天皇陛下や皇后さまをはじめとした皇族の方々を、国にまつわる行事のニュースなどで目にする機会は皆さんもあるかと思います。
ところで皆さんは、天皇陛下のお名前について詳しくご存知でしょうか?メディアでは天皇陛下、または今上天皇と呼ばれる事がほとんどですよね。
私も詳しい事情は知らないため、「平成」から「令和」に元号が変わったこの機会に少し調べてみました。
目次
天皇陛下のお名前を調べてみると
まずは、天皇陛下にまつわる話なら宮内庁という事で、宮内庁の公式サイトを調べると、天皇陛下のお名前は徳仁(なるひと)と明記してあります。
ちなみに上皇陛下のお名前は、明仁(あきひと)です。
しかし、天皇陛下の苗字に関しては何も触れられていません。苗字についてはどうなんでしょう?そこで、Wikipediaを見てみると皇室のページにはこうありました。
▼「皇室」氏・姓・名字の項目より
日本の皇室は、紀元前660年(神武天皇即位紀元元年)2月11日の初代・神武天皇即位以来、現在の日本国につながる国家が建国されて以来継続しているため、天皇および皇族は氏姓および名字を持たないとされる。
なお、宮家の当主が有する「○○宮」の称号は、あくまで宮家の当主個人の称号(宮号)とされており、一般国民でいう苗字には当たらない。
出典:Wikipedia
天皇および皇族は、氏姓および苗字を持たないんですね。さらにこの様な説明もあります。
古代日本において、氏姓(しせい)、すなわち氏(ウジ)名と姓(カバネ)はヤマト政権の大王(おおきみ、のちの天皇)が臣下へ賜与するものと位置づけられていた(氏姓制度)。大王は、氏姓を与える超越的な地位にあり、大王に氏姓を与える上位の存在がなかったため、大王、そして天皇は氏姓を持たなかったとされる。このことは、東アジア世界において非常に独特なものである。また、このことは古代より現在に至るまで日本で王朝が変わったことがないことを示しているとされる。
出典:Wikipedia
氏姓は、最上位の地位にある人から授かるものであったと。
また王朝が変わった事はないため、支配者側の系統を呼び分けて区別する必要も生じなかったとは・・・いやはや何とも壮大な話につながっていきましたね。
諱(いみな)について
ちなみに「諱(いみな)」という言葉はご存知でしょうか。
Wikipediaにある『徳仁』のページには、「諱は「徳仁」(なるひと) と、命名された」と記載されてありました。この「諱」についてもWikipediaで調べてみると以下の内容になります。
諱という漢字は、日本語では「いむ」と訓ぜられるように、本来は口に出すことがはばかられることを意味する動詞である。
この漢字は、古代に貴人や死者を本名で呼ぶことを避ける習慣があったことから、転じて人の本名(名)のことを指すようになった。
~中略~
諱で呼びかけることは親や主君などのみに許され、それ以外の人間が諱で呼びかけることは極めて無礼であると考えられた
出典:Wikipedia
諱とは、決して軽々しく呼べるものではないとわかりますね。さらに同ページには、他にこのような説明もありました。
▼「諱」天皇・皇室に対する避諱の項目より引用
現代に至るまで、天皇・皇族(特に天皇直系1親等の親王・内親王や宮家当主)に対しては、本人以外が諱で呼称することは控えられる傾向にあった。
~中略~
また、皇室内部においても本人以外が諱を呼称することが避けられており、親王(内親王)・宮家当主に対しても、皇室最上位にあたる天皇をはじめ直系・傍系尊属にあたる皇族でさえ諱を用いず、宮号や御称号を用いて呼称するのが慣例となっている。
出典:Wikipedia
天皇陛下に「徳仁」というお名前があっても、周囲がそう呼ばない事にはこうした背景があったんですね。
高貴な方のお名前に関しては、話題にすることさえも憚られる風潮が古くからあったからこそ、詳しい事情は今でもあまり知られていないのかもしれません。
まとめ
天皇陛下ともなれば苗字はなく、また名前(諱)はあっても、一般人と異なりおいそれとは呼べないとの事で・・・圧倒的次元の違いとでもいいますか、歴史の重みを感じる様なお話でした。
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Wikipedia(諱)