
間違いを正すことの意味で使われる『修正』や『訂正』という言葉。この二つにはどんな違いがあるのでしょうか?
"是正"や"変更"といった同じようなシチュエーションで聞く似たような言葉もあるので更にややこしいですよね。修正液や訂正印などありますが、逆に訂正液や修正印は聞かないのも不思議です。
今回はそんな『修正』と『訂正』の違いなどについて調べてみました。
『修正』と『訂正』には明確に違いがあった!
『修正』と『訂正』それぞれの意味
それぞれの言葉の意味が分からなくては違いを確かめられませんので、まずは意味を確認してみましょう。
まず『修正』を辞書で調べてみるとこのように書かれていました。
「まちがっていたり、不十分であるところを直して正しくすること。」
出典:weblio.jp
「修正」は直す対象に、"間違いがあるとは限らない"ようです。不適当であったり不十分な物事を正す他に、より良いものにするというニュアンスも含んでいるみたいです。
そして『訂正』は辞書にこう書かれていました。
「言葉や文章の誤っている部分を正しく直すこと。」
出典:weblio.jp
「訂正」の場合は"明確に間違えている"対象を直すことなので、『修正』と『訂正』には似た部分もありますが「間違いの有無」についての扱いに違いがあるようです!
『修正』と『訂正』の使い方
さて『修正』と『訂正』の違いはわかりましたが、それぞれどのように使えばいいのでしょうか。
『修正』の使用例
①待ち合わせ時間が変わったので予定を修正する。
②ロケットの軌道を修正する。
①は本来の正しい予定に変更が生じたため、新しい予定に『修正』することで正しました。
そして②の場合、軌道は最初に正しいと思われるルートで組まれています。しかしなんらかの事象により軌道が変更された時、現状にのっとった新しい軌道を組むか元の軌道に戻すように組み直す必要があります。それは決して間違いから発生したことではありませんので『修正』になります!
『訂正』の使用例
①文面の英単語のスペルミスに気付いたので訂正する。
②データの数字が誤っていたので訂正する。
③事実でないことを言ったので発言を訂正する。
①では英単語を、②ではデータの数字を、③は発言内容に関して明確に存在する間違いや誤りを直しているので『訂正』を使います。
『修正』の応用的な使い方
「文面の修正をお願いします」
誰かの書類や作成したデータなどに不備を見つけ、それを直してもらう場合、何と声掛けをしたらいいのでしょうか?
明確な間違いがあるのですので本来であれば「訂正お願いします」になるのでしょう。しかし相手にここが明確に間違えていると伝えることになりますのでコミュニケーション的によろしくないですよね。
そこで「修正お願いします」となります。訂正ほど強くなく、かつ直すことでより良くなる改善されるものになるというプラスのニュアンスも『修正』にはあります。
人に頼むときは「修正お願いします」と言って円滑に内容の訂正をしてもらいましょう!
訂正印が『訂正』印な理由
書類で書き損じなどをした際に使う訂正印。これは明確に間違いを書類上でしてしまっているものを直すために使うので、修正印ではなく「訂正印」になります。
他にもある似た言葉
『修正』や『訂正』以外にも似たようなニュアンスで使われる単語とその意味をご紹介します。
「改修」
悪い所やいたんだ所に手を入れて直すこと。
出典:weblio.jp
『改修工事』は古くなったり壊れたものを直したり、補強する際に使われますね。
「改訂」
書物などの内容の一部に手を加えて改めなおすこと。
出典:weblio.jp
教科書やテキストで内容に更新が入ったものには、表紙に『改訂版』と書かれています。
「改定」
すでに定められていた制度や規則などを改めて定めること。
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運賃など以前から決まっていた物事や法令が変更される際に使われる言葉です。
「校正」
くらべ合わせて、文字の誤りを正すこと。
出典:weblio.jp
文章中に誤字脱字が無いか、適切な文言が利用されているかを確認する際に使われる言葉ですね。この記事にも、もちろん校正が入っています。
「是正」
誤っている点をなおして正しくすること。
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この言葉も「悪い点を直す」という意味ですが『訂正』とは違い、公的なルールや法律を対象として直す際に使われているようです。「法令違反に対しての改善命令」という意味で『是正勧告』が使われていますね!
「変更」
変えること。変え改めること。
出典:weblio.jp
正誤関係なしに物事を変えることです。「仕様を変更する」といった良し悪しにかかわらず物事を変える際に使わます。
それぞれ似たような意味を持っている単語ですが、よく読むとそれぞれ違う意味合いを持っているんですね!使う場面も違うので、これはしっかり使い分けできないといけませんね。
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言葉の違いには意味がある!
なんの気なしに同じような意味で『修正』と『訂正』を使っていましたが、意味をしっかりみれば違う意味合いを持っていることがわかりました。その場その場で適切な言葉を選んでさりげなく違いが判っているとアピールしたいですね。
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