
山菜の定番とも言える「ぜんまい」と「わらび」。
では、両者はどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、「ぜんまい」と「わらび」にどのような違いがあるのかを解説します。
目次
「ぜんまい」と「わらび」の違い
どちらも先端がぐるりも回っているのが「ぜんまい」と「わらび」。
特徴にはどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
見た目の違い
ここからは見た目の違いを紹介します。
ぜんまい

ぜんまいの見た目はアンモナイトのような渦巻き状の芽が1つあります。
ぐるぐると渦巻き状に先端が丸まっているため、一目で判断することができます。
色は深い緑色か茶色のものがあり、毛が生えているものもあります。
薄い毛は触ると柔らかいですが、すぐに抜けてしまうので触れる際には軍手などがあると良いです。
わらび

わらびの見た目は人間のグーのような小さな芽が3つあります。
形状は渦巻き状に近いですが、先端が3つの方向に分かれています。
また、色は緑色と紫色のものがあります。
美味しいのはどちらかというと、多くの人は紫色の方だと答えますね。
採取できる場所の違い
ここからは採取できる場所の違いを紹介します。
ぜんまい
ぜんまいは、日陰で湿気に満ちた場所に生えていることが多いです。
岩や木によって影になっているところを探すと見つけられることが多いですね。
わらび
わらびは、日当たりが良くて乾燥した場所に生えています。
太陽を浴びることで急激に成長するため、見つけやすいです。
まずは光が当たる開けた場所を探すのがコツですね。
旬が少し違う
ここからは旬の違いについて紹介します。
ぜんまいの旬
ぜんまいの旬は3月中旬~6月上旬までとなっています。
春の終わりから夏の始まり頃に一気に成長します。
わらびの旬
わらびの旬は4月中旬~6月上旬ごろです。
暖かくなってくる初夏に多く採取できます。
似たような山菜「こごみ」

ぜんまいとわらびはとても似ていて間違うことも多いですが、その他にも「こごみ」という植物もそっくりだったりします。
そこで、ここからはこごみの特徴についてご紹介します。
わらびやぜんまいより簡単に採取可能
「こごみ」はぜんまいやわらびよりも茎に小さな葉が密集しており、開いてくるとシダ科植物特有の葉になります。
その葉は鮮やかな緑色か黄緑色のことがほとんど。
旬は3月上旬~5月上旬までとなっているので、ぜんまいやわらびの時期とも被っています。
こごみは水が流れている場所に多く生息しています。
ぜんまいやわらびは比較的少数だったり単体だったりすることが多いですが、こごみは密集しています。
そのため、他の山菜よりも簡単にたくさん採取できるという面があります。
下処理なしで調理は簡単
こごみはあくが少ないので、下処理なしで調理も簡単です。
渋さがそこまでないので、ぜんまいやわらびに比べると食べやすい山菜となります。
「ぜんまい」「わらび」は下処理しないと食べられないよ!

ぜんまいやわらびは下処理しないと食べられません。
ここからはそれぞれ調理の際に知っておきたいことを解説します。
ぜんまいはアクが強い
ぜんまいはアク抜きと揉んで乾燥させることを繰り返す必要があります。
そうしないと強いアクが抜けず、不十分だと渋さを感じてしまうことがあります。
また、アク抜き後はすぐには食べられないので、調理にも時間がかかってしまいます。
少し癖のある山菜と言われるのは、そういう点にあるのです。
わらびは毒もあるのでアク抜き必須!
わらびもアク抜き必須です。
なぜアク抜きが必要なのかと言えば、それはプタキロサイドという微量の発がん物質を含んでいるためです。
これは身体にとって毒です。
ただ、アク抜き後はすぐに食べられます。
日本では煮物に入れたり味噌汁に入れたり、食べ方もアレンジ次第となっています。
「ぜんまい」「わらび」の豆知識

ぜんまいやわらびには知っておきたいことも多々あります。
ここからは、それらの豆知識をご紹介します。
わらび中毒に注意
わらび中毒というものを知っているでしょうか。
これは牛や馬や羊などの家畜に発生する中毒であり、わらびを食べすぎてしまうことで発症します。
1960年代に報告され、急性わらび中毒症として発見されました。
症状としては白血球や血小板の減少や出血などの骨髄障害、慢性血尿症などがあり、家畜被害大きいです。
わらび餅との関連
わらび餅はわらびの根から抽出されたでんぷんのわらび粉を原料として使用されていたことから名付けられました。
和菓子の定番ですが、実はもともとわらびからできていたのです。
ゼンマイ仕掛けのぜんまい
ゼンマイ仕掛けという言葉がありますが、これはゼンマイバネの形が山菜のゼンマイに似てたから名付けられました。
ゼンマイ仕掛けの時計やゼンマイ仕掛けのカラクリなども同様ですね。
まとめ
ぜんまいとわらび、さらにはこごみなど山菜には似ているものも多いです。
しかし、生息域や旬となる時期にそれぞれ違いもありますよ。