【日本三大名瀑・落差三大滝】日本が誇る荘厳な姿の滝をご紹介

sandaimeibaku

自然が豊富な日本には森林や川だけではなく、山の間に流れ落ちる荘厳な姿をした滝もたくさんあります。

その中でも特に評判が高い滝は名瀑(めいばく)と呼ばれ、多くの観光客が集まる絶景スポットにもなっています。

今回は、数ある日本の滝の中でも特に美しいといわれる「日本三大名瀑」と、「日本落差三大滝」と呼ばれる落差が大きい滝の上位3つをご紹介いたします。

三大名瀑①:華厳の滝【栃木県】

kegon

栃木県日光市にある「華厳の滝」は日光国立公園指定の滝であり、国指定の文化財「名勝」に選ばれています。「日光四十八滝」といわれるほど滝が多い日光ですが、その中でも一番有名な滝です。

特徴

中禅寺湖から大尻川へ流れ出た水が、落差97メートル、幅7メートルの華厳の滝をダイナミックに流れ落ちます。冬になると華厳の滝の下部から流れ出る細い小滝「十二滝」が凍り、幻想的な姿も見せてくれます。

華厳の滝エレベーターで100メートル下の観爆台へ降りると、滝壷を正面から見ることができます。間近で見る滝は迫力満点で言葉を失うほどですよ。

歴史

奈良時代から平安時代初期にかけての僧「勝道上人(しょうどうしょうにん)」が、日光を開山した際に発見し、仏教の経文のひとつ「華厳経」にあやかり「華厳の滝」と名付けられました。

今のような観光名所となったのは明治時代後期で、それまでは危険な岩場を這いながら木にしがみ付いて見ていたそうです。

【所在地】栃木県日光市中宮祠2479-2
http://kegon.jp/

三大名瀑②:那智の滝【和歌山県】

nachi

和歌山県那智川中流に掛かる「那智の滝」は、吉野熊野国立公園指定の滝で、世界遺産にも認定されました。

特徴

落差133メートル、幅13メートルの滝はほぼ垂直に落下しており、段瀑がない1段の滝としては落差日本一です。滝の落ち口にある岩の形状により、水の流れが三つに分かれて落ちることから「三筋の滝」とも呼ばれています。

滝の麓の熊野那智大社別宮「飛龍(ひろう)神社」の社務所から「御滝拝所」に入ると展望台があります。展望台から見る滝は迫力満点で、水しぶきが掛かるほど近い距離から鑑賞できるんですよ。

歴史

那智の滝そのものが、飛龍神社のご神体(神の姿)であり、滝の水は「延命長寿のお瀧水」として尊ばれています。ご神体となったのは、初代天皇である神武天皇が御祭神である大己貴神(大国主神)の姿として那智の滝を祀ったことが始まりでした。

長い歴史を持つ神社では、このように山や木などの自然をご神体としているのは珍しいことではありません。今は崩れてしまいましたが、かつては滝の岩壁に、千手観音の石仏が彫られていました。

上の画像にある朱色が美しい塔は、「那智山青岸渡寺(せいがんどじ)の三重の塔」です。滝を間近で見るのもいいですが、遠くから見ると三重の塔との調和した景色が素敵ですね。

【所在地】和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
https://www.nachikan.jp/kumano/nachi-no-taki/

三大名瀑③:袋田の滝【茨城県】

hukuroda

茨城県の観光名所である「袋田の滝」は別名「四度(よど)の滝」とも呼ばれており、奥久慈県立自然公園に指定されています。

袋田の滝の上流にある生瀬滝(なませたき)と合わせて名勝に選ばれました。さらに袋田の滝は、プロポーズに相応しい観光スポットとして「恋人の聖地」としても選定されています。

特徴

久慈川支流の滝川上流にある袋田の滝は、幅73メートル、高さ120メートルの大きさを誇ります。大きな岩壁を幾つもに分かれた白い水筋の流れ落ちる姿が美しい滝です。

袋田の滝を近くで鑑賞するには、第1観瀑台と第2観瀑台へ行くといいでしょう。第1観瀑台は、袋田の滝トンネル(長さ276メートル、幅4メートル)を5分ほど歩いた場所にあります。観瀑台は、4段の岩壁を流れ落ちる滝の、上から3段目の目の前にあります。美しい滝の流れを間近で見れますが、最上段は見えにくいかもしれません。

第2観瀑台へは、袋田の滝トンネルの途中にあるエレベーターで上がっていきます。第一観瀑台よりも高い位置にあるため、最上段を含めた滝全体を見ることができます。

歴史

「四度(よど)の滝」と呼ばれている理由は2つあります。

1つは、滝の流れが4段の岩壁を流れるという理由から。もう1つは、平安末期の歌人西行(さいぎょう)が「この滝は四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣は味わえない」と言い、四季ごとに違う表情が楽しめる滝だと絶賛したからです。

なんと、厳冬期には袋田の滝全体が凍結することもあるそうです。岩壁を水が流れ落ちる姿を鑑賞するのもいいですが、凍結している貴重な姿も見てみたいですね。

【所在地】茨城県久慈郡大子町袋田3-9
https://www.ibarakiguide.jp/db-kanko/fukuroda_falls.html

日本落差三大滝

rakusasandai

落差とは、滝の上から下までの差のことです。日本の滝の中で落差ランキング1~3位をご紹介いたします。

称名滝(しょうみょうだき)【富山県】

syomyo

富山県の「称名滝」の落差は350メートルで、日本一を誇る滝です。国の名勝、天然記念物に指定されています。

特徴

東京タワーよりも高い落差の称名滝は、4段滝で豪快に流れ落ちます。滝見台があり、近くで鑑賞することもできますよ。

春になると、飛騨山脈 立山連峰の雪解け水が流れ込み、称名滝の右側にハンノキ滝が流れ落ちるようになります。雪解けが多くさらに水量が増すと、ハンノキ滝だけではなく、小さな滝がいくつも現れる珍しい光景を見ることができます。

実はハンノキ滝の落差は500メートルで、称名滝よりも長いのです。しかし滝には「1年中水が流れている」という定義があることから、季節限定で現れるハンノキ滝は滝として見なされていないんですね。残念な気もしますが、落差1位がかかっているだけに審査が厳しいのかもしれません。

【所在地】富山県中新川郡立山町芦峅寺
https://www.info-toyama.com/spot/31003/

羽衣(はごろも)の滝【北海道】

hagoromo

北海道最大の落差を持つ「羽衣の滝」は落差270メートルの7段滝で、名勝に指定されています。

特徴

羽衣の滝は、流れ落ちるアイシポップ沢とポンアイシポップ沢が合流しひとつの滝になり、そこから7段に分かれて複雑な流れをしながら落下していきます。流れ出た水は忠別川(ちゅうべつがわ)を通り、石狩川へと流れていきます。

複雑な流れの様子が神秘的な滝は、滝見台から見ると全景を鑑賞することができます。滝見台は、トムラウシ山の登山道入り口から約1.5km登った場所にあります。(徒歩約1時間~1時間半)。急な山道になっている場所もありますので、登山をする気持ちで向かったほうがいいかもしれません。

歴史

かつては「夫婦滝」と呼ばれていましたが、大正7年に文豪 大町桂月(おおまちけいげつ)により「羽衣の滝」と名づけられました。大町桂月は7段に分かれて流れ落ちる水しぶきを見て、天女が羽衣を舞っている様子を連想し、大変感動したといわれています。

【所在地】北海道上川郡東川町松山温泉
http://www.welcome-higashikawa.jp/areaguide/tenninkyo/

中ノ滝【奈良県】

奈良県の「中ノ滝」は、250メートルの落差を持つ滝です。大きく分けると3段滝になりますが、いくつもの段を超えて東ノ川へ流れ落ちていきます。

特徴

奈良県吉野郡上北山村にある観光名所の森「大台ケ原」の駐車場から、徒歩85分で「中ノ滝」を下から鑑賞できる場所へたどり着きます。急な坂道や大岩を超え、赤や白のテープを目印に大自然の山中を歩いて向かいます。やっとの思いでたどり着いた中の滝は、まさに秘境の中にある絶景といえるでしょう。

【所在地】奈良県吉野郡上北山村大字小橡
http://vill.kamikitayama.nara.jp/kanko/miru/taki/

まとめ

taki

滝には癒しの効果があるといわれます。大自然の中で思いっきりリフレッシュしたいときには、名瀑を訪れてみてはいかがでしょうか。流れ落ちる水しぶきと一緒に、嫌なことや日々の疲れが洗い流されていくかもしれませんよ。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事