「ご収差」なんて言葉はありません!間違いやすい言葉『ご査収』の意味とその用い方とは

ビジネスシーンでは、日常生活の中では使われない、なれない言葉を用いることも多いですよね。
だからこそ、うっかり間違えて使ってしまうなんて言葉もあると思います。

今回ご紹介する『ご査収』という言葉もその中の一つ。
時に「ご収差」なんていう存在しない表現がされることもあります。

ここでは、日常会話の中ではまず用いられない「ご査収」の意味や用い方について解説します。

「ご査収」とは?

 

まずは『ご査収』の意味について見ていきましょう。

「ご査収」の意味

ご査収の「査」には"調べる"、そして「収」には"収める"という意味があるので、『査収』はよく調べて受け取るということになります。
そこに「御(ご)」という尊敬語の接頭語がついていることから、丁寧な言い回しの表現ということになります。

では、どのようなシチュエーションで用いられる言葉なのでしょうか?

ビジネスシーンでは使用頻度が高い

『ご査収』という言葉は、ビジネスシーンで業界関係なく使われます。
その意味合いは、「確認してください」の丁寧な言い回しとなります。

資料やデータなど何かしらの受け渡しが必要な際に使う言葉となります。

主にメールが多い

『ご査収』という言葉を使うのは、メールやFAXを送るときに使うことが大半となります。
書類や文書を同封した手紙を送る、もしくは添付ファイルのついたメールを送るときに添える文として使われます。

書き言葉として用いられる特性上、会話の中で用いられることはまずありません。
例えば書類などを手渡しするときに相手に向かって「ご査収ください」と声をかけることはまずありません。
その際は、「ご確認宜しくお願いします」と言うのが一般的です。

「ご収差」なんて言葉ありません

 

『ご査収』はまず日常会話の中で使われることのない言葉です。
そのため、つい「ご収差」と言い間違えてしまうなんてこともあるようです。

しかし、「査収」と「収差」は言葉の響きこそ似ていますが、意味は大きく異なります
「収差」とは、望遠鏡やカメラのレンズを通して被写体を像に変換するとき、完全に見たままには変換されないことで発生するボケやゆがみなどのことです。
レンズの収差というような使い方はあっても、人に対して言う言葉ではありません。

そのため、丁寧に「御」を付けて「ご収差」という表現をすることはまずあり得ないのです。

パソコンなどで「ごしゅうさ」と入力し変換すると、「ご収差」と変換が出てきます。
そのため、入力間違えに気が付くこともなく進めてしまうこともあるかもしれませんが、とんだ大間違いをしているということになります。

「ご査収」の間違った使い方

 

『ご査収』と入力を正しくしても、使い方そのものが間違っているなんてこともありえます。

例えば、添付ファイルなどの資料がないのにも関わらす「ご査収ください」と添えていたら、それは間違った用い方となります。
受け取った側は、データの添付漏れかな?と確認するため連絡を取るという手間を割かないといけなくなってしまいます。

また、すでに何度も文書のやり取りをしていて、最終版を添付する場合。

この場合は、内容を詳しくチェックする必要はないでしょう。
このように確認だけしてほしければ、「ご確認ください」の方が相手も正確に内容を理解できます。
ビジネスマナー的に見ても問題ない表現です。

また、前もって控えの書類を渡している、もしくは一緒に確認した書類を後日送付する際も「ご査収ください」は不適切です。
この場合は、「ご確認ください」もしくは「お納めください」の方が適切な表現となります。。

ご査収を使うシーン

 

『ご査収』という言葉は、前述したようにビジネスメールの中で使うことが多く、話し言葉としてあまり使われることはありません。
請求書や見積書、企画書などの文書を添付した際の、メール本文の中で用います。

「金額や内容が間違っていないか、そちらでも確認をお願いします」というニュアンスが込められています。

使用例

では、実際どのように使うのでしょうか?いくつか代表的な例文をご紹介しますね。

例えば商品を発送した場合。
「ご注文の品をお送りしましたので、ご査収ください」

他にも、請求書などを送付した場合にも使われます。
「請求書を添付いたしましたのでご査収ください」など。

また、発注を受け企画書を提出する際にも用いることもあります。
「企画書を提出いたします。ご査収くださいますようお願い申し上げます」

これらのような用い方が一例としてあげられます。

まとめ

語感としては、「ご査収」と「ご収差」は聞き間違えてしまうほど似ています。
しかし、その意味は全く異なります。

『ご査収』は、ご確認くださいのより丁寧な言い回しとして、そして内容を吟味して欲しいというニュアンスを込めて用いられます。

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