4月下旬〜5月上旬にかけて見頃を迎える藤の花。
この藤の花言葉は、「歓迎」「恋に酔う」「決して離れない」「優しい」「忠実」などの意味があります。
今回は、そんな女性を表す花としても知られる藤の花について解説します!
目次
藤とは?
滝のように下に垂れさがる紫の花々は、藤棚でしか見ることができない幻想的な美しさですよね。
そんな春に見頃を迎える藤の花について、まずはご紹介します!
特徴
藤にはつるが右巻きと左巻きの2種類があり、右巻きの藤は「フジ」「ノダフジ」、左巻きの藤は「ヤマフジ」「ノフジ」と呼ばれています。
つるは木に巻き付き、花序は長くしだれ20㎝~80㎝にもなります。
うすい紫色をしたその花は「藤色」と呼ばれる色名にもなっています。
そして藤の花はマメ科のため、他のマメ科の植物と同様、夜間になると葉をすぼめます。
開花時期
藤の花は、桜の見頃が終わった4月下旬~5月上旬に開花します。
5月中旬頃までが見頃となるので、全国各地にある藤棚の名所では多くの観光客が訪れます。
原産
藤の原産国は日本であり、日本古来の花です。
本州、九州、四国、沖縄など日本全国で藤の花を見ることができます。
観賞価値の高いつる性の花木である藤には、多くの園芸品種があり、現在では世界各地で植えられています。
藤を美しく鑑賞できる藤棚
藤を美しく観賞できる「藤棚」は日本各地にあります。
藤棚とは、藤のつるをはわせて垂れ下がる藤の花を観賞できるようにした棚のことで、公園や庭園など日光を遮るものがない場所に木、竹、鉄棒などで設置してあります。
藤棚は観賞目的だけでなく、木陰を作る目的でも設置されています。
開花時期には花が垂れ下がるように咲くのでとても幻想的です!
藤の名前の由来とされる2つの説
藤という花の名前がついた由来は2つの説があります。
1つ目は、中国の「シナフジ」から由来したというもの。
シナフジは漢字で「柴藤」と書き、そこから「紫」を取り、「藤」という名前になったとされています。
2つ目は、風に吹かれて散っていく花の姿から「フキチリ(吹散)」が略されて「藤」になったという説です。
藤と呼ばれるようになった由来については、多くの説があるのですが定説はありません。
奈良時代に成立したとされる万葉集以前の古い時代からすでに「フジ」と呼ばれていたとされます。
藤の花言葉
藤の花は長咲きで、そのつるでカゴが作れるほど丈夫です。
ここからは古くから日本で愛されている、藤の花言葉をご紹介します!
全体的な意味の花言葉
藤の花の全体的な花言葉は以下の6つがあげられます。
・歓迎
・優しい
・恋に酔う
・佳客(良いお客様)
・決して離れない
・忠実な
藤の花が頭を下げているように見えることから、「歓迎」「優しい」「佳客」という花言葉がつけられました。
また、「恋に酔う」は源氏物語の藤壺のストーリーから、恋に陶酔する女性のイメージにつながったそうです。
たおやかに垂れ下がる藤の姿が、恋に陶酔していく姿を連想させるようです。
「決して離れない」「忠実な」という花言葉は、藤のつるが藤棚や木にしっかりと巻き付く姿が由来となっています。
「一度結びついたら二度と離れない」という執念や強い愛情の象徴でもあるため、ネガティブな意味合いにとられる場合もあります。
色による花言葉
藤には多くの種類があり、花の色も紫だけではありません。
代表的な藤の花は紫色ですが、白色もあります。
そして藤の花言葉は、色によって意味が違うとのことなのでまとめてみました!
紫の藤
紫の藤の花言葉は、「君の愛に酔う」です。
愛に酔っている気持ちを表す花言葉で、お互いの愛が深まっている、濃厚で大きな愛をイメージさせます。
白い藤
白い藤の花言葉は4つあります。
・可憐
・恋に酔う
・あなたを歓迎します
・懐かし思い出
清楚で可憐なイメージのある白色の藤は、懐かしい思い出もイメージさせます。
藤に関する豆知識
日本原産の藤は昔から多くの和歌で詠まれており、日本人にとって馴染みのある花です。
ここからはいくつか藤に関する豆知識をご紹介します。
藤は女性
昔の日本では女性を「藤」に例えていました。
藤の花が、着物姿の女性を思わせる姿をしていることに由来するとされています。
そういわれると、木に巻き付く藤のつるも愛する男性を慕って離れない女性の姿を思い起こさせますよね。
しなやかでよい香りを持ち、その美しい様子が女性を象徴していると言われている「藤」は、男性を表す「松」とセットにされることも多いです。
フジとヤマフジの違い
藤には「フジ(ノダフジ)」と「ヤマフジ」の2種類があります。
この2つの違いはつるの巻き方です。
フジ(ノダフジ)はつるが時計回り(右回り)で、ヤマフジはつるが反時計回り(左回り)に巻き付きます。
ヤマフジはフジに比べてより大きな花が咲くという違いもあります。
まとめ
藤の花言葉は「恋に酔う」「歓迎」「決して離れない」「忠実な」です。
花の色によっても花言葉は変わってきますが、藤の花やつるから連想させる意味が多いですね。
女性らしさを表した花言葉が多い藤は、日本古来の奥ゆかしさを感じさせてくれますね。