子どものころ、「夏の思い出」という歌を歌ったことはありませんか?尾瀬の美しい風景をうたった童謡です。
この歌詞の中には自然の風景がいろいろと出てきます。その中でも印象的なのは、ミズバショウの花。
ところでこのミズバショウ、どんな特徴のある花で花言葉は何かご存知ですか?
そこで今回はミズバショウについて、深く掘り下げていきたいと思います。
目次
ミズバショウとは?
まずはミズバショウの花についての基礎知識についてまとめました。特徴や開花時期、原産、名前の由来についてみていきましょう。
特徴
サトイモ科ミズバショウ属の多年草であるミズバショウは、湿地に自生します。
湿原や川などの水辺、特に山間部できれいな水で満たされている湿地を好みます。
根出状に出て、最終的には長さ80cm、幅30cmにまで成長します。先に花が咲き、葉はそのあとに出てくるのも特徴のひとつ。
開花時期
ミズバショウの開花時期は、場所によって若干異なります。低地であれば、4月〜5月にかけて。
高地に生息していると、低地よりも少し後ろ倒しになり、5月〜7月の雪の解けた時期に花を咲かせます。
原産
ミズバショウは寒さには強いが、暑さには弱い性質があります。このため、冷涼な地方に自生します。
シベリア北部やサハリン、千島列島、カムチャツカ半島に分布しています。日本でも生息していて、中部地方以北の日本海側や北海道に広く自生しています。
花の名前の由来
ミズバショウの名前の由来は、糸芭蕉(イトバショウ)という植物。沖縄や奄美群島に生息する、2m以上の高さになる植物です。
葉っぱから繊維をとって芭蕉布という生地が作られます。芭蕉布は生地が薄く涼やかということで、沖縄や奄美群島では衣類として昔から重宝されています。
この糸芭蕉の葉とミズバショウがよく似ていることから、名付けられました。水辺に咲く糸芭蕉で「水芭蕉(ミズバショウ)」というわけです。
ミズバショウの花は白じゃない?
ミズバショウの花は白。
このように思っていませんか?実はこれ、勘違い。花のように見えているものは実は葉っぱの一種なのです。
ミズバショウの白い花の正体
一見すると花のように見える白いものは、仏炎苞(ぶつえんほう)といいます。
苞(ほう)とはつぼみを包む箇所で、葉の変形したものを指します。つまり花だと思っていた白いものは、葉の一種ということなのです。
ミズバショウの本当の花
では、花はどこにあるのでしょうか?
それは、この仏炎苞の中央にある円柱になっている部分です。
これがミズバショウの花で、小さな花が多数集まって構成されています。
花の花言葉
ミズバショウにも花言葉がついています。どのような花言葉がついているか、詳しくみていきましょう。
全般的な意味の花言葉
ミズバショウの花言葉は、美しい思い出。
以下で詳しくみていきますが、この花言葉の由来は冒頭に紹介した歌から来ています。
色による花言葉
ミズバショウの花は、肉穂花序で穂状で棒のような軸に無数についた形をとっています。花の色は黄色のみです。
このため、色別によって複数の花言葉は名付けられていないようですね。
花言葉の由来は尾瀬の美しさを歌った名曲から
先ほども説明したようにミズバショウの花言葉は、美しい思い出です。
これは童謡として広く知られる「夏の思い出」がルーツです。
こちらの歌詞をベースにして、イメージを膨らませた結果、美しい思い出という花言葉が付けられました。それほどまでに広く知られた楽曲とも言えますね。
1949年に「ラジオ歌謡」というNHKのラジオ番組で取り上げられたのをきっかけに、知名度を上げました。
曲の中で描かれる尾瀬を訪れる人々も飛躍的に増えたそうです。
まとめ
歌をきっかけにミズバショウという植物を知った方も多いかもしれませんね。しかしこの歌が花言葉の由来にもなっているとは、ちょっと意外ではありませんか?
またミズバショウの花は白いと思っている人にとって、あれが葉っぱの一種だったというのも意外だったでしょう。
このような新しく知った事実をもとに、今度ミズバショウの花を観賞してみるとまた違った魅力を感じられるかもしれませんね。