【ホゲット】羊肉にはラムとマトンの間に「ホゲット」と呼ばれる肉があるということを知っていますか?

羊の肉は牛肉や豚肉、鶏肉に比べると国内での流通量も少ないことから、あまり口にする頻度は高くないかもしれません。
とはいえ、ジンギスカンは北海道を始めとしたローカルフードとして知られるようになりましたし、ラムチョップやマトンカレーなどの食べ方もすっかり知られるようになりました。

そんな羊肉はラムと呼ばれるものとマトンと呼ばれるものがあります。
さらには、ホゲットと呼ばれるものもあるんです。

そこでここでは、「ラム」や「マトン」そして「ホゲット」の違いについて解説します。

ホゲットとは

ラムとマトンは、乳歯の数や生後の年数で区別されるのが一般的です。
そして、ホゲットもそれと同じなのです。

ラムとマトンの中間

ホゲットは、ラムとマトンの中間ともいえる存在です。
仔羊でも成羊でもない中間の羊のことを意味します。

国によって区別の仕方が異なることからマトンとしてまとめられることもあります。
その意味合いとしては、マトンに成長するまでの前段階的存在と言えるでしょう。

定義の方法は乳歯で決まる?

 

基本は生後何ヶ月~何年という基準で判断するのですが、厳密には永久歯の中でも門歯の有無によって区別されます。
しかし、その区別は国際的に定められているのではなく、国によって変わってきます。
とはいえ、主に生後の年数と歯の数で判断されています。

ラム

ラムは、生後1年未満の子羊肉です。
この1年未満というのも国によってはさらに細分化されていることもあり、数ヶ月単位で区別されることもあります。

また、ラムは永久歯が生えていないのも特徴となります。
永久歯がまだ生え揃う前に出荷されるため、歯の本数によって判断されることも多々あります。

肉質はかなり柔らかく、筋も少ないのでソフトな食感となります。

マトン

マトンは、2歳以上の成羊肉です。
成長して体格が大きくなった個体は、その多くがマトンとして分類されます。
国によっては、ラム以外はすべてマトンと区別することもあります。

2本以上永久歯が生えており、成長段階によって区別されます。
ただし、厳密に歯の数を確認するというわけではなく、おおよその年数で判断することが多いです。

脂肪は多いものの肉質はやや硬く、歯応えがある事もあります。
基本的にはラムよりも安価となります。

ホゲット

ホゲットは生後1年以上2年未満の羊肉です。
ラムとマトン、両者の中間の肉と言えます。

程よく成長しつつも、成長しきっていない絶妙な時期です。

生えている永久歯が2本未満かどうかで判断されます。
しかし、個体によっては歯が欠けていたり成長途中だったりするため、判断が曖昧なこともあります。

味の違いは?

 

羊肉は癖が強い肉と言われることもありますが、それぞれの肉ごとで味わいも変わってきます。
ここからはそれぞれの違いについて紹介します。

ラム

ラムはまだ未熟な状態ということもあって、臭みが少なく柔らかい肉となります。
味は甘味が若干ながら強く、口の中で肉本来の旨味を感じることができます。

そこまで咀嚼しなくても唾液だけで脂がとろけるため、口の中に上品な甘みが広がるわけです。
調理方法によって味にも深みが出る貴重な肉と言えます。

マトン

マトンは脂肪が多くて旨味が強いのが特徴です。
若干の臭みがあるものの、それが逆に癖になるという人もいるほど。
北海道のジンギスカンではあえてマトンを出すところもあります。

脂身にコクがあることもあって、口の中に入れた瞬間に旨味が爆発します。

ホゲット

ホゲットは、ラムとマトンの良いところを両方持ち合わせている肉です。
甘味がありながらも旨味が凝縮しており、口に溶けた時の味わいは他の肉よりも強いです。

肉質が硬くなる一歩手前ということもあり、口の中ですぐに解けてしまう絶妙な味わいとなっています。

分け方は国によっても異なる

 

ホゲットとして羊肉を流通させるのは主に羊肉で有名なオセアニア地域になりますが、その分類は国によって違ってきます。
羊肉は成長段階によって名称が変わってくるので、ここからは国ごとの違いも併せて見ていきましょう。

ニュージーランド

羊で特に有名な国がニュージーランドですよね!
ニュージーランドでは、人よりも羊の方が多いと言われています。

このニュージーランド産のラムは生後4か月~6ヶ月で出荷されることが多いです。

ホゲットは、「永久門歯が1から2本の雌または去勢された雄の羊」という定義があるそうです。
さらに生後の年月を細分化して分ける他、体重などでも分けることがあります。

ラムの中でも母乳だけで育てている種類もあるなど、かなり細かな区別をする国と言えますね。

オーストラリア

オーストラリア産のラムは、生後6ヶ月~8カ月で出荷されたものとなるのが一般的です。
ロースの芯が太いメリノ種が日本でも人気となっています。

ラムに関する分類はニュージーランドより厳密で、永久歯の数が0本の子羊のみ(ニュージーランドの場合は永久歯があっても摩耗して無くなっていればOK)がラム肉とされます。

その他の定義

アメリカ産だと生後8ヶ月で出荷するものが多く、こちらもラム肉として市場に出回っています。
ただし、穀物飼育していて最大限に大きく育てることもあり、各部位が大きいマトン肉も出回っています。

フランス産のものは最高峰のラム肉として知られ、人気を博しています。
潮風で育つ牧草を食べることで芳醇な味わいになることで知られ、時期を見極めて最高の状態のまま出荷されます。

価格について

高価な順に「ラム>ホゲット>マトン」となる傾向にあります。
ラムは子羊の肉ということもあり、流通する量も少なくなりますし、柔らかさや匂いなど肉質もラムのほうがいいとされる傾向にあることからラムが高価に、逆に成長して部位が大きくなるマトンのほうが安価となるのです。

日本でホゲットを見分けるのは困難?

 

日本国内で、ホゲットに絞って食べようというのは難しくなります。
ホゲットに関しては、厳密に定義があるわけでもありませんから、区別されていないことも多いのです。

輸入の際にマトンに分類されてしまう

日本ではオーストラリア産やニュージランド産の羊肉を輸入していますが、ホゲットであってもマトンに分類されてしまうことが多いです。
そのため、マトンとホゲットが混合した状態で入ってくることになります。

仕入れの段階ではもう判断することはできないため、日本ではホゲットを区別する文化があまりありません。

お店によってはホゲットを出すお店も

自分で見分けて買うのは困難なのですが、お店によっては独自にホゲットを仕入れて提供しているところもあります。
ラムとマトンの良いところを両方持っているハイブリット肉だからこそ、厳選して提供しているお店があるということなんですね。

まとめ

羊肉は、ラムやマトンが定番ですがその区別は生まれてからの期間や永久歯の本数です。
このラムとマトンの間の期間の肉として「ホゲット」というものがあります。

ラムとマトンのいいとこ取りをした、一種のハイブリット肉ともいえるのですが、日本ではマトンに分類されてしまうため見る機会は容易にはありません。

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