今では絶滅危惧種とされる「ゲンゴロウ」かつては食用にされるほど容易に姿を見ることができた水生甲虫

丸っこいフォルムをしていてかわいいゲンゴロウは、かつて日本の各地で見られる水生昆虫でした。
しかし、近年ではその数も激減しており、絶滅危惧種に指定されています。

かつては食されることもあったほど溢れていたゲンゴロウですが、今の子供たちは見かけることも少ないかもしれません。
そこで、ここではゲンゴロウがどういう生き物なのかを解説します。

タガメとの違いなども併せてご紹介していきますね。

ゲンゴロウとは

ゲンゴロウとはコウチュウ目ゲンゴロウ科ゲンゴロウ属の生き物です。
水生昆虫の一種で、かつては日本の田んぼの中など水辺でも多く見ることのできた生き物となっています。

ゲンゴロウの生息域

ゲンゴロウは日本では北海道から本州、四国から九州まで幅広く生息しています。
海外の場合、台湾や朝鮮半島やシベリアまで生息しています。

自然が多く残る池や沼で暮らしていることが多く、豊かな自然がないとゲンゴロウは生きていくことができません。
成虫は飛ぶこともできるのですが、そのほとんどは水中で生活しています。
幼虫も大型の魚類がいない水田などで生活しています。

ゲンゴロウは美しく清らかな水がある場所で生きる生き物なのです。

ゲンゴロウの生態

ゲンゴロウは種類によって大きさが違います。

ナミゲンゴロウやオオゲンゴロウという別名があり、一般的にゲンゴロウと呼ばれるのが日本最大種のゲンゴロウです。
このゲンゴロウ、幼虫では体長80mmですが、成虫になると体長35mm~45mmほどまで大きくなります。

性別によって見た目の違いがあります。
オスはメスよりも体表に光沢があります。

また、オスの前足は吸盤状となっており、メスの背中に付着させて交尾をすることができます。

ゲンゴロウは日光浴がお好き

そんなゲンゴロウは日光浴が好きで、よく水中から出てきます。
この行動、じつは命に直結しています。
日光を浴びることでミズカビの発生を抑えることなどが目的だとされています。

また、ゲンゴロウは飛行することが可能なので、飛翔行動に移る際は事前に体を乾かす必要もあります。
ただし、飛翔自体は夜間に行われることが多いので、地表で濡れた体を乾かすという表現の方が適切ですね。

幼虫と成虫で性格が大きく異なる

ゲンゴロウは幼虫と成虫で性格が異なります。

成虫の食性は腐肉食性とされており、腐敗した死骸なども食べる他、動きの鈍い昆虫などを食べることがあります。

しかし、その一方で幼虫の食性は完全な肉食性です。

幼虫は非常に食欲旺盛です。
頭部の大あごで動くものなら何でも襲いかかり口にするという凶暴性があります。
この襲い掛かる対象、なんと同じゲンゴロウの幼虫にまで及ぶそうです。

つまり、仲間であっても食べてしまうことがあるということになります。

むしろ成虫になると、タガメのように大鎌を持っているわけでもないので、強力な武器が無くなることもあってか、一転して攻撃的な性格ではなくなります。
普段は衰弱しているもしくは死んで間もない小魚や昆虫を食べ、大人になってからは共食いすることもありません。

タガメとは別物?

似たような水生昆虫の中にはタガメなどもいますよね。
この2種は同じ水中で生きているということもあり、似たような特徴もあります。
ただし、そこは違いもあるので、ここで比較しながら違いを見てみましょう。

成長過程の違い

ゲンゴロウとタガメは、成長過程に違いがあります。

ゲンゴロウは幼虫はサナギを経て成虫となりますが、タガメはサナギにはなりません。

遊泳能力の違い

ゲンゴロウとタガメは遊泳能力にも違いがあるそうです。

ゲンゴロウは非常に泳ぎが得意なのですが、タガメはむしろ苦手です。
そのため、タガメはじっとして動かず、小魚などが目の前を通りかかるのを待ち伏せをして捕食します。

武器の違い

ゲンゴロウとタガメは武器にも違いがあります。

タガメには大きなカマと消化液という2つの武器があります。
ゲンゴロウはそれら武器となるものがほとんどありません。

正確には前足に小さな爪はありますし、噛むための顎もありますが、狩りを得意とするほどの力はありません。
そのため、弱った魚や昆虫を襲って捕食活動をしているのです。

絶滅の恐れのある存在になってしまったゲンゴロウ

日本で古くから見ることのできたゲンゴロウは、現在では絶滅危惧種に指定されています。
年々その個体数は減っており、このままでは絶滅してしまう可能性すらあります。

かつては食用にもされた

かつて日本にはゲンゴロウがたくさんいたということもあって、食用にされるほどでした。
今ではあまり考えられないですが、むしろ食用昆虫の文化は古くからあり、高たんぱく質な昆虫食として重宝されていたようです。

個体数が減った背景には人間が食べたからだとは一概には言えないものの、現在ではなかなか食べることができないほど減ってきています。

激減したゲンゴロウ

ゲンゴロウは年々その数を減らしていて、すでに絶滅が危惧されています。

その原因となっている要因は1つでは無いとされます。
インフラ整備などによって池沼が消滅してしまったことはもちろん、改修や農薬の流入による水質悪化などにより、個体数が激減したと考えられています。
また、大きな水辺ではブラックバスなどのを放流する人もおり、その影響で外来種によって捕食されてしまっていることも多いとされています。

まとめ

ゲンゴロウは日本に古くから生息している水生昆虫で、その丸みを帯びたフォルムは愛嬌がありますよね。
幼虫時代は食欲旺盛で動いているものならなんでも襲い掛かる獰猛さがありますが、成虫になると弱った魚に昆虫などを食すように性格が変化します。

また、体にカビが付着しないように日光浴をよくするという特徴もあります。
かつてはこの姿も全国の水田付近ではよく見かけることができたようですが、現在ではその数を減らし、絶滅危惧種に指定されています。

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