みなさんは「無量大数」というものをご存知ですか?
学生の頃に、「一番大きな数字」として習った記憶がある人も多いと思います。
しかし、実はその無量大数よりも大きな数字があるのです!
今回は無量大数よりも大きな数字についてご紹介するので、ぜひその圧倒的な数字に仰天してみてください!!
目次
大きな数字
日常的に見かける数字の桁は、いくら大きくても「兆」くらいでしょうか。
しかし、学校ではそれよりももっともっと多い桁の数字を習いますよね。
まずはその最大数である「無量大数」について見ていきましょう。
みんなが知ってる無量大数
小学校や中学校で「無量大数」という数の単位を習ったという人もいるかと思います。
これは日本で生まれた概念ではなく、漢字文化圏からやってきた数の単位のとされています。
この無量大数は、10の68乗。
これを最大の単位というのが最も一般的です。
一説には、10の88乗を無量大数としていた時代もあったともいわれていますが、現代では10の68乗が無量大数とされています。
塵劫記(じんとうき)
日本で初めて大きな数字の記述がされたと言われるのが、江戸時代の算術書である「塵劫記」です。
無量大数は寛永8年の版で初めて登場しました。
その際は無量大数=10の88乗として記載されていましたが、寛永11年版で10の68乗に統一され、現在でもその数字として定着しています。
万進・万万進
無量大数が10の88乗であったり、10の68乗であったりと変わる原因は、万進・万万進とよばれる数字の桁の上がり方が統一されていなかったためなのです。
現在は万進と呼ばれ、万で1つ桁が上がる数え方で統一されていますが、かつては万万進とよばれる方法も使われていました。
そのため億以上の単位が異なる数字になっていたのです。
例)
・万進:千万の次を億とし、十億、百億、千億、兆・・・・
・万万進:千億、万億、十万億、百万億、千万億、兆・・・
万億=兆となるのが万進、万万億=兆となるのが万万進になります。
京~無量大数
ちなみに、京〜無量大数の単位は下記のとおりです。
京→垓→?・秭→穣→溝→澗→正→載→極→恒河沙→阿僧祇→那由他→不可思議→無量大数
ちなみに、無量大数を数字で表すと100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000となります。
これを見るだけで、「無量大数」というのが数えるのも嫌になってしまうほど、途方もない数字だということが分かりますね。
もっと大きな数が仏教にはあった
仏教においては無量大数が最大数ではありません。
実は10の1,792乗である「阿婆羅(あばら)」や、10の917,504乗の「僧羯邏摩(そうがらま)」という数字があります。
そして、それよりもさらに大きい数字として「不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)」というのがあります。
ここまでくると、もう訳が分かりませんね。
華厳経の最大数「不可説不可説転」が途方もない
圧倒的な桁を誇る阿婆羅や僧羯邏摩をも凌駕するのが、華厳経の最大数とされている「不可説不可説転」と呼ばれるものです。
これは10の37,218,383,881,977,644,441,306,597,687,849,648,128乗であり、具体的な数詞として使われたものの中で最大のものです。
課単位を入れ表記すると10の37澗2183溝8388穣1977秭6444垓4130京6597兆6878億4964万8128が、不可説不可説転となります。
もうこうなると不可説不可説転の表記の0を並べるのは不可能なので、0を並べる表記はやめておきます!
Googleの由来となったグーゴルプレックス
実はそんな不可説不可説転よりも、さらに大きな数が存在するのをご存知でしょうか?
それがGoogleの由来にもなっている「グーゴルプレックス」です。
不可説不可説転よりも大きい!?
グーゴルコンプレックスは不可説不可説転よりも大きく、10の(10の100乗)乗です。
10という数字を100回掛け合わせ、その数分だけさらに10を掛け合わせた数が「グーゴルプレックス」となります。
この数字は宇宙に存在するすべての物質をインクにしたとしても印字することができない巨大数になるとされています。
このグーゴルプレックスが、Googleの社名の由来となっています。
ギネスに載ってる「グラハム数」
世界最大の数字として、「グラハム数」というものもあります。
グラハム数とは、ラムゼー理論に関する未解決問題の解の推定値の上限として得られた自然数です。
数学の証明に使われた数字の中で最大の数字であり、1980年にギネスに認定されました。
これは想像できないほど巨大な自然数であり、指数表記を用いることは事実上不可能と言われています。
まとめ
世界で最初に数字が生まれてから、その桁についても様々なものが使われるようになりました。
日本では最大の数を表記するものとして無量大数が使われています。
しかしこれは中国から伝来したもので、仏教の本場ではさらにそれよりも大きな数字が存在します。
それが、「不可説不可説転」です。