天才猿のフサオマキザル、南米には介助犬ならぬ介助猿を務める賢いおサルさんがいた!

フサオマキザルは世界でも最も賢いサルとして知られています。
その賢さと手先の器用さと相まって、身体的介助が必要な人たちをサポートする介助猿としても活躍しています。

今回はそんな「南米のチンパンジー」とも呼ばれる、賢いフサオマキザルについてご紹介します。

フサオマキザルの生息域と生態

 

フサオマキザルの生息域

フサオマキザルは南アメリカ大陸のブラジルやコロンビア西部からベネズエラ、ギアナ、スリナムやベネズエラに分布しています。
アマゾン川流域をはじめとした熱帯雨林や標高1000m近い山岳地帯の森林、乾燥地帯の林に生息しています。

フサオマキザルの生態

フサオマキザルは体長が30~55cm、体重が2~4kgのサルの中では小柄ですが、オマキザル科の仲間としては大型種に属します。
全身を黒褐色もしくは淡褐色の毛に覆われていますが、四肢の先は黒の毛になっています。
頭部には名前の由来となった逆立った房毛があり、個体によっては角刈りのように見えます。

基本的には樹上性の生活をしており、8~10頭の複数の雌雄が混ざった群れを作って行動していますが、クモザルなど他の種の群れと行動を共にしていることもあります。

日の出のころから行動をはじめ、採食活動を行います。
雑食性をしており、木の実や果実、木の根や茎を食しています。
他には昆虫や爬虫類、鳥やその卵を捕食します。
また、川に棲むカニなどの甲殻類も食します。

食事は群れの中で優位に立っている者から順に食べ始め、長時間食事の時間にあてることができます。
地位の低いものの食事はリーダー格など優位なものが食べ終え立ち去ってからになります。

頭のいいフサオマキザル

 

道具を使うフサオマキザル

フサオマキザルは非常に賢い生き物です。

木を叩き餌となる昆虫の居場所を突き止める作業を行っているのが確認されていますが、道具を使いこなす能力があることも判明しています。
フサオマキザルが道具を使うことは中世の時代から知られており、16世紀に野生のフサオマキザルが殻の固いナッツを地面に置き、その上に石を叩きつけることで割ったという様子が記述されています。

石を用いたナッツ割に関してはその後も観察や研究がすすめられ、フサオマキザルが食べるにはナッツを割るのが必須な事、フサオマキザルの身体能力ではナッツを割るだけの力が無いので、1kg以上ある石を叩きつける必要があることが確認されています。
他にもネズミのしっぽをつかんで自分では手の届かない場所にある餌を取らせるといった行為も確認されています。

介助動物として

 

野生でも十分に賢いのですが、訓練を重なることでフサオマキザルはスプーンでものをすくったり、ドアの開け閉めなどを覚えることができます。
その能力の高さ、飼育下では30年生きるとされる寿命の長さ、野生ならば群れで行動している社交性の高さと様々な観点から体をうまく動かせない状況にある人への介助猿として海外では活躍しています。

成長まで他の介助動物より時間がかかることもあり、訓練を終えるのに5~7年を有しますが、盲導犬の2~3倍の時間25~30年もの間、被介助者の人生のパートナーの役割を担えます。

また介助できる内容も扉の開閉から食事の際にスプーンで食べ物をすくって被介助者の口に入れるといった作業、飲料の蓋の開け閉めや顔を拭く事の手伝い、物を拾うといった幅広い行動です。
また、食事を電子レンジで温める作業もできるそうです。

まとめ

フサオマキザルは餌を食べるために道具を使うことで解決する非常に賢いサルです。
愛らしい姿で人の心をいやすだけではなく、その賢さにより人の介助さえ勤めあげます。

30年という長い期間をパートナーとして支えてくれるフサオマキザルは被介助者の方にとっても、日々の生活だけでなくおおいに心の拠り所としても助けになっているようです。

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