなど、入試の科目数が多いのも特徴です。

一方、私立大学であれば科目を絞って受験ができるので、科目数における負担は国公立大学よりも軽くなります。
ただし、科目による配点比重などが大学によって異なることもあるなど、私立大学の入試形式はバラエティ豊かです。
志望校に合わせた対策を練らなければいけません。

他にも、受験の仕方として一般入試だけではなく、総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試などもあり、それらも考慮すると異なる対策が必要になります。
このように、受験する大学や入試形式によって対策が異なるため、どの学校を志望するのかを明確にした上で塾も検討してみてください。

調査概要

調査対象:子どもを持つ保護者(有効回答数100名)
調査時期:2023年10月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答

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