
世界各地でその数が激減。チーターが近い将来に絶滅の恐れがあると研究チームが警告し、話題となっています。
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生息地の91%が失われた…
チーターといえば、地球上で最も速く走れる動物として知られています。地球上で無数に生息する動物の中でも、その存在感は際立っています。
しかし、「ロンドン動物学会(ZLS)」や「野生動物保護協会(WCS)」、ネコ科野生動物の国際保護団体「パンセラ」などで構成された研究チームによると、かつてはアフリカ全域から西南アジアに広がっていたチーターの生息地のうち、91%がすでに失われたといいます。
ちなみに、現在世界に生息するチーターは、7100頭程度だそうです。
出典:www.zsl.org
アフリカ南部で激減
アフリカ南部に位置するジンバブエでは、1999年に1200頭生息していたとされるチーターが、2015年には170頭前後まで激減したそうです。また、アジアに関しては、イランに50頭程度が生息しているのみとされています。
保護地域を確保するだけでは不十分
研究チームによると、チーターは活動範囲が約48km四方ととても広いため、保護区域を設定したとしても、その範囲にとどまるということはないといいます。
現在、保護区域内に生息しているチーターは、2360頭程度にとどまると推定されています。これを受けて、研究チームは「絶滅を阻止するためには、保護区域だけでなく、そうでない区域が入り組んだ地域全体に目を向けなければならない」と述べているそうです。
かつては5大陸で見られ、一般的な動物だったチーター。チーターが生き残るためには、広大な土地が必要です。しかし、人口の増加によって、そうした土地は年々狭められています。また、チーターは最も優れたハンターでありながらも戦闘に向いた動物とはいえず、獲物の多くをライオンやハイエナといった動物に奪われてしまいます。
人間の住みやすい環境が多くの生物にとって住みにくい環境であることは事実です。改めて考えさせられる問題です。
出典:www.zsl.org