
「悲喜こもごも」の「こもごも」とは、多くのものが入り混じっていることを指します。
1人の中で様々な感情が次々と沸き起こることを意味します。
この「悲喜こもごも」の「こもごも」は、漢字表記することができます。
ではどのような漢字が当てはめられるのでしょうか。
また、誤用されることも「悲喜こもごも」はあります。
そこでどのような用い方だと間違いになるのかを見ていきましょう。
目次
「悲喜こもごも」とは

「悲喜こもごも」の意味や、「こもごも」とは何を指すのかを見ていきましょう。
「こもごも」を漢字で書くと?
悲喜こもごもの「こもごも」は、「交々(こもごも)」と漢字表記します。
多くのものが入り混じっている様子の他、次々と現れてくる様子を指す言葉となっています。
また、入れ替わることや、かわるがわるという意味でも用いられます。
「悲喜こもごも」の意味
悲喜こもごもは、それぞれの感情が入り混じった状態を指します。
1人に対して、悲しみや喜びといった感情が混ざり合っている状態を意味します。
悲しみと喜びが交互に入り混じっているところから、総じて複雑な心境となっている様子を表す際に用いられます。
勘違いされることもある「悲喜こもごも」の用い方

「悲喜こもごも」は独特な意味合いからか、誤用されて用いられることがあります。
ここからは、よくあるその誤用についてご紹介します。
よくある誤用
「悲喜こもごも」、は悲しみと喜びと相反する感情が入り混じった状態ということから、「悲しんでいる人と喜んでいる人が入り混じった状態のこと」を指すとされることがあります。
しかし、これは誤用なので注意が必要です。
悲喜こもごもという言葉は、複数人数の感情ではありません。
1人の中に複数の感情が入り混じっていることを指すものなのです。
例えば「悲喜こもごもの就職活動」という用い方をする場合がありますが、これでは「無事に就職できて喜ばしい人もいれば就職できずに悲しい人もいる」というニュアンスで受け止めるのは間違いとなります。
正しい「悲喜こもごも」の用い方
正しくは「就職活動の試験は散々だったものの、面接では好感触だった」、「A社は選考落ちしてしまって悲しいが、B社は無事内定をもらえたのがうれしい」という意味合いになります。
また、「応援していた選手がMVPを獲得したものの、今期限りで引退をするということで悲喜こもごもだ」という使い方もできます。
この場合は嬉しいこともあったが、同時に悲しいお知らせもあった、というなんともとも言えないような感情になったことをあらわすことができます。
「悲喜こもごも」の類義語は「万感交到る」

「万感交到る(ばんかんこもごもいたる)」とは、色々な思いが次々と沸き起こることを表す言葉です。
「悲喜こもごも」とも意味が似ている言葉となっています。
「万感」が無数の感情を表しており、「交到る」が次々と沸き起こることを表しています。
この言葉は、複雑な感情表現をする際に用いられることが多く、喜怒哀楽が入り混じっている状態を指すことも多いです。
「悲喜こもごも」の場合は、悲しみと喜びの感情にフォーカスしているのですが、「万感交到る」はより多くの感情が入り乱れているような状態を指すニュアンスが強いです。
まとめ
「悲喜こもごも」は、悲しみや喜びという複数の感情が、1人の中で入り混じっている状態を指す言葉です。
悲しみに打ちひしがれている人や喜びに満ちている人がたくさんいる状態を指す際に使われることもありますが、この用い方は誤用となります。