
およそ5年間の開発期間を経て、“世界初の海洋自動清掃システム”がいよいよ始動。世界中で大きな反響を呼んでいます。
海洋自動清掃システムとは名称を聞いただけでスケールが大きいですが、驚くべきことに発案したのは若干20歳(発案当時)の若者。FunDoでも以前、「世界中の海のゴミを無くしたい」20歳青年の描く夢が世界を動かした!という記事でご紹介しました。
こちらが、発案者のオランダ人青年、ボイヤン・スラットさん。この若さで地球規模の環境保全問題に取り組み、海洋ゴミの中でもプラスチックを回収するアイデアを発明。彼のアイディアには、クラウドファウンディングを通じて多額の資金(2百万ドル)が集まり、環境保全に関わる様々な人々が彼のアイディアに賛同していました。
2018年9月にいよいよ始動
そして、いよいよスラットさんの描いていたプラスチック廃棄物を回収する海洋自動清掃システム(財団「The Ocean Cleanup Foundation〈オーシャン・クリーンアップ基金〉が開発)始動することに。
9月8日、米・サンフランシスコのベイエリアのアラメダから同システムが送り出され、ハワイとカリフォルニアとの間に位置する太平洋ゴミベルトと称される海域において、プラスチック廃棄物の回収作業を開始したのです。
同システムはU字型のフェンスとなっており、海を漂流しているプラスチック廃棄物を取り囲みます。全長2300メートルにも及ぶフェンスを海に浮かべ、漂流しているゴミを回収する構造です。
設備をはローコストで導入できる上に、網を使わないため生き物が引っかかるといったこともありません。
Here is the checklist System 001 needs to fulfill at the test site before it can head to the Great Pacific Garbage Patch. 1 down, 4 to go. pic.twitter.com/cYVxs9KQJR
— The Ocean Cleanup (@TheOceanCleanup) 2018年9月18日
海流や風などをうまく活用しながらゴミを回収する地点まで誘導していき、最終的には船でゴミを回収する流れとなっています。
リアルタイムで位置情報を取得するため、衛星通信装置なども組み込まれているそうです。
Timelapse drone shot of System 001 during one of the re-orientation tests. If it performs well for the remaining tests, we will have another checklist item completed. pic.twitter.com/u630jEX2KZ
— The Ocean Cleanup (@TheOceanCleanup) 2018年9月20日
今回のサンフランシスコでの導入を皮切りとし、最終的には60基のシステムを導入。5年間で太平洋ゴミベルトのプラスチック廃棄物を半減させることが目標だそうです。
「世界中の海からゴミをなくしたい」という一人の青年の想いが様々な人々からの共感、協力を獲得することになり、実際にこうして壮大なプロジェクトが始動する… 本当に素晴らしいことですね。同プロジェクトの今後の動向も追っていきたいと思います。
こちらの動画は、サンフランシスコで導入された時の模様です(ライブ配信していたそうです)。興味のある方はぜひチェックしてみてください!
動画はこちら
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出典:theoceancleanup / Twitter(@TheOceanCleanup) / YouTube(The Ocean Cleanup System 001 Launch LIVE)