自分で卵を育てないカッコウ。托卵することが生存競争に勝つコツだった

みなさんは「カッコウ」という鳥をご存知ですか?

どんな鳥かは知らないけれども、名前だけは唱歌で習った、聴いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

このカッコウ、実は自分で卵を育てない超放任主義の鳥なのです。ただそれも、厳しい生存競争の中で生き抜くためなのだとか!

そこでここでは、そんな熾烈な生存競争を生き残るために進化したカッコウという鳥についてご紹介します。

カッコウとは

カッコウは、鳥綱カッコウ目カッコウ科の鳥です。見た目は可愛らしい顔立ちをしているのですが、その本性はとても怖い鳥だと言えます。

まずはそんなカッコウの生態などについて知りましょう!

カッコウの生息域

カッコウは主にユーラシア大陸やアフリカ大陸に広く分布する鳥で、日本では5月~7月頃に見られる夏鳥としても知られています。

生息地は草原や耕地から小さな林がある、明るくひらけた場所になります。

カッコウの外見

カッコウは細身の体が特徴で、灰色や茶色の羽毛に包まれている他、腹部には白黒の縞模様やまだら模様が見られる鳥です。

長い羽翼と尾羽を持っていて、飛行能力も高い鳥だといわれています。

また、木に止まりやすいよう対趾足と呼ばれる前後2本ずつ分かれた指を持つのも特徴です。常に厳しい生存競争を生き抜くために進化してきた鳥とも言えますね。

閑古鳥と称されるカッコウの鳴き声

カッコウには別名があります。それは寂れた様子を表すのに使われる「閑古鳥が鳴く」という慣用句の『閑古鳥(かんこどり)』です。

カッコウはその名の通り、「カッコウカッコウ」と鳴きますよね。この鳴き声を昔の日本人は悲し気な鳴き声だと感じたらしく、「閑古鳥」という別名が付けられたといわれています。

このようにカッコウの鳴き声に寂しさを感じていたのは日本人だけではなかったようで、ロシアやフィンランドなどでもカッコウの鳴き声は悲しみの声だと認識しているそうです。

逆にフランスではこのカッコウの鳴き声を楽しい声として認識されているそうです。聞き手によって印象も変わってくる鳴き声のようですね。

ちなみに「カッコウ」と鳴くのはオスだけで、メスは「ピピピピ」という鳴き声をしています。

カッコウの生態

カッコウは体温保持能力が低く、外気温や運動の有無によって体温が大きく変動することがわかっています。

そのため、他の鳥に比べて体温変化に敏感な鳥でもあります。

食性は動物食で、昆虫類をはじめとする節足動物などを食べるのが特徴です。主に毛虫を食べるとされており、虫が主食だといえますね。

托卵をするカッコウ

そんなカッコウ最大の特徴とも言えるのが、托卵をするという特性です。

ここからはそんなカッコウの托卵についてご紹介します。カッコウは見方によって、狡猾かつ残忍とも言えます。

托卵(たくらん)とは

そもそも托卵とはどういうものなのかというと、卵の世話を他の個体に丸投げする習性のことです。

親代わりに育てる個体は仮親と呼ばれ、主に鳥類などで頻繁に托卵が見られます。

本来自分たちで卵を孵化させて育てるところを、カッコウはすべて他の鳥に任せてしまいます。

ちなみに、托卵には他の種類に対して行う種間托卵と同じ種類に対して行う種内托卵の2種類があります。

種内托卵をする鳥としては、ダチョウやムクドリなどが知られています。

カッコウが托卵をする相手

カッコウは主に種間托卵を行います。

相手はオオヨシキリやホオジロ、モズなどの鳥類です。

近年ではオナガに対しても行うことが確認されているなど、時代に合わせて託す相手を変化させてきているのも特徴と言えるでしょう。

ただ、種間托卵の場合であっても卵を託す相手は近縁種が多く、稀に猛禽類などに託す様子も見られます。

「どうせなら似ている親に・・・」という感覚なのでしょうか?

さらに稀なケースだと卵や雛を食べてしまう肉食の鳥類に託してしまうこともあるなど、危険を冒してまで托卵することもあります。そこまでして他の鳥に育ててもらいたいのでしょうか!?(笑)

托卵する理由

カッコウなど体温変動が大きい鳥は、体温変化のない鳥に托卵した方が孵化する率が高いため、托卵せざるを得ないと考えられています。

しかし、完全には解明されていない部分も多いのです。

自分たちで育てられないから他の鳥に任せるというのは、ある意味では生存競争を生き抜くために必要なのかもしれません。

もしかしたら本当に、子育てが面倒だから託しているだけかもしれません!

托卵された鳥が絶滅しない理由

カッコウは他の鳥に育てさせる際に早めに生まれてくることで、まだ孵化していない卵や雛を巣から落としてしまいます。

しかし、それでも托卵された鳥たちは絶滅していません。それはなぜなのでしょうか?

托卵される鳥も学習をする

カッコウは賢い方法で他の鳥にバレないようにしています。

例えば、最初の卵の数が5個であれば1個持ち去ってから自分の卵を1個加えるなど、狡猾なやり方をすることで知られているのです。

しかも、カッコウの雛は他の鳥よりも早く生まれて、本来育てられるはずだった他の卵や雛を落とすほど残忍です。

さらに、厳しい生存競争の中でカッコウは他の鳥の卵に模様を似せるなど、生存本能を進化させてきました。これによって、他の鳥は気づかずにカッコウの子供を育ててしまうことがあります。

その一方で、カッコウに托卵される鳥も自分の卵以外を認識するよう進化してきました。模様が若干違うカッコウの卵のみを排除するようになり、より生存本能が進化したのです。

つまり、常にカッコウとその他の鳥たちは生存競争をしながら生き抜いているということです。

他の鳥が絶滅しないのはカッコウに托卵されたとしても卵の識別能力を習得するためであり、その高い卵の識別能力がお互いの生存本能を育むのに一役買っているということになります。

カッコウも続ける対抗策

カッコウ自身、卵の形や模様を托卵する鳥に寄せるようになるなど、無限ループしながらどんどん成長を続けています。

常に進化の中で成長を続けている鳥、それがカッコウなのです。

まとめ

「カッコウ」という鳴き声が特徴のカッコウは、他の鳥に自分の卵を孵化から巣立ちまでの育成まで任せる托卵という行動を行います。

托卵された卵から生まれたカッコウの雛は、托卵された鳥の本来の卵よりも孵化が早いため、時には孵化していない卵を巣から落としてしまうという行動に出ることもあるんだとか。

厳しい野生の生存競争に生き抜くためとはいえ凄まじいものがありますが、こうやって地球上の生物は進化を続けてきたのかもしれませんね!

ちなみにカッコウの中には、自分で卵を育てる種もいるんだとか。全部が全部、托卵するわけでもないんですね。

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