上杉謙信は女性だった?戦国武将の上杉謙信女性説とは!!

2019.8.11


戦国時代に活躍した「上杉謙信(うえすぎけんしん)」と聞いたらどんなイメージがありますか?「越後の龍」「軍神」「毘沙門天の化身」とあだ名されているように合戦で戦っている勇猛な姿ではないでしょうか?

白馬に乗って颯爽と戦場を駆けるのが似合う上杉謙信が女性だったと聞いたら驚きませんか?上杉謙信に噂されている女性説について紹介します。



戦国大名なのに生涯独身だった上杉謙信が怪しい


上杉謙信とは

上杉謙信の名前に付いて

「上杉謙信」こと「上杉輝虎(うえすぎてるとら)」は、戦国時代の越後国の大名です。山内上杉家16代当主という名家の当主で、関東管領(かんとうかんれい)という役職を足利幕府から与えられていました。

よく聞く「謙信」は出家した際に与えられた名前で、「輝虎」が俗世での最後に名乗っていた名前なのでどちらも間違いではありません。ですが今回は耳になじんだ「謙信」で紹介します。

上杉謙信の武将としての力

上杉謙信は戦国武将として特に戦に強いことで有名で、自分で軍を率いた際の負けは生涯に二度しかありません。しかも70回ほど戦っての2敗です。なんと敗率2.9%です!!圧倒的強さですね!!

ただここで勝ちで数字を出していないのがミソで、勝率は97.1%ではありません。勝率は62.3%ほどになります。勝率も十分高いのですが、勝率と敗率の数字のズレにはわけがあります。上杉謙信率いる上杉軍、実は引き分けや決着がうやむやのまま戦を終えていることが多いです。その数24回にもなります。これは和睦を結び引き分けになることや双方痛み分けでお互いに撤退することもあったからだそうです。

特に有名なのが「武田信玄との川中島合戦」ですが、なんと都合五度戦い、一次川中島合戦で上杉謙信が勝利したの以外の四回は引き分けになります。このように49歳で亡くなるまでに80回近くの合戦に挑んできた猛将が上杉謙信です。

この戦国時代は圧倒的に男性社会でした。残念なことに女性が活躍した場というのは数も限られてしまいます。ですので一般的に考えてここまで戦場で活躍した人物となるとどうしても男性だと思ってしまいますし、肖像画や像で見る上杉謙信の姿も実際男性です。そんな上杉謙信が女性だといわれても簡単には信じられませんが、女性説もなんとなく出てきた噂では決してありません。

生涯不犯(しょうがいふぼん)とは

上杉謙信は最初に紹介した通り、関東管領を代々受け継ぐ名家の当主です。そのため戦や政治だけではなく血を残すこともまた重要な使命となっています。しかし上杉謙信は「生涯不犯」、異性と肉体関係を一生涯持たない事、妻帯もしないことを誓っていました。

これでは上杉家の血が途絶え、一族としては困ってしまいます。上杉謙信が結婚をしたくてもできない事情があったのではと考えられ、それが「上杉謙信女性説の根拠の一つ」となったのです。




肖像画がおかしい?自身の肖像画から疑念を抱かれた上杉謙信

出典:wikipedia.org

今伝わる肖像画は江戸時代に入ってから描かれた

上杉謙信の肖像画と聞かれたら、一番最初に思い付くどんな絵でしょうか?頭に頭巾、鼠色の法衣を着て無精ひげを生やした姿で右手に軍配を持つ。そんな上にある姿ではないでしょうか?

この肖像画が実は「上杉謙信女性説の根拠の一つ」となっています。なぜ中年男性が描かれた絵が女性説に?と思われるかと思います。勇ましく、凛々しく描かれるべき肖像画で無精ひげは実際異様です。一般的な戦国武将はひげが無い、もしくは綺麗に蓄えたひげを描かれています。

それなのになぜ戦国最強とまで言われた上杉謙信が小汚い格好で描かれるのでしょうか。これは本来女性だった上杉謙信を男です!と強調するために江戸時代に入ってから描かれたためという考えが上杉謙信女性論の中ではされています。実際に上杉家の菩提寺でもある林泉寺に所蔵されている肖像画ではひげは生えておらず、穏やかな雰囲気の人物として書かれているそうです。

趣味が女性的?過ぎて怪しまれた上杉謙信

愛読書は恋愛物語

上杉謙信は武勇だけではなく教養も磨かれた人物でした。そんな教養の一環として源氏物語や伊勢物語を嗜むということも含まれていました。恋愛ものである源氏物語や伊勢物語を嗜むのはおかしくありません。歌会や女生徒の交際に際しても実際使われる事ですので知っておくのは当然のことでした。

上杉謙信は源氏物語を嗜むという程度ではなく、かなり深く愛好家だったようです。親交のあった織田信長から「源氏物語屏風」を贈られ非常に喜んだという話も残っています。しかしこの屏風、本来男性から女性に贈るものだそうです。このように恋愛物語に熱心なこと、「源氏物語屏風」を贈られて喜んでいたこともまた「上杉謙信女性説の根拠の一つ」となっています。

恋歌詠むのが得意

上杉謙信は本領の春日山城で歌会を催すなど、歌道にも熱心だったそうです。当時一番の和歌の名人とされていた「細川幽斎(ほそかわゆうさい)」から和歌口伝一巻を贈られたこともあったそうです。そんな上杉謙信が上洛した際に歌会が催され、その会で詠んだ和歌が絶賛されたそうです。その歌の内容は恋歌だったとされています。その時に詠んだものではありませんが、上杉謙信が詠んだ恋歌は現在も残されていますので紹介します。

つらかりし 人こそあらめ祈るとて 神にもつくすわかこころかな


この歌の題名は「祈恋」。歌の内容は「あの人を想うだけでつらい。しかしどれだけ祈ろうともすでに私の心は神に捧げている。」という切ない恋の歌ともされています。こういった切ない恋を読むのが得意とされたことが「上杉謙信女性説の根拠の一つ」となったようです。

上杉神社に残る衣装がまるで女性の着物

戦国武将が着ていた服というとドラマで見かけるような「肩衣(かたぎぬ)」「直垂(ひたたれ)」「胴服(どうぶく)」と呼ばれるものになります。現在上杉謙信が着用していたとされる「胴服」が遺されています。「紅地雪持柳桐文平絹胴服(べにじゆきもちやなぎとうもんへいけんどうふく)」「金銀襴緞子等縫合胴服(きんぎんらんどすとうぬいあわせどうふく)」というこの二品は実にきらびやかな衣装となっており、特に「紅地雪持柳桐文平絹胴服」は女性ものと言われたら信じてしまうデザインとなっています。そこから転じて本来女性である上杉謙信が、服装はせめて好みのものを着たいと考えてこのような女性的な服を用意したと考えられ「上杉謙信女性説の根拠の一つ」となったようです。

美少年が好きすぎる上杉謙信

イケメンに贔屓したがる上杉謙信

上杉謙信は女性を傍にいさせることはありませんでしたが、男性は別で、優秀な美少年を特にかわいがったそうです。実際、大河ドラマにもなり有名な「直江兼続(なおえかねつぐ)」は顔立ちが整っていたことで有名で、上杉謙信からの寵愛を一心に受けていました。また上杉謙信の後継者候補の一人として関東の北条家から養子に来た人物が眉目秀麗だったこともあり大いに気に入り、自分の俗世での初名でもある「景虎」の名を与え「上杉景虎(うえすぎかげとら)」と名乗らせました。

京都で美少年集団と酒と楽しむ

美少年が好きとわかる逸話をひとつ紹介します。上杉謙信は1559(永禄2)年、人生二度目の上洛をしています。これは当時の征夷大将軍「足利義輝」の求めに応じての上洛でした。この時、上杉謙信は後奈良天皇に拝謁。関東管領・上杉憲政の補佐を命じられた他に当時悩まされていた武田信玄との争いについても信濃出兵の名分を得られましたので、非常に実りの多い上洛でした。この上洛の際、関白の「近衛前嗣(このえさきつぐ)」達と酒の宴席をたびたび設けていたそうです。ですが、その酒の宴の内容が肝心です。そ「きやもしなる若衆数多あつめ候て、大酒まてにて度々夜をあかし」と「近衛前嗣」はその時の様子を残しています。「美少年をたくさん集めて毎晩酒を飲んで過ごした」といった内容です。上洛に際して上杉謙信が美少年をたくさん集めた、もしくは越後から同行させたのでしょう。上杉謙信は酒が好きなことでも有名ですので、美少年と酒とが一緒に楽しめると相当楽しい日々を京で過ごしたようです。このような過剰なまでに若く顔のいい男性を好んだという話と結婚はしないという上杉謙信の二面性が、男性が好きなのは上杉謙信が女性ならば普通と考えられ「上杉謙信女性説の根拠の一つ」となったようです。

まとめ

最初にこの上杉謙信女性説を考えたのは小説家「八切止夫(やぎりとめお)」という人物です。彼は「八切史観」と自称した独自の歴史観を持つ作家でした。そんな彼がゴンザレスという人物がスペイン王「フェリペ2世」に宛てた報告書の中で「上杉景勝は叔母が開発した佐渡の金を持っている」と記されている書物を見つけたそうです。「上杉景勝」とは上杉謙信の後継者で、上杉謙信の姉の子、すなわち甥でもありました。ですが上杉景勝に叔母はおらず、母の兄弟は上杉謙信だけでした。その為、この叔母というのは上杉謙信に当たる。すなわち上杉謙信は実は女だったのではと「八切止夫」が考えたのがこの上杉謙信女性説です。ですがこの説は現在否定されています。論拠を裏付ける信用できる一次資料が一つも無いので実証性が乏しいというのが原因です。しかし人間面白いもので、結論ありきで考えると女性説になりうる話がいくつも出てきています。今回紹介したものもそうです。なので数十年後には今よりたくさん女性説の話が増えているかもしれませんね!

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出典:wikipedia.org(上杉謙信)

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