「デニム」と「ジーンズ」は別物?その違いやそれぞれの由来とは

日常的に身に着けられる「デニム」と「ジーンズ」。
この2つは同一視されることもありますが・・・、実は別物です。
しかも、明確な違いがあるのです。

そこでここでは、「デニム」と「ジーンズ」の違いやそれぞれの呼び名の由来などを解説します。

デニムとジーンズの違い

似て非なる存在のデニムとジーンズ。
その違いは、「生地」を指すか「ズボン・パンツそのもの」を指すかです。

デニムは生地を指す言葉

 

「デニム」は厚手の丈夫な綿布を指す言葉。
もともとデニム生地で作られたパンツを「デニムパンツ」と呼んでいたことから、デニムパンツそのものを「デニム」と呼ぶことが増えたんです。

ジーンズはパンツを指す言葉

 

一方、ジーンズはデニム生地などの厚手の織物生地で作られたパンツ(ズボン)そのものを指す言葉です。

「デニム」と「ジーンズ」それぞれの由来

 

「デニム」と「ジーンズ」、それぞれの名称の由来について見ていきましょう。

「デニム」の由来

「デニム」という名称は、フランス語に由来します。
フランスのニーム地方で織られたサージ生地を指す「Serge de Nimes(セルジュ・ドゥ・ニーム)」という言葉の「ドゥ・ニーム」が変化して「デニム」と呼ばれるようになったのです。

「ジーンズ」の由来

「ジーンズ」という名称は、セルジュ・ドゥ・ニームが生産されていたイタリアのジェノヴァから来ています。
当時、ジェノヴァは中世フランス語では「Gêne(ジェーヌ)」と呼ばれていました。
この「Gêne(ジェーヌ)」が、後にアメリカで英語風に「Jean(ジーン)」と呼ばれるようになりました。

英語では、足に身をつけるものは複数形にするという考えがあります。
靴をあらわす「shoes」や靴下を指す「socks」もそうです。
そして、これは「Jean」にも適用され、「Jeans(ジーンズ)」になったのです。

「ジーパン」の由来

ちなみに、「ジーパン(Gパン)」は和製英語。
「ジーンズの生地で作られたパンツ」の略称として生まれました。

世代で呼び名が分かれる?

 

ほとんど同じものを指す「ジーパン」「ジーンズ」「デニム」ですが、皆さんは普段どの呼び方を使っていますか?
どうやら世代によって呼び方が変わるようです。

「ジーパン」は古くからある呼び方

「ジーパン」という呼称は、古くから使われてきました。
上で説明した由来のほか、戦後のアメリカ陸軍兵士を指す「G.I.」という言葉が由来である(G.I.が着ているパンツ=Gパン)という説もあるぐらいなので、戦中・戦後生まれの方も使う言い回しのようです。

また、「ジーパン」といえばあの大ヒットドラマの「太陽にほえろ」で松田優作が演じた「ジーパン刑事」を思い出す人も多いでしょう。
ジーパンが殉職したのが1974年なので、約半世紀前の事です!

世界でも通じる「ジーンズ」

「ジーンズ」という呼び方は、幅広い世代が使う呼び方ともいえます。
英語由来なので、海外でも通じる呼び方です。

「デニム」は新しい呼び方

「デニム」という呼称は、「ジーパン」や「ジーンズ」という従来の呼称をオシャレな言い回しにしたものとして生まれたと考えられています。
「チョッキ」に対する「ジレ」という言い回しと同じです。

「デニムパンツ」の略として受け止めることもできますが、「デニム」は素材を指す言葉なので、「ジーンズ」や「ジーパン」のようにパンツだけを指す言葉ではありません。
デニムのスカートもデニムのジャケットも「デニム」なので、場合によっては補足が必要かもしれませんね。

まとめ

 

「デニム」と「ジーンズ」の違い。
それは明確で、「デニム」は生地、「ジーンズ」がズボン・パンツとなっています。

本来は生地を指す「デニム」でしたが、「デニムパンツ」の略ともいえる言い回しとなったので、ジーンズと同じ存在を指すようにもなりました。

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