酉の市(とりのいち)って何?由来や縁起熊手について解説! 関東地方以外の人は意外と知らない!?

みなさんは「酉の市」ってご存知ですか?関東中心に広がっていき現在では日本各地で開催されている、開運招福や商売繁盛を祈願する歳末の年中行事です。

今回は、どうして酉の市がはじまったのか?縁起熊手はどうやって買ったらいいのか?など、酉の市に行ったことがある方もない方も、知ってるようで知らない酉の市の全てを解説いたします。

酉の市(とりのいち)とは?

酉の市は、開運招福や商売繁盛などを願い関東発祥で行われている年中行事であり、名物の縁起熊手を買い求めようと、多くの人々が足を運びます。

概要

鷲(おおとり)神社、大鳥(おおとり)神社、酉の寺など、「とり」にちなむ神社で行われるため、「大酉祭(おおとりまつり)」「お酉さま」「お酉さん」とも呼ばれています。

主には毎年11月の「酉の日」に開運招福や商売繁盛を祈願して行われるお祭りで、ひしめき合う露天商に並ぶ縁起熊手と、あちこちから飛び交う威勢のいい掛け声は、酉の市で見られる歳末の風物詩となっています。開催時間は各寺社により違いますが、夜中まで行われることが多いのも特徴です。中には、午前0時に始まり翌日の午前0時に終わるというところも。

関東発祥のお祭りですが、現在では大阪や名古屋の酉の市も有名です。

由来

日本の伝説的ヒーロー日本武尊(やまとたけるのみこと、西暦72年~113年)は、東夷征討(とういせいばつ)の祝勝報告を、現.東京都足立区の大鷲(おおとり)神社で行いました。
祝勝報告の日が酉の日であったことと、11月は日本武尊の命日であることから、11月の酉の日に大酉祭が行われることになりました。また、松の木に武具の熊手を引っ掛けてお礼参りをしたともいわれています。

酉の市といえば熊手

酉の市で有名な熊手は「縁起熊手」といって、小判や米俵、鯛や招き猫などの縁起物が飾り付けられた熊手のことです。

なぜ熊手なのか?

酉の市の起源は、江戸時代に大鷲神社で農民たちが行っていた収穫祭(作物の収穫を祝い来年の無事も祈る祭祀)です。収穫祭に訪れた人々に農産物や農具などの市が開かれており、その中に農具である熊手も売られていました。

熊手の形と使い方から「幸運や金運をかき集める」といわれるようになり、はじめはおまけで付けられていた熊手ですが、次第に縁起物が装飾されるようなり現在の縁起熊手の形になったということです。

熊手の意味

縁起熊手は、熊手の使い道から「幸運や金運をかき集める」「福をかっこむ(かきこむ)」という意味を持っています。また、熊手の形は鷲が獲物を捕らえる「わしづかみ」を模倣して作られているため、「福をわしづかむ」という祈りも込められています。

どんな熊手を買えばいい?

酉の市の縁起熊手は、千円くらいのものから何十万円というものまで並んでいて種類も豊富なのでどれを選べばいいか迷ってしまいますね。

初めて買うときは小さくて安いものを選ぶと良いでしょう。翌年にはそれより少し大きいものを、その翌年にはまた少し大きいものを・・・というように、徐々に大きな熊手を選ぶとご利益があるとされています。「昨年よりも大きな福をかき込む」という意味合いがあるからです。しかし、もし今年中になにか不幸事があった場合は、昨年よりも小さい熊手を選びましょう。

また、祈願内容を考慮して装飾のデザインを選びます。金運アップを願う場合は小判、商売繁盛を願う場合は大入り袋、長寿を願う場合は鶴が飾られているものなどを選ぶと、さらにご利益に繋がりますよ。

熊手は値切れ!


出典:Wikipedia

酉の市で熊手を買うときには、江戸ならではの「粋」な買い方をしましょう。

どんな買い方が粋なのかというと、値切ることです。値切ることが粋なの?って、ちょっと驚きますよね。正確には、ただ値切るだけではなく「値切って安くしてもらった分の代金をご祝儀としてお店に置いていく」というのが粋な買い方。こうして熊手屋さんとの駆け引きを楽しむことが粋なんですね。

熊手については下記の記事でも詳しく書いていますので併せてご覧ください。

▼ 関連記事 ▼
熊手の飾り方!ご利益アップの方法は?オフィスや自宅での飾る方角なども解説!

酉の市は一回ではない!

酉の市は11月の「酉の日」に行われます。ところで「酉の日」をご存知ですか?

日本のカレンダーを見ると日付のところに十干十二支(じっかんじゅうにし)が書かれているものがあります。

十干とは甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)のこと。

十二支とは干支でお馴染みの子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い) のことです。

この二つを組み合わせて、甲子(きのえね)、乙丑(きのとうし)、丙寅(ひのえとら)、丁卯(ひのとう)、戊辰(つちのえたつ)・・・・とし、日付に当てはめたものを十干十二支といいます。

「酉」の日は12日ごと巡ってきますので、11月の30日間では2回から3回あることになります。

一の酉、二の酉、三の酉

先に述べたように、11月の酉の日はその年によって回数が変わります。その為1回目を一の酉(いちのとり)2回目3回目をそれぞれ二の酉(にのとり)三の酉(さんのとり)と呼びます。

酉の市も酉の日の回数だけ行われるので、「一の酉」は11月の第一酉の日、「二の酉」は11月の第二酉の日、「三の酉」は11月の第三酉の日に行われます。

酉の市が有名な寺社

酉の市を開催することで有名な関東の寺社を7カ所ご紹介いたします。

大鷲神社(おおとりじんじゃ)

 
東京都足立区にある江戸時代から続く酉の市発祥の神社として有名です。日本武尊が祝勝報告をした神社です。

▼ 大鷲神社 ▼
http://ootori-jinja.or.jp/

浅草鷲神社(あさくさおおとりじんじゃ)

 
東京都台東区にある神社。関東三大酉の市のひとつで、日本最大かつ日本一有名な酉の市といわれ、酉の市は午前0時~午前0時の24時間行われます!

▼ 浅草鷲神社 ▼
https://www.otorisama.or.jp/

長國寺(ちょうこくじ)

 
東京都台東区にある法華宗のお寺。浅草酉の市の本尊として親しまれており、「お酉さま」「鷲大明神」と呼ばれています。こちらも24時間行われており、長國寺が「仏様のおとりさま」お隣の鷲神社が「神様のおとりさま」として、どちらの「おとりさま」にも足を運ぶことが出来るのが人気!

▼ 長國寺 ▼
http://otorisama.jp/index.html

花園神社(はなぞのじんじゃ)

 
東京新宿にある神社。関東三大酉の市のひとつ。江戸時代から新宿の守り神として祀られています。酉の市には毎年60万人もの人が訪れます。日本最大級の繁華街歌舞伎町のすぐそばで、神社のすぐ裏は吉本興業の東京本社があります。

▼ 花園神社 ▼
http://www.hanazono-jinja.or.jp/mt/cms/webdir/index.html

大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)

 
東京都府中市にある神社。関東三大酉の市のひとつで、西暦111年に武蔵国(東京、埼玉、神奈川)の守護を目的に創建されました。厄除けも有名です。

▼ 大國魂神社 ▼
https://www.ookunitamajinja.or.jp/

鷲宮神社(わしのみやじんじゃ)

 
埼玉県久喜市にある神社。「関東最古の大社」「お酉さまの本社」といわれており、日本武尊が先勝祈願をした神社です。

▼ 鷲宮神社 ▼
http://www.washinomiyajinja.or.jp/

金刀比羅・大鷲神社(ことひら・おおとりじんじゃ)

 
神奈川県横浜市の神社。金刀比羅神社の相殿に祀られたのが大鷲神社であり、「横浜のお酉様」としてあがめられています。

▼ 金刀比羅・大鷲神社 ▼
https://yokohama-torinoichi.jimdo.com/

酉の市は関東だけ?

関東発祥のお祭りですが少しずつ全国に広がっていき、現在では大阪や名古屋の酉の市も有名になりました。

基本関東発祥のお祭り

江戸時代、東京都足立区の「大鷲神社」で農民たちが行っていた収穫祭が発祥とされています。現在、関東では小さい規模のものまで含めると40カ所以上の寺社で行われています。

名古屋大須酉の市

大須(おおす)は愛知県名古屋市の中心部であり代表的な繁華街・商店街の一つです。大須酉の市は大須観音駅近くの稲園山七寺 (とうえんざんななつでら)で行われます。

長引く不況を打開したいという思いから地元民が集まり開催されるようになり、関東酉の市と由来は異なりますが盛大に行われます。

関西では「えべっさん」「十日えびす」

「えべっさん」「十日えびす」と呼ばれる関西地方のお祭りは、七福神の恵比寿様に商売繁盛・家運興隆を願うために開催されます。毎年、初詣に続いて1月9日、10日、11日の三日間行われる冬の風物詩となっています。縁起熊手も買うことができることから、関西の酉の市と呼ばれています。

日本三大戎として、大阪市の今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)、兵庫県の西宮神社(にしのみやじんじゃ)、京都のえびす神社が有名です。(京都えびす神社の代わりに、大阪市の堀川戎神社(ほりかわえびすじんじゃ)が三大戎に入ることもあります)

まとめ


出典:Wikipedia

酉の市について、お分りいただけましたでしょうか?

酉の市は開催時間が遅いこともあり、大人が楽しむお祭りだとも言われています。仕事帰りに屋台目当てでふらっと足を運ぶのもいいかもしれませんね。活気ある露天商に並ぶ縁起熊手を見て歩くだけでも、運勢がアップしそうです!

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出典:Wikipedia

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