巨大なクチバシとカラフルな体色が目を引く鳥の「オオハシ」。
動物園などで一度見たら忘れられないほど大きくインパクトが強いオオハシのクチバシですが、実はとても硬くかつ軽量な材質でできているんです!
今回は、「オオハシのクチバシはなぜ大きいのか?」「あんなに大きくてちゃんと飛べるのか?」など、そのクチバシについて抱く疑問を、オオハシの生態と併せて解説します。
目次
オオハシとは
オオハシとは、鳥類キツツキ目に分類される大型の鳥です。
大きなクチバシとカラフルな体色が特徴です。
生息域
カリブ諸島を覗いた中南米の熱帯雨林に広く生息しています。
5~6羽の群れを作り、木の上で生活をしています。
特徴
種類により異なりますが、体長30~60㎝ほどに成長する大型の鳥です。
最大種であるオニオオハシは、全長65㎝程にもなります。
主に木の上で生活をしていますが、中には樹洞に巣をつくって隠れ場所にしている種もいます。
食事とするのは、熱帯雨林でできるパパイヤやマンゴーなどの果実や木の実。
種によっては、昆虫や小型の爬虫類、鳥類の卵や雛を捕食するものもいます。
大人しく、人間にも慣れる性格を持つ反面、警戒心が強く臆病なところもあります。
驚くことで心臓発作を起こしてしまうことがあるともされています。
寿命は飼育下で約20年、野性下では大型の種で約50年と鳥類の中では長命な種です。
オオハシの大きなクチバシの謎
オオハシの外見上最大の特徴となるのは、体長の3分の1ほどを占める大きなクチバシ。
体長60cmほどとオオハシの中では最大種であるオニオオハシのクチバシは、20㎝に達するほどの大きさです。
クチバシが大きい理由は?
クチバシが大きくなった理由は判明していませんが、現在3つの説が考えられています。
・細い枝の先にある果実をとりやすくするため
・仲間同士で個体識別するため
・警告色として威嚇に使うため
クチバシは重くないの?
重そうに見える大きなクチバシですが、中は空洞のためとても軽く、オニオオハシのクチバシでさえなんと十円玉3枚分ほどの重さなんです。
オニオオハシの体重500~850gに対して、クチバシの重さが約15g。
体の3分の1を占める大きさのクチバシの割にはとても軽いですね。
その一方で、ハチの巣と同じ六角形が規則的に並んだ「ハニカム構造」をしているため、軽いながらも丈夫さも持ち合わせているのです。
大きなクチバシがあっても飛べるの?
大きなクチバシを持つオオハシですが、クチバシは軽量なのでバランスを崩さずに飛ぶことができます。
とはいえ、あまり飛行自体は得意ではないらしく、飛び跳ねて移動することが多いようです。
クチバシは武器になるの?
クチバシを威嚇のために使うことはありますが、戦うときに武器として使うことはありません。
がんじょうではありますが、重量がないので、ぶつけたりする武器にするには適していないようです。
このクチバシは役に立つの?
知能が高いオオハシは、果実の皮をクチバシでむいて食べることもできます。
また、最大種オニオオハシのクチバシは体温調節の役割も担っています。
クチバシ内の血管を通すことで、体内の熱を逃がしているのだとか。
クチバシには車のエンジン温度を一定に保つ装置「ラジエーター」と同じ機能があったんですね。
まとめ
クチバシが大きい正確な理由は解明されていませんが、考えられているのは果実を取りやすくするため、個体識別のため、警告色のため、ということとされています。
オオハシは、国内でも動物園の亜熱帯エリアなどで見ることができます。
とても人懐こく賢い鳥ですが臆病な面もありますので、見た時には驚かさないようにしてあげてくださいね。