首の長~い動物「ジェレヌク」とはキリン?シカ?いいえウシの仲間です!

長い首と小さな頭部をし、まるでモデルのようなスタイルをした動物のジェレヌク。
キリンの仲間のようですが実はウシの仲間だったり、モデルのような外見からは想像つかない食事姿を見せたりと意外な生態をしていましたのでご紹介します。

ジェレヌクの生息域と特徴

 

ジェレヌクは、キリンのように長い首を持ち、オスはシカのように大きな角を持っています。

ジェレヌクは牛の仲間

キリンとシカの特徴を持っているジェレヌクですが、実際は牛の仲間です。
実際「ウシ科ジェレヌク属」に分類されています。

キリンは「キリン科」、シカは「シカ科」なので遺伝子的に似た生き物というわけでもありません。
しかし、その見た目から別名では「キリンレイヨウ」「キリンカモシカ」「ジラフアンテロープ」といったキリンに関わる名前が多く付けられています。

昔の人はキリンの仲間だと思っていた?名前の由来はキリンにあり!!

ジェレヌクの名前は英名の「Gerenuk」をそのままカタカナにした名前です。
アフリカ大陸東部のソマリ族が話すソマリ語で「キリンの首」を意味します。

ジェレヌクの生息域

ジェレヌクはアフリカ大陸のケニア・タンザニア・ソマリアとエチオピア・ジブチになります。
より南のケニア・タンザニア・ソマリア南部に分布しているのがミナミジュレヌク、それより北に位置するエチオピア・ジブチ・ソマリア北部に生息しているのはキタジュレヌクという種になります。

二種とも茂みがある乾燥した草原やサバンナ、半砂漠化した土地に生息しており、つがいか5頭程度の小規模の群れで暮らしています。

ジェレヌクの特徴

ジェレヌクの体の大きさ

ジェレヌクは肩高80~100cm、体重は30~50kgほどの大きさです。
ただ肩の高さからは長い首とその上に乗っている小さな頭があり体高は140~160cmほどになります。

ジェレヌクの体色

背は濃い赤褐色、体の側面から足さらに首や頭部といった体の大部分を黄褐色、腹部や後脚の内側は白の毛をしています。
他にも口元や大きな目の周り、大きな耳の付け根も白い毛になっています。

ジェレヌクのオスに生える大きな角

 

オスだけにゆるやかなS字を描いた大きな角が生えます。その角は20~45cmほどまで伸び、ジェレヌクの小さな頭部よりも長く見えるほどです。

ジェレヌクの面白い生態

食事している姿が面白い

ジェレヌクは植物食の生き物です。
野生の場合、アカシアなどの木の葉や芽、花に果実そして枝を好んで食べます。
草ではなく木の葉など木に生えているものを食べるために、ジェレヌクは長い首に進化しました。

しかし、ジェレヌクの長い首でも届かないところに木の葉は生えていますし、届く範囲だけのものは食べつくしてしまいます。
その為、より木の高いところに生えている葉や芽、実を食べるためにジェレヌクは後脚だけで立ち上がります。


出典:wikipedia.org

 

前足で木の枝などにつかまって木の葉などを食べる姿は、他の動物ではなかなか見ることのできない姿です。

また、ジェレヌクは乾燥地帯やサバンナに住んでいるため、水を直接飲むことは無く、水分は木の葉や木の実から摂取しているそうです。

長い首は食事以外にも役立つ

ジェレヌクの長い首は、木の葉を食べる以外にももちろん使われています。
長い首を持っていることからより遠くを見渡せますので、大きな耳と併せて、自分を捕食しようとする天敵の存在にいち早く気付けます。

そのため、より早いタイミングで逃げることができるのですが、残念ながらジェレヌクはガゼルなどの他のサバンナに住む草食動物ほど足が速くないため、逃げ切れずに追いつかれることもあるそうです。

残念ながら日本にはジェレヌクはいない

 

長い首と大きい耳、オスの持つ大きな角が特徴のジェレヌクですが、残念ながら現在日本の動物園では飼育されていません。
その為、後脚で立って食事する姿を見るにはサバンナに行くしかないようです。

もしくは外国の動物園に行くという手段もあります。
カリフォルニア州にあるサン・ディエゴ動物園でジェレヌクは飼育されているようです。

サン・ディエゴ動物園で飼育されているジェレヌクの動画はこちら

まとめ

ジェレヌクは、キリンのような長い首とシカのような角、大きな耳を持った個性豊かな生き物です。
長い首や後ろ脚で立って木の高い箇所まで食べるのは、サバンナの他の動物と主食が被らずにより確実に食事をできるように進化した結果ともいわれています。

現在日本ではその姿を見ることはできませんが、サバンナの雄大な大地で食事を楽しむジェレヌクの姿を直接見てみたいものですね!

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