
Tシャツやタオルなど、多くの生地に使われているコットン。
同じような生地の素材に「綿(めん)」がありますが、この2種類の呼び方は違う素材を指しているのか、それとも同じなのでしょうか。
そこでここでは、「綿(めん)」と「コットン」は同じものなのか、それとも違うものなのかという点や、「綿(めん)」と「綿(わた)」の違いなどについても解説します!
目次
繊維製品の表示の綿とコットンは同じ

まるで違うもののように表記される「綿」と「コットン」ですが、その正体は同じ!
綿を指す英語 「cotton」をカタカナ表記したものが「コットン」なんです。
両者の違いは表記方法にあるということになります。
「綿(コットン)」とは

原料は?
様々な衣類の素材として使われている「綿(コットン)」。
その原料は、アオイ目アオイ科ワタ属に属する植物「ワタ」の種子から採れるものです。
ワタから採れる「綿(コットン)」は吸水性や吸湿性があり通気性も良く、丈夫なので植物性繊維の中でも特に優れていると世界中で親しまれています。
「綿(コットン)」の定義は?
消費者庁が定める家庭用品品質表示法では、「綿(コットン)」の表示名には「綿」、「コットン」、「COTTON」のいずれかしか使用できないと定めています。
「綿(コットン)」という言葉自体の定義は、アオイ科ワタ目の「綿」から採れる繊維のみを指す言葉、というものです。
似たような繊維として羊の毛から採れる「羊毛綿」やナイロンなどの化学繊維が原料の「化繊綿」などがありますが、「綿(コットン)」と表記できるのは植物から採れる綿の実です。
綿(わた)と綿(めん)はどう違う?

綿(わた)は繊維の塊全般を指す言葉!
「綿(コットン)」と同じ漢字を用いる「綿(わた)」が。
ここには明確な違いがあります。
「綿(わた)」と読んだ場合は、植物のワタから採られた繊維に限らず、糸や繊維を紡いだものの塊全般を指します。
いろいろな「綿(わた)」の種類

木綿(もめん)
木綿は、一般的な「綿」「コットン」と同じもののことです。
植物のワタから生成した糸を紡いだ繊維を指します。
綿麻(めんあさ)コットンリネン
綿麻は、麻と綿の入り混じった繊維素材のこと。
アサ科アサ属の植物から採られた麻と綿を混合した素材です。
真綿(まわた)
カイコ(虫)の繭から採れるワタを指すのが「真綿」です。
木綿(コットン)が伝来してくるまでは、日本では元々この真綿だけを「ワタ」と呼んでいました。
石綿(いしわた、せきめん)アスベスト

石綿(いしわた)は主に建築で使用されていた、蛇紋石や角閃石など天然の鉱石が原料の素材。
近年では人体に悪影響を及ぼす可能性があることが発見され、世界的に使用が禁止・削減されています。
岩綿(がんめん)ロックウール
岩綿(がんめん)は、石綿と同様に建築で使用される素材です。
岩石を高温で溶かしたものを空気中に噴出させて繊維状にすることで、断熱材や吸音材として使用します。
スチールウール

スチールウールは、繊維状に加工された鉄の塊を指し、たわしとして使用することもあります。
合繊綿(ごうせんわた)
ポリエステルやポリプロピレン、ナイロンなどの合成繊維を原料とする綿を合繊綿といいます。
速乾性があり、扱いやすいため様々な衣類に使用されています。
【まとめ】「綿(めん)」と「コットン」は同じ!

実は同じだった、綿とコットン。
また、木綿もほぼ同じものを指す言葉です。
綿麻や石綿などのように「綿」という文字のつく言葉でも、その原料も特徴も全く違うものが豊富にありますよ。