海をゆったり泳ぐ「エイ」、その尾には毒針があるから要注意!

平べったい形で大きな体をしたエイは、腹側が笑ったように見えたり、ゆったりと泳ぐ様子から水族館では人気者の生き物ですよね。
大きな体をした海ののんびり屋さんに見えるエイですが、中には長く伸びた尾には強力な毒針を潜ませている種もいます。

その毒の力は強力で、刺されると最悪の場合は死に至るのだとか。実は危険な海の生き物、エイとその毒針について見ていきましょう。

日本近海に生息する「アカエイ」

 

一口にエイといっても世界中に多くの種類がおり、現在では500種以上が確認されています。
今回は日本近海で一番その数が多い「アカエイ」の生態や特徴を見ていきましょう。

アカエイの生息域

北限は北海道南部の海域から東南アジアまで、主に東アジアの沿岸部に生息しています。
南太平洋にあるフィジーやツバルといったオセアニアの海でもその姿が確認されたことがあるそうです。

アカエイの特徴

 

沿岸部など、主に浅い海の海底に生息しています。
基本的に遊泳していることはなく、海底にある砂に潜って目や噴水孔を砂の上に出して過ごしています。

アカエイの食性

アカエイは肉食性です。
アサリなどの貝類やイカやタコ、甲殻類に魚といった海底に住む生き物を捕食します。

アカエイの繁殖

アカエイは5月から8月にかけて、10匹ほど子供を生みます。
アカエイは一部のサメがそうであるように、卵を体内で育て、孵化した子供を産む「卵胎生」と呼ばれる種類の魚です。

最悪の場合死を招くエイの毒針

 

アカエイは浅瀬の海に生息していることもあり、海岸を歩いているとその姿を目撃することもあります。
また、投げ釣りなど河口域や浅瀬で釣りをしていると釣れてしまうこともあります。

この時に誤ってアカエイを踏んでしまったり、警戒して暴れるアカエイを取り押さえようとすることで、毒針に刺されることもあります。
この針に含まれた毒により死亡例も出ていますので、エイにはくれぐれを気を付けてください。

アカエイの尾に潜む毒針

 

アカエイもそうですが、エイの仲間は基本的に細長く、鞭のようにしなる尾があります。
この尾の中ほどに、ひときわ目立つ10cmほどの長い針があります。
これがエイの毒針です。

基本的にアカエイから人間を襲うようなことはないとされていますが、海岸で誤って踏んでしまったり、釣り上げてしまった時は話が違います。
この時ばかりは警戒して尾を振り回してきますので、毒針が刺さることもあります。

このアカエイの毒針は刺さった針傷自体も痛みに加え、そこから分泌される毒により数週間にも渡る激しい痛みを感じることがあります。
痛みの他にも失神やけいれん、嘔吐に下痢、発汗の症状が出るとされていますが、これらの症状には個人差があります。

アレルギー体質の場合は、最悪アナフィラキシーショックにより死亡することもありえるようです。

また、この毒針には一度刺さると抜けにくくなるノコギリ状の「返し」が付いていますので、刺された場合、簡単に抜くこともできません。

さらに、この毒はエイが死んでいても残るため、死んでいるからと不用意に触って、間違って針が刺さってしまった場合にも毒に苦しむことになります。

毒針が効かないアカエイの天敵

 

刺された場合、最悪死に至る毒を持つアカエイですが、その毒針をものともせずにアカエイを捕食する天敵が存在します。

それがシュモクザメ類を筆頭としたサメです。
特にシュモクザメには毒針による攻撃も効果が薄く、捕食されてしまうといいます。

エイに刺されてしまったら

注意していてもエイに刺されてしまう、そういうこともあると思います。
その際はなるべく早急に病院に行くしかありません。

エイの中には針に毒を持たない種もいますが、毒の有無を自分で判断せず早急に病院で診断してもらいましょう。

お湯をかけると痛みが和らぐともいわれていますが、アカエイの毒針の場合、最悪アレルギー症状で死に至るとされていますので、刺されてしまった場合は決して素人判断せず、直ちに医療機関にを受診してください。

まとめ

水族館では水槽の中をゆったり泳いでいるから平和そうに見えるエイですが、実は最悪死に至る強烈な毒針を持つ危険な海の生き物です。

基本的には自分から人間を襲ってくることはなく大人しい為、スキューバダイビングなどでも人気がありますが、非常に危険な毒針の存在は忘れないようにし、近付いてウォッチを楽しむにしても十分に気を付けてください。
万一針に刺されてしまったら、その時は早急に病院で処置をしてもらってください。

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