
※本記事はFUNDO編集部に寄せられた体験談をもとに作成しています。
実際の個人情報が特定されないよう、フィクションおよび編集を加えています。
その日は、どうしても抜けられない会議がありました。
時計を見るたびに焦り、胸の奥に、じわりと罪悪感が広がっていった。
やっと仕事を終えて保育園に向かったときには、
迎えの時間を 30分以上過ぎて しまっていました。
園の門をくぐると、
蓮は教室の隅で、じっとこちらを見つめて座っていました。
先生が穏やかに言いました。
「蓮くん、お母さんをずっと待っていましたよ」
彼がソワソワしていたので、何かを伝えたいことがありそうでした。
目次
帰り道、突然手をぎゅっと握られた

車に乗り込んでも、蓮はずっと何かを言いたそうでした。
信号待ちのとき、小さな声がふっとこぼれました。
「……ママ、はやくかえらないと、おばあちゃん、まってるよ」
一瞬、何を言われたのか理解できないほどでした。
(おばあちゃん?)
次の瞬間、頭の中でハッと音が鳴りました。
私は覚えていなかった義母の誕生日

夕方にテレビ電話でお祝いする予定だったのを、私はすっかり…完全に忘れていたのです。
距離のある関係だからこそ、どこか後回しにしてしまっていたのかもしれません。
でも蓮は義母の誕生日を楽しみに覚えていたみたいです。
蓮はぽつりと言いました。
「ママ、おしごとだから、おそくなるかなっておもってた。
おばあちゃん、ずっとテレビのまえでまってたら、さみしいかなって…」
胸が、ぎゅっとつかまれたように苦しくなりました。
私は、息子の前で初めて涙をこらえられませんでした。
本当に守りたかったのは家族の時間だった
蓮は義母のことが大好きです。
距離があっても、会える日は数えるほどでも、
おばあちゃんの誕生日は蓮にとって大事な日でした。
ママを責めるのでも、甘えるのでもなく…
家族でお祝いしたい、そんな純粋な気持ちだけで今日も過ごしていました。
私は蓮をぎゅっと抱きしめました。
「れん、ありがとう。ぜんぶ分かったよ。
ママ、今日は忘れててごめんね」
蓮はほっとしたように笑いました。
「ママがにこにこしてたら、ぜんぶだいじょうぶだから!」
優しい息子の姿に涙が止まりませんでした。
その夜。義母の画面に映る蓮の笑顔

予定より少し遅れたけれど、私たちは急いでテレビ電話をつなぎました。
画面の向こうの義母は驚いたように目を細めました。
「蓮ちゃん…!覚えていてくれたの?」
蓮は誇らしげに言いました。
「ぼく、おばあちゃんのおたんじょうび、ずっとまってたよ!」
義母の目が潤んだのを見て、胸が熱くなりました。
その笑顔を見た瞬間、
私は蓮が守ろうとしていたものの大きさを理解しました。
小さな約束を大切にするその姿に、息子の成長と優しさを感じました。
その気持ちに、私は深く胸を打たれたのです。
※本記事はフィクションです
登場人物・団体名は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※文章の一部は生成AIを利用して制作しています。