「ラーメン」は今では国民食と呼べるほど定番のグルメですが、時に「支那そば」と呼ばれたり「中華そば」と呼ばれたり、いまいち呼称が定まっていない食べ物でもあります。
この、支那そばや中華そばとは呼ばれるものと、ラーメンにどのような違いがあるのかと言えば・・・、それは呼称だけとも言えます。
そこで、ここではなぜ様々な呼び名があるのかを見ていきましょう。
目次
「支那そば」「中華そば」「ラーメン」の違い
支那そばや中華そばなどそれぞれの呼び名は違うのですが、結論としては全部同じ内容のラーメンを指します。
そういう意味では違いは呼び方だけと言っても過言ではありません。
内容は同じ
支那そばも中華そばもラーメンも内容は同じです。
スープがあって、そこに麺が入っていて、その他に具が乗っているものを総じて指す言葉、それが支那そばであり中華そばでありラーメンだということです。
もちろん、店舗や種類によってラーメンのスープは違うし、使っている麺も違えば具も違ってきます。
ただ、根本的にどの呼び名もスタンダードなラーメンを指すわけです。
ラーメンの歴史
ラーメンという日本ではすっかり定番になった食べ物ですが、その歴史は意外と複雑です。
誕生は明治
明治維新以降、日本各地に中華街(南京町)が誕生しました。
現在も観光エリアとして人気の横浜や神戸などの港町に中華街が次々と広がり、中国本土から伝わってきた中華料理が日本でも食べられるようになったのです。
それらの影響もあり、ラーメンも日本で食べられるようになったとされています。
いわゆる現代でも食べられているラーメンは、1884年に北海道の函館にあった「養和軒」のメニュー「南京そば」が新聞広告に掲載されたことで広く世に知られるようになったとされます。
ただ、現在呼ばれているラーメンは多種多様な文化として受け継がれており、作り手によって全然違うものです。
そこは時代背景によっても違ってくるため、厳密にラーメンの歴史を説明するのは難しいと言えます。
最初は「南京そば」
現在で呼ばれるラーメンについては、もともと「南京そば」と呼ばれていました。
それが時代とともに「支那そば」と呼ばれるようになり、やがては「中華そば」と呼ばれるようになったそうです。
当時の南京そばは麺とスープ、具が基本となっており、時代を経て多種多様な食べ物へと進化していきました。
当時は中国のことを南京もしくは支那や中華と呼んでいたことから、その麺料理という意味で支那そばや中華そばと呼ぶようになったとされています。
現代ラーメンのベースは1920年代に確立されたとされており、チャーシューやメンマやネギをトッピングするという現在ラーメンの原型もこの時期に生まれたのではないかと考えられています。
支那・南京・中華は同じ
日本では古くから中国との交易があるのですが、時代によって呼び方が変わります。
かつて中国のことは南京と呼んでいた日本も、時代を経て支那や中華と呼ぶようになり、今では中国と呼ぶのが一般的となっています。
つまり、すべて中国のことを指す言葉なのです。
支那そばも南京そばも中華そばも、どれも「中国のそば」という意味を持っていてすべて同じ内容のものを指しています。
ラーメンの語源
では、ラーメンという言葉はどこから生まれたのでしょうか。
これに関しては、実は諸説あってはっきりとした語源がわかっていません!
大正時代に札幌で開店した食堂を起源とする説がひとつあります。
その説では、当時食堂の女将が中国料理人の掛け声「好了(ハオラー)」のアクセントを気に入り、麺を作る動作と掛け合わせて「ラーメン」と呼んだという説があるそうです。
その他、手で引き延ばして麺を作る製法を指す「拉麺(ラーミェン)」や「老麺(ラオミェン)」などの発音が転じて「ラーメン」となったという説もあります。
カタカナ「ラーメン」の最初は日清
ラーメンに関しては、そばと表記されることが多いですが、現代ではラーメンとカタカナ表記されることが多いですよね。
これのはじまりは日清食品とされています。
昭和33年に世界で初めて発売された即席麺「チキンラーメン」に用いられたのが最初だとされています。
まとめ
支那そばも中華そばもラーメンのことを指す言葉であり、そこに厳密な違いはありません。
もし違いがあるとすれば時代によって呼称が変わってくるというだけのことです。
そもそもラーメン自体が時代によって様々なバリエーションを持つようになったため、厳密に「これ」という表記はありません。