かわいい「ケープハイラックス」はモルモットの仲間?いいえゾウの仲間です!

短い耳のウサギにも、モルモットの一種にも見えるかわいいケープハイラックス。
実はゾウに近い生き物と考えられています。

また、そのかわいらしさからペットにしたい、飼いたい!と思われる方も多いと思いますので、ケープハイラックスの生態や特徴、そして飼育ができるか否か、日本の動物園でその姿を見られるかを確認していきましょう。

ケープハイラックス

 

ケープハイラックスはハイラックス目の生き物ですが、生息域やその姿からイワダヌキ目とも呼ばれています。
成獣は体長30~60cm、体高が20~30cm。体重は3~4kgほどになり、小さな頭部、大きな胴体、短い四肢をしています。

ケープハイラックスはゾウの仲間

ケープハイラックスは一時「原始的な齧歯類」と考えられていました。
しかし調査の結果「原始的な有蹄動物」という事が判明しました。
ゾウの足と構造が同じで、足底全体を地面に付ける構造をしています。
このことから、ゾウに近い生き物ということが判明しました。

ケープハイラックスの生息域

約500万年前~250年前の鮮新世の時代にはハイラックスの仲間はヨーロッパの南部から中国までの広域に生息していたと考えられています。
現在ではその生息域はアフリカ大陸の中央部と南部、そして中東の一部沿岸に生息域を変えています。

ケープハイラックスの生態

ここからは、ケープハイラックスがどのようにして生きているのかを見ていきましょう。

ケープハイラックスの食事

ケープハイラックスは、地面に生えている草や背の低い木の葉を主食としています。
他にも花や植物の実を食べることもあります。

ケープハイラックスの群れ

ケープハイラックスは群れを作って行動します。
通常はオス一頭に対して複数頭のメス、そしてそのこども達という2~20匹の群れを作ります。

この群れがいくつか固まって80頭にもなる巨大な群れを作ることもあるそうです。

ケープハイラックスの住処

大規模な群れを作るケープハイラックスですが、地面を掘り巣をつくることができません。
そのため生息地の岩場の切れ目や、ツチブタなど他の生き物が地面を掘って作った古巣を再利用して住処としています。

特に岩場は、捕食してくるヒョウやジャッカル、マングースに蛇、そして猛禽類といった天敵から身を隠す場所が豊富なため、武器を持っていないケープハイラックスにとっては格好の住処になっています。

ケープハイラックスの特徴

 

垂直な崖も登る

 

ケープハイラックスの足裏には柔らかく弾力性の高い肉球があり、その肉球は常に湿っています。
柔軟性、弾力性、湿気が組み合わさった肉球は粘着力のある吸盤のような効果が出ます。

この肉球を用いてケープハイラックスは垂直に近い崖を登ることができます。
岩場や岩山の天敵が来れない場所で休息できるため、ケープハイラックスとしては安全に休息ができる場所になっているようです。

ひなたぼっこ大好きな

 

ケープハイラックスは、原始的なほ乳類ということもあり、体温調整が苦手な生き物です。
そのため日中の多くの時間はひなたぼっこをして体を温めて過ごしています。
逆に日が出ていない場合は、群れの仲間で体を寄せ合って体を温めるのだとか。

暑い場合は、日陰に行って少しでも体温が下がるように涼んでいるそうです。

ケープハイラックスの歯

ケープハイラックスの上あごの門歯は、生涯伸び続ける牙をしています。
その事も一時はげっ歯類と考えられていた根拠になっていました。

しかし、下門歯が途中で成長が止まるのはげっ歯類とは違う特徴となります。
この鋭い牙で天敵に攻撃することは無く、ケープハイラックスが仲間同士での争いの時にのみ使われるそうです。

日本で飼育されているケープハイラックス

 

ケープハイラックスはペット飼育が禁止されている生き物では無いので飼うことはできます。
しかし、ケープハイラックスの飼育方法は確立されていませんし、なによりケープハイラックスを診断できる獣医師は多くはいません。
飼育をはじめるにはハードルが高い生き物になります。

難易度の高い個人での飼育よりも、すでに飼育されている日本の動物園で観察をしてみてください。

動物園にいるケープハイラックス

2022年12月現在、日本では全国10以上の動物園でケープハイラックスは飼育されています。

ここでは、ケープハイラックスを飼育している動物園をいくつか紹介します。

広島県にある「福山市立動物園」の寝室で食事中の投稿。

 

飼育員さんしか見られない姿を見られることもあるので、SNSに投稿してもらえているのは嬉しいものですね!!

長崎にある「長崎バイオパーク」では、冬に温熱マットの上でケープハイラックス達が身を寄せ合っている姿が見られることもあるようです。

「富士サファリパーク」や「長崎バイオパーク」をはじめ、日本の動物園ではケープハイラックスの繁殖に成功しています。

岩手県にある「盛岡市動物公園」のような想定外の姿を見せてもらえることが他の動物園でも起きるかもしれませんね!

まとめ

ケープハイラックスはモルモットに似ている、原始的なげっ歯類の仲間だと考えられていましたが、実際はゾウに近しいという不思議な生き物でした。
かわいらしい姿をしていますが、天敵の多い生息地で他の動物が登れないような岩山の中腹で休むなど独自の生き方をして今日まで生き抜いてきた強い生き物です。

ペットとして飼育するのは難しいですが、動物園で飼育されていますし、赤ちゃんがたくさん生まれたこともあるようなので、一度かわいい姿を見に行きたいですね!

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