「セールスイネーブルメント」とはどんな意味のビジネス用語?営業力を強化する新しい考え方

ビジネス用語の「セールスイネーブルメント」。
何となく営業に関する最新の考え方なのかなという想像はつきますが、具体的にどんな意味がある言葉で、どんな施策等があるのか?

ここでは、ビジネスシーンで使われることもある「セールスイネーブルメント」について見ていきましょう。

セールスイネーブルメントとは

 

新しいビジネス用語「セールスイネーブルメント」とは、いったいどんな意味の言葉なのでしょうか?
この「セールスイネーブルメント」(Sales Enablement)という考え方はアメリカから入ってきた考え方です。

セールスイネーブルメンとは、どんな意味?

「セールスイネーブルメント」(Sales Enablement)の「イネーブルメント」(Enablement)には有効化という意味があります。
セールスに関しては皆さんがご存知の通りセールスマンのセールスですので、つまり企業の営業活動の強化や改善、最適・効率化というような意味合いになります。

「気合と根性でとにかく何をしてでも数字を上げろ!」といういわゆる体育会系な思考とは真逆の考え方です。

セールスイネーブルメントの効果とは?

「セールスイネーブルメント」では、具体的にはどのような効果が見込めるのでしょうか?

営業活動の情報の数値化

日本において営業活動は未だ個人のセンスや力量に依存する部分が大きいジャンルになっています。
「セールスイネーブルメント」では、営業活動の様々なデータを集積し数値化、その数値化されたデータを活用し、営業活動を効率化させることが出来るという効果が期待できます。

営業人員の教育

営業人員の教育に関する仕組み化を行う事で、営業人員の育成に関しても効率化を行う事も「セールスイネーブルメント」の効果と言われています。
効率的な教育を行う事で、営業人員全体のレベルの底上げし、更には営業人員のモチベーションの維持、離職率の低下にも効果が見込めます。

営業部署の透明化

様々なデータを数値化することにより、営業人員の評価などに関しても明確に行うことができます。
また、業務の効率化が行われることから、業務が明確になり、営業人員が何をすべきか、今何をやっているかがハッキリすることで、ブラックな環境を改善する効果も期待できます。

なぜセールスイネーブルメントが注目されるのか?

 

営業に効果をもたらすであろう「セールスイネーブルメント」ですが、なぜ今日本で注目されているのでしょうか?

働き方改革も後押し

アメリカでは当たり前の「セールスイネーブルメント」の考え方ですが、近年急速に日本でも浸透してきている背景には、働き方改革の影響も大きいと言われています。
限られた時間で最大限の成果をもたらすためには営業の効率化を行う「セールスイネーブルメント」が必須であるという考え方が浸透してきています。

今後更に注目

浸透してきたと言ってもまだまだ日本では馴染みのない方が多いです。
しかし、今後働き方に関しての考え方の変化を考えると、この「セールスイネーブルメント」という考え方は営業にとって必須の考えとなっていくことでしょう。

セールシイネーブルメントの具体的な方法は?

 

ここまで、「セールスイネーブルメント」の基本的な考え方や効果などをみてきましたが、実際具体的にはどのような施策があるのでしょうか?「
セールスイネーブルメント」の考え方を取り入れた具体的な施策をご紹介します。

気合と根性は禁止

まず、改めるべきは営業における考え方でしょう。
営業と言えば、気合と根性で、人一倍働き、他の営業社員を出し抜いてでも数字を取りに行くというような考え方が日本ではまだ横行していることがあります。
まずは、この考えを改めることが「セールスイネーブルメント」の第一歩かもしれません。

個人プレーではなく組織全体で数字と向き合い、より効率的に適材適所の考え方も大切ですね。
個人で営業成績を上げるよりも、みんなの力で全体の数字を上げる方が企業としても健全で、チームでの戦略が大切です。

専門部署や担当の配置

「セールスイネーブルメント」では、営業を行い数字を上げるのは営業人員だけで行うものではありません。
時には、「セールスイネーブルメント」専門の部署を置き、営業だけではなく、マーケティングや人事などの人材でチームを作ることで、より効率的な戦略を立て行動していきます。
こうすることで、より大きな成果を効率的に上げることを目指していきます。

ノウハウの共有

個々のやり方、自分流のやり方等をみんなで共有し、チーム全体で数字を上げる事を目標に営業活動を行います。

適切な評価

データを数値化することで、売上以外にもそれぞれの役目に応じた適切な評価を与えることができるようになります。

かつての営業では、直接営業成績を上げた者のみが評価さえるという事がよくありましたが、「セールスイネーブルメント」を導入することにより、売上獲得に至るまでのプロセスも定義化することができます。
適切な評価を与えることが出来、結果全体のモチベーションアップに繋げることも可能となります。

ツールの活用

 

そして、「セールスイネーブルメント」で最も重要と言っても過言ではないのが「セールスイネーブルメント」を実現するためのツールの活用です。
優れた戦略があったとしても、それを実現するための武器がなくては意味がありません。そこで注目されているのが「FSA」や「CRM」「MA」といったビジネスツールになります。

FSAとは

FSAとはSales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の略で、営業部隊に対する「営業支援」を意味します。
また、「営業の見える化」とも言われており、営業人員の個々の案件の進捗状況や、予定の管理、成績の達成率など様々な営業に関する情報を一元管理するとともに、全体で共有することで、チームで何に注力すべきか、ここの役割は何かを明確にし、営業活動を効率化する為のツールの事です。

現在では様々なSFAツールが提供されていますが、基本的には月額性のサブスクリプションタイプがほとんどです。
価格は幅広く1ユーザー数百円~数万円単位までと様々なツールが提供されています。

CRMとは

「CRM」とはCustomer Relationship Management (カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略で、日本では「顧客関係管理」や「顧客関係マネジメント」と呼ばれています。
サービスを購入してくれた顧客に対してのアプローチを行う事でリピート率を向上させたり、会社自体のファンを作ったり、細やかなアフターサービスによるクレームの低減などを目的とし、企業と顧客でwin-winの関係を築くためのツールになります。

こちらもFSAツールと同じく様々なものが提供されています。
価格もFSAと同じように幅広く、またFSA,CRM単体ではなく、一括して活用できるようなシステムとして公開されているサービスも多く見受けられます。

MAとは

「MA」とはMarketing Autmation(マーケティング・オートメーション)の略で、新規顧客の獲得の為に行うマーケティングに対する支援「マーケティング支援」や「マーケティングの見える化」というようなことを行う為のツールになります。
主に「見込み客の獲得」「見込み客の育成」「見込み客の選別」という3つのプロセスからなる考え方となっており、それらを行えるようなツールの事になります。

こちらのツールは上記2つとは少し異なり、ユーザーあたりではなく一つのサービスとして会社単位で契約という事が多くなります。
その為、価格も月額数万~数十万単位で導入するシステムとなります。
MAに関しては対象がB向けなのかC向けなのかにより選ぶシステムも変えた方が良いでしょう。

まとめ

「セールスイネーブルメント」という考え方は、今後益々注目され、ビジネスシーンでは当たり前の考え方になってくることが予想されます。
すでに多くの企業がその考えを取り入れ成績向上に一役買っています。
また、それに伴い「セールスイネーブルメント」の導入自体をビジネスとする企業も増えています。

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