「玉露」とはどんなお茶?緑茶や煎茶、ほうじ茶とは違うの?

日本には数多くのお茶がありますが、その中でも「玉露(ぎょくろ)」はどのようなお茶なのか想像しにくいですよね。
そこで今回は、玉露がどんなお茶なのか、他の緑茶との違いと共にご紹介します!また、緑茶と紅茶、ウーロン茶やプーアル茶の違いも解説します。

緑茶は日本茶の総称

緑茶とは、日本茶の総称です。
日本茶の種類は数あるので、状況によっては使い分ける必要が出てきます。

まずは緑茶がどういうものなのかについて知りましょう!

緑茶とは

緑茶は、茶の木の葉から作るお茶の中でも、摘み取った茶葉を加熱処理して発酵を妨げたものを意味します。
また、その茶葉にお湯を注いで成分を抽出した飲み物のことも意味します。

日本茶といわれるお茶はどんなお茶?

緑茶は「日本茶の総称」と最初に説明しましたが、そもそも日本茶とはどのようなお茶のことを指すのでしょうか?
それは日本茶という文字通り、「日本のお茶」のこと。つまり、「日本で作られたお茶」のことです。

特に煎茶は、日本茶の80%を占める割合となっています。
そのため「日本茶=緑茶=煎茶」といって良いのかもしれませんね。

このように圧倒的割合を占める煎茶は、日光を浴びせて栽培するのが特徴で、茶葉を蒸して揉みながら乾燥させるという製造方法で作られています。
その他、番茶や玄米茶、ほうじ茶や抹茶なども日本茶であり、緑茶の一種となっています。

今回解説する「玉露」も同じく、日本茶の一種です。

緑茶の一種、「玉露」とは

 

玉露は緑茶の一種ですが、どのようなお茶なのでしょうか?
ここからは「玉露」についてご紹介していきますね。

玉露の栽培方法

玉露は新芽が出始める時期、もしくは茶摘みの時期より約3週間前から日光を遮って育てたお茶のことを言います。
完全に日光を遮るわけではなく、最初は70%の遮光率から始まり、茶摘みの前に90%以上の遮光率で育てる製造方法が主流です。

この製法により渋味が出るのを抑えると共に旨味を引き出せるのです。

玉露の特徴

光を浴びせて作る煎茶は、渋み成分のカテキンの量が増加するのに対し、光を遮って作る玉露は旨み成分のテアニンが増加します。
そのため、日光を浴びた煎茶は爽やかですっきりとした味わいなのに対し、玉露は深みのある味わいが特徴です。

また香りも特徴的で、玉露の香りは海苔にも似た「覆い香」といわれています。淹れ方によっても味わいが変わります。
玉露と煎茶は、水道水で十分に美味しいものをいれることができるのですが、沸騰させて淹れる際には注意が必要です。

まずお湯を沸騰させたらすぐに火を止めるのではなく弱火を保ち、フタを開けて2分〜3分ほど沸騰させ続けてからいれるのがベストとされています。
水道水によってはカルキ臭が強いこともあるため、その場合は5分ほど沸騰させてからいれるとより美味しくなります。

凝縮された味わいはもちろん、製造までの工程が複雑なことから、玉露は最高級品の緑茶とされているので、ぜひ特別な機会にいれて飲んでみてください!

名前の由来

天保の改革が行われていた1835年の江戸時代に、茶商だった山本山の6代目である山本徳翁が、宇治で「茶葉を露のように丸く炙った」のが『玉露』の原型であり名前の由来とされています。
また、別の説では玉露独特の「旨みが玉の露のようだから」という説があるなど、名前の由来はいくつかあるようです。

緑茶、紅茶、ウーロン茶、プーアル茶の違い

世の中にはお茶といわれるものはなにも、煎茶をはじめとした緑茶だけではありません。紅茶、ウーロン茶、プーアル茶などもあります。
これらのお茶といわれるものは、一体何が違うのでしょうか?
なお、緑茶に関してはその8割を占める煎茶で違いをまとめていきます。

原料は同じ

実は緑茶、紅茶、ウーロン茶、プーアル茶それぞれ原料が同じで、「チャノキ」というツバキ科の常緑樹からとれます。
それぞれのお茶の違いは製造方法による発酵度合いの差で出てきます。

製造工程の違い

原料は同じですが、それぞれのお茶ごとに製造工程が違いがあります。

緑茶

緑茶は不発酵茶なので、まったく発酵させません。
摘採をしたら発酵がはじまる前に茶葉を蒸すことで、発酵を抑えています。

その後、香りと味を引き出す茶葉を揉む「茶揉み」を行い、乾燥させると緑茶になります。

紅茶

完全発酵茶である紅茶は、完全に発酵させる製造工程となります。
摘採をしたら風通しの良い暗所に置くことで、若干の水分を飛ばすとともに発酵を促します。

その後は茶揉みすることで繊維を壊し、さらに発酵が進みやすくしています。
発酵したら乾燥させると紅茶になります。

ウーロン茶

ウーロン茶は半発酵茶となり、緑茶と紅茶の間を取ったような状態です。

摘採をしたら一度放置し、水分を飛ばします。
そして発酵を促した後に熱を加えることで発酵を止めます。

ただしこの時、日本では蒸して加熱するのに対し、ウーロン茶をはじめとした中国茶では炒ることで加熱します(釜炒り)。
そこから茶揉みをした後に焙じると、ウーロン茶になります。

プーアル茶

プーアル茶は後発酵茶と呼ばれるもので、加熱した後に発酵させる茶葉となっています。

緑茶をはじめとした不発酵茶のように、摘採後に加熱して発酵を止めます。そこから茶揉みし、繊維を壊し茶の成分が出やすい状態します。
その繊維が壊れた茶葉を風通しの良い場所に置き、茶葉に残った酵素を使い発酵させて出来たものが「生茶」と呼ばれるプーアル茶です。

それに対し、茶揉みした茶葉を多湿な場所に置き、麹菌を茶葉に住み着かせて麹菌による発酵を促して出来たものが「熟茶」と呼ばれるプーアル茶です。

まとめ

「玉露」は、お茶の中でも光を遮りながら手間をかけて育てるお茶です。
他のお茶に比べて旨み成分は強いですが、育てるのが面倒ということもあり、市場には高級品として出回っています。

その他のお茶も、緑茶であれば原料は同じです。
発酵度合いによって呼び名が変わることもありますよ。

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