不良のことをなんでヤンキーと呼ぶの?語源を調べてみたら興味深いことが分かった!

ひとくちに不良と言ってもいろいろ呼ばれ方があります。その中でもよく聞く『ヤンキー』。

彼らは何故『ヤンキー』と呼ばれているのでしょうか?カタカナで書くくらいですし、英語など外国語が由来なのでしょうか?

そこで今回は『ヤンキー』という存在はどういう流れで生まれて、なぜ『ヤンキー』と呼ばれているのか調べてみました。

ヤンキーってそもそもどんな人たち?

ヤンキーの前は『ツッパリ』と呼ばれていた

不良少年達のことを別称で指すようになるのは戦後からになります。

終戦後の1950年ごろから出てきた『愚連隊』そして『カミナリ族』を経て、1960年代ごろの不良少年(少女)たちは『ツッパリ』と呼ばれていました。

彼らは決してリッチ層ではありませんでしたが、虚勢を張り、いきがっていました。そんな姿や生き方から『ツッパリ』と呼ばれていたようです。そして、この頃から個性をアピールするため、なにより目立つために彼らは規定外の制服を着用するようにもなったといわれています。

なので私たちが不良学生と聞いたときに想像する特徴的な制服姿、あれはこの頃にはじまった文化のようですね。

『ツッパリ』から『ヤンキー』へ

そして1980年代、校内暴力が社会問題として注目を集めるようになった頃、不良少年たちは次第に『ヤンキー』と呼ばれるようになりました。

『ツッパリ』時代からの変形学生服もこの頃に全盛期となり、短ランや長ラン、刺しゅう入り学ラン、ドカンやボンタン、ラッパズボンといった目立つものが多かったそうです。髪形はリーゼントやアイパーに剃りといった姿が多かったようです。

ヤンキーものの確立

そして現在、映画やドラマそしてマンガといった作品で多くのファンを有し、一ジャンルを築いているヤンキーもの。そこには一大流行作品や不朽の名作と言われる作品も少なくありませんね。

1980年代だと『ビー・バップ・ハイスクール』や『湘南爆走族』、2000年以降でも『ごくせん』や『クローズZERO』といった作品も話題になりましたし、最近では『HiGH&LOW THE MOVIE』は興行収入21億円ともなる人気作も出てきました。

そんなヤンキーものですが、基本的に現代の若者が熱い拳を交えたり、純情な恋愛を繰り広げることで活躍する作品になります。このヤンキーものの重要な要素の一つとして『ヤンキー』と呼ばれる人たちが現代にいるからこそだと筆者は考えています。

80年代の不良ブーム

ヤンキー全盛期の80年代、ヤンキーものの人気は最盛期でもありました。『ビー・バップ・ハイスクール』や『湘南爆走族』といった実写映画は特に人気を博しましたね。

『ビー・バップ・ハイスクール』にいたっては第一作で14億5000万円、シリーズ全6作品では62億6千万円もの配給収入をあげたそうです。それほどに人気のあった作品ですから、ヤンキーではなかったけれども主人公たちに憧れてヤンキーになった人、服装だけはヤンキーに寄せていたという人も当時は多くいたと聞きます。

ヤンキーの語源

日本での『ヤンキー』は大阪から

それほど古くない1980年代に生まれた『ヤンキー』という不良少年をあらわすこの言葉。

実はこれだ!という明確な由来はわかっていませんが、諸説ある中から今回は筆者が一番なるほど!と思った説をご紹介します。

当時の不良少年達は派手な格好を好み、いかに目立つかを重要視していました。

そんな中、大阪のアメリカ村で派手なアロハシャツなどを購入し繁華街に出る若者が現れ始めます。そんな彼らのことを『ヤンキー』と呼ぶようになったのが始まり、という説です。

そしてその後、ヤンキーは繁華街をウロウロする若者のことから、不良少年たち全体を表す言葉になったというのです。

なぜアロハの少年たちがヤンキーに?

では、繁華街をアロハシャツでウロついていた彼らをなぜ『ヤンキー』と呼ぶようになったのでしょうか?

それは彼らが喧嘩の時に乱暴に「~やんけ」と言う語尾を由来とし、「~やんけ」と言う、が『やんけ言い』へ、さらに『やんきぃ』に変わり、現在の『ヤンキー』になった考えられています。

語尾が変形して名詞になって、それが日本中に広まったと思うと面白いですね。そうなるとアメリカ村発ではありますが、直接アメリカや英語には関係無く生まれた言葉のようですね。

英語での『ヤンキー』

『Yankee』というスペルの『ヤンキー』という英単語があります。

これは基本アメリカ合衆国北東部の白人に対する蔑称、もしくは広義的にアメリカ人という意味で使われています。南北戦争のときには南軍が北軍を指す蔑称ともしていました。

この『Yankee』の語源は諸説あるのですが、その中の一つとして現在のニューヨークに住むオランダ系移民のことを隣のコネチカット州のイギリス系移民が呼んだあだ名が『Jan Kees』だとするものがあります。

『Jan Kees』はオランダの男性の一般的なキリスト教の「ヨハネ」からきている名前『Jan』、『Kees』は「チーズ」から来ているそうですが、男性の名前とチーズが重なっているのはなぜなのかよくわかっていないそうです。

そんな『Yankee』という単語ですが、現在では野球チーム名にもあるように地元の誇りやプライドとして認識されているため、一般的に考えられている蔑称のようには認識されていないようです。

アメリカ独立戦争の時にはイギリス側から『Yankee Doodle』、「間抜けなヤンキー」という曲が作られたのですが、なぜかアメリカ側はその曲を気に入り今ではコネチカット州の州歌としても制定されており、愛国歌としても歌われているそうです。侮蔑されて作られた曲を気に入り、州歌にまでするというのが『Yankee』という単語に愛着があり、誇りを持っているからというのが伝わってくるエピソードなのではないでしょうか。

まとめ

今となっては名前はわからないですが、喧嘩の時に荒っぽく「~やんけ」と言っていた少年たち。彼らの特徴が不良を表す『ヤンキー』の語源、というのは驚きでした。不良行為もまた人の営みだからこそ、その特徴が名前に付いたのかな!?と感じますね。

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